ハツラツと迎えられ、半円形の大きなテーブルに案内された。なかなかいい感じの出だしだ。だが、それも終始というわけにはいかなかった。こちらのオゴリなので客人にはわからないよう（もちろん客人のメニューに値段は載っていない）、「こちらのコースをお願いします」とメニューを指して注文したのに、「ハイ！5,880円のコースですね！」と元気よく復唱されてしまった。

料理はどれもいい味。タイミングも申し分なかった。ちょっと疑問だったのはデザートだ。ランチのコースは3種類あるが、実際3コースとも同じデザートが運ばれてくる。メニューを見ると3種とも日本語名は「本日のデザート」で、英語名は「Dessert」なのだが、中国語では「水菓豆腐」「当日豆腐」「当日涼点」となっている。名前が違えば当然違う品物が出てくると思うではないか。ちょっと騙されたような後味の悪さを頭の片隅に残しつつ、話の続きをするために「マーブルラウンジ」へと席を移すことに。

入口で人数を告げると、２：１５には帰ってもらうことになると言われた。なぜかと尋ねると２：３０からのデザートブッフェの予約で一杯だからだとのこと。ラウンジが予約で一杯だ？きちんとしたダイニングならまだしも、ロビーラウンジで先に来た客を追い返すようなシステムが通用するとでも思っているのだろうか。ロビーラウンジは宿泊客が外来の客と会ったり、打合せなどに利用するための空間でもあるのだ。シティホテルの重要な機能としてのロビーラウンジをデザートブッフェに独占させるのは、宿泊客として納得がいかない。

だったら、他に代わりとなる場所はないのかと尋ねると、３：００までなら「チェッカーズ」で、それ以降ならヒルトピアのテナント「リエカフェ」を利用しろと言う。「ランチを食べた後、席を移してゆっくりとコーヒーも飲ませてもらえないホテルなのか」と苦情を述べても、係は満席だと一歩も譲らない。久しぶりに心底腹が立った。

マネジャーを呼び、どういうつもりなのか問いただした。するとそれは女性スタッフの勝手な判断であって、喫茶用の席は残してあるのだという。そして広いソファの席に案内されたが、どうも腑に落ちない。マネジャーは女性スタッフのせいにしたが、彼女がそこまで意地を張る理由などないのだから、そのように客を門前払いするよう指示されていたに違いない。

もしマネジャーの言う通り、彼女の勝手な判断であるのなら、今回と同じことは二度と起こらないはずである。ぜひそう願いたいものだが、なんとも疑わしい。その後は、とりわけ気を遣ってサービスされたが、予約で満席のはずの２：３０を過ぎても、結局満席になることはなかった。あれだけ胸を張って追い返そうとしたのだから、店としては相当バツが悪かったことだろう。

客人と別れてからは、フィットネス、ラウンジといつものパターン。いつも通り外国人客が多いが、全体的にはいつになく空いている様子だ。ルームサービスのディナーも20分程度で届き、エキスプレスのランドリーも1時間で仕上がった。朝食も７時台はガラガラだった。いつも賑わっているエグゼクティブフロアなのに、珍しいこともあるものだ。

だが、ボイラーの調子が悪いのか、バスタブに湯を入れ続けてもぬるいままだし、空調の効きもイマイチ。おそらく客室の稼働に合わせて出力をセーブしているのだろう。そういうことは、客に感じさせないようにやってもらいたいものだ。