ヒルトン東京 Executive Tower Suite |
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Hilton Tokyo |
2008.09.13(土)
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東京都新宿区 |
哀-4
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品質維持の崩壊 | ヒルトン東京の各フロア01番にはタワースイートがある。いずれも面積は66平米だが、フロアのカテゴリーによって内装が異なるだけでなく、一部には特別な内装を施したタイプも用意されている。
今回利用したのはエグゼクティブフロアに位置するタワースイート。改装前はビジネスユースを想定した堅実なインテリアでまとまっており、遊び心や面白さとはあまり縁のない雰囲気だった。バスルームも標準客室と同等で、スイートらしい華やぎを求めるには向かない造りだった。 しかし、改装後のタワースイートは大きくイメージチェンジしている。都会的で洗練されたムードに溢れ、個性が主張する空間になった。室内は3つのゾーンが互いに絡み合っている。ホワイエはクローゼットを介してバスルームにつながっており、床はバスルームと共通の石張り。リビングとベッドルームはふたつのスライドドアで往来できるようになっており、ベッドルームとバスルームはほとんど一体化していると言ってもいい大胆な造りだ。 リビングには、大きなL字状に配したふたつの大きなソファと、中央が穴になっている四角いテーブル、マガジンが並んだサイドテーブル、オーバルのガラス製デスクに対面したふたつのレザー張りチェアがある。ミニバーはベッドルームとの仕切り壁に設置されており、通常のアイテムに加えネスプレッソマシン(カートリッジ6個)が用意してある。テレビは37インチでふたつの窓の間に設置され、DVDプレイヤーを備えている。 照明にも工夫が見られる。フロアスタンドやデスクランプの他、ハロゲンのダウンライト4箇所とテレビボード背面の間接照明がムードを演出している。全体の色調はダークだが、壁面に木材、柄のクロス、天然石などをコーナーによって使い分けて変化を生んだ。 こうして見た目のよいリビングルームに仕上がっているが、実際の使い勝手はいまひとつだ。まず肝心のソファは座り心地が悪い。寝そべってテレビ画面を見入るには好都合かもしれないが、フツウに座って茶でも飲むには向いていない。また、デスクに添えられたチェアも、デスクワークにはまったく向かない。その上かなり重たいので、ルームサービスがワゴンで運ばれてきた際など、ちょっと移動したい時にとても苦労する。 ホワイエにも問題がある。ドアのすぐ脇に金庫を配した整理棚があるのだが、この部分を隠すスライド式の扉は、バスルームへの通路を隠す扉と共用で、どちらかを隠すとどちらかがオープンになってしまい、客人があるなどして両方隠したい時に困る。 また、バゲージ台はベルベット風の生地が張ってあり、まるでベンチシートのようで見た目はいいのだが、幅が狭いので小さなバッグしか置くことができず、室内にスーツケースを載せられるような台はない。クローゼットも標準客室のものと大差なく、小さくて使いにくかった。 ベッドルームには110センチ幅ベッドがハリウッドツインスタイルで並ぶ。エグゼ階のスイートはすべてキングベッドかと思っていたが、このように一部にはツインもあるようだ。窓際にはロングチェアがあり、リビングでもベッドルームでも、昼寝の体制だけは万全だ。 バスルームは開放的な造りになっている。ジェット機能付きバスタブとレインシャワー付きの洗い場のあるウェットエリアはガラスで仕切られており、トイレも独立させて専用のベイシンを設けた。ウェットエリアとトイレガラスには薄い柄の入ったシールが張られ目隠しの役目をしているが、バスタブ側には必要なかったように思う。バスタブからガラス越しに寝室のテレビがちょうどいい位置に見えるはずだが、このシールのためによく見えなくなっているのが残念。 浴室と寝室の仕切りには、薄手のカーテンが設置されており、これを引けば一定の目隠し効果はある。しかし、風圧までは計算されていなかったのか、カーテンを引くと勢いよく風にあおられ鬱陶しい。ベイシンは2面あるが、ベイシンの周辺に物を置くスペースが少なく、使い勝手の悪さが気になった。 また、照明は蛍光灯とハロゲンを併用しているが、スイッチがひとつにまとまっており、全体を点けるか消すかしかできない。トイレだけ点灯させることも不可能だ。せめてフットライトだけでも独立していればいいのに、なんとフットライトがメインスイッチと連動しており、部屋を煌々と明るくしている時にしかフットライトが点かないという不可思議な設定になっている。 ジェットバスは快適だが、バスタブのフチがぶ厚く、高齢者や女性でなくても跨ぐのが容易でない上に、洗い場の床が石なのでよく滑るので十分な注意が必要だ。せめて手摺りでもあればいいが、それもない。これではキラーバスだ。 清掃状況もいまひとつなのに加え、前の客のままになっているゴミ箱、トイレットペーパーやスリッパのセットし忘れなど、仕上がり時のチェックの甘さが感じられた。サービス面でも不満の残る滞在だった。その原因は人員不足にあるらしい。ラウンジでもレストランでも、何かを頼みたくても人がいないのである。 ストライキでもしているのかと腹が立ってくるが、実際は今この場に残っているスタッフたちもまた犠牲者のようなものである。人を減らされて仕事量が増えるばかりか、思うようにサービスが行き届かなないとなれば、ストレスも募ることだろう。いくら優秀な人間でも、ひとりができることには限りがあるのに、今の状態は明らかに限界を超えている。これでは先々、間違いなくクオリティが落ちてゆくだろう。この体制で客の満足を得続けることは極めて困難だと思われる。 |
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ヒルトン東京(公式サイト) | |
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