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ヒルトン東京 Executive Room  
Hilton Tokyo 2010.05.27(木)
東京都新宿区 哀-1

客室から見る夜景

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大丈夫?


日が暮れてから到着した正面玄関での出来事。ドアアテンダントに出迎えられ、荷物をベルに引き継いだまではスムーズでよかった。だが、若く経験の浅いベルアテンダントの言動と行動は、感心できなかった。

車寄せへのアプローチ

こちらはもう慣れたもので、エグゼクティブラウンジへ向かうために、正面玄関からエレベータホールまで、迷いなくまっすぐに進んでいった。すると荷物を預かったのとは別のベルが近づいてきて、制止するように「どちらにご用ですか?」と聞いてきた。それは、面会時間の終わった病棟に忍び込もうとする人間に対するような言い方だった。

宿泊だと答えると、今度は「チェックインで大丈夫ですか?」と返してきた。その意味は理解できる。若者同士、プライベートでどのよな会話をしようと構わないのだが、ここは国際ホテルであり、まして従業員ならば、自分の言葉遣いを相手がどのように受け止めるかを熟慮するべきである。「あなたの頭こそ大丈夫?」と聞き返したくなるではないか。

以前、中国出身の知人が「日本人は大丈夫、大丈夫ってよく言うね。はじめ意味がよくわからなかった頃は、立派な旦那さんがたくさんいるんだと思ったよ」と笑っていたのを思い出した。国際ホテルには日本語の通じる外国人も多数訪れる。従業員には、違和感のないことばを選んで使ってもらいたいものだ。

フロントロビー

特にヒルトンは、国際的に活躍するビジネスパーソンたちが好んで滞在している。彼らは、リッツ・カールトンやペニンシュラに泊まれる財力を持ち、それらホテルの価値も認識しているが、あえて堅実にヒルトンを選ぶ人も多いらしい。

ロビーのイベント案内

それは、ヒルトンの持つ典型的なアメリカンスタイルが、ビジネスに集中するのに適していることも理由のひとつだと聞いた。館内の適度な活気は、人を招いて打ち合わせをする際にも好都合。これが小さな最高級ホテルだと、人の中に溶け込むことができず、誰かに聞き耳を立てられているようで落ち着かないということもあるらしい。

ロビー

また、同様のニーズを持った客が集まることによる安心感もある。特にエグゼクティブフロアはその傾向が強く、カクテルアワーには、いつも多くのビジネスパーソンが束の間のくつろぎを満喫している。

フラーワーアレンジメント

館内のインテリアは、そうしたアクティブなシーンにも似合うよう、都会的でシャープなニュアンスを持たせながらも、おとな好みするシックで落ち着いた感覚を溶け込ませている。内装と客層がトータルで調和し、ヒルトンらしい空気感を醸しているのだ。そのヒルトンで、今、最も浮いてしまっているのは、従業員であるような気がしてならない。

エレベータホール

さて、37階エグゼクティブラウンジでのチェックインはスムーズに済んだ。用意されたのは最上階38階にあるキングベッドのエグゼクティブルーム。ラウンジからは階段を使って上がれるので便利。スイートを除き、各客室扉に呼び鈴が設置されていないのが、ヒルトン東京の特徴だ。

客室階廊下

標準客室の面積は約30平米。建物がS字にカーブしているため、位置によって若干広さが異なるのだが、今回の部屋が最も標準的な形状と広さを持つタイプで、レイアウトもまた典型的なもの。内装には個性が感じられつつも、ヒルトンらしい造りだ。

エグゼクティブキングルーム

特徴的なのは、デスク側にあるメタルのボードと、ベッド側にある木目のボードの対比。それらのボードは居室で互いに向き合いながら、マテリアルが持つイメージとパワーを放射している。

デスクはオーバル型のガラス製で、リクライニングするオフィスチェアを室内向きに設置。テレビはカウンターに載っており、赤と黒の扉を持つミニバーキャビネットがアクセントになっている。ツインルームにはガラスデスクがなく、直接カウンターに向かうようになっており、その場合はデスクトップがかなり手狭だ。

デスク側

ベッドは180センチ幅。脇の壁面に姿見が取り付けられているのがユニーク。ベッドボードが高く、温もりの感じられる木目によって、くつろいだ雰囲気が醸し出されている。可動式のナイトスタンドには、スポット型の読書灯が設けられている。

ベッド

また、ベッドボードはそのまま横に窓際近くまで伸びており、室内の落ち着いた印象を深める効果を発揮している。その木目の前に真っ赤なレザーソファを置くことで、ここにもマテリアルやカラーの違いによるコントラストを感じさせている。

ソファ

窓にはヒルトンらしく障子と襖を配している。最上階の西側からは、はるかかなたまで続くかのように都市が広がっているのが見える。夜ともなれば、地上の銀河のように美しい。

窓からの眺め

また夕暮れには見事な日の入りや幻想的な雲の流れを見ることができるかもしれない。晴れていれば富士山も見える。都心方面には高層ビルが多いが、ここより西側にはあまりないので、夜景にも穏やかで上品な印象を受ける。

窓からの眺め

バスルームはシンプルなユニット式。ベイシンには黒い天然石を使い、空間を引き締める効果が感じられる。ただ、天端が狭いので、アメニティやらドライヤーがあるだけでも窮屈。自分のものを並べるスペースはほとんどなく、棚でもあればいいのにと思うことしばしば。

ベイシン

バスタブは165センチの長さがあり、とてもゆったりしている。外国人の多いヒルトンらしい設備である。ただ、ガラスの仕切りは企画倒れ。せめて外側に折れるようにすればよかったが、内側に折れては、何かと使いにくいだけである。

バスタブ

「チェッカーズ」のランチブッフェでのこと。パスタはソースや麺を自由に選んでオーダーすると、調理して席まで運んでくれるのだが、この時は散々待たされた挙句に、冷めて干からびたものを出してきた。

マネジャーに苦情を述べると、「これは本当によくないこと、非常に恥ずかしい」と潔く詫び、すぐに作り直すと言って、2分で出てきた。その対応に感心し、夜も「チェッカーズ」へ。アスパラやロブスターをたくさん食べて、大満足だった。

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ヒルトン東京

このホテルに関する過去のレビュー

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