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シェラトン都ホテル東京 Imperial Suite East  
Sheraton Miyako Hotel Tokyo 2011.04.23(土)
東京都港区 楽-2

緑あふれるガーデンの風景

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都ホテル東京の最上階にあるふたつのインペリアルスイートのうち、ベッド1台の入ったイーストを利用するのは、09年3月以来2年ぶりだった。より広く使い勝手もよく、加えて少しばかり立派と、イーストに比べて勝る点が多いウエストの方が圧倒的に魅力的だが、値段は同じ。その不可解は今もぬぐえないが、このホテル最高級客室の居心地を、もう一度確かめてみることにしよう。

エントランスホワイエ

上の写真は、3か所あるエントランスのうち、ベッドルームに通じるメインの扉。ベッドルームまでの細い廊下には、じゅうぶんなスペースの収納が設けられている。しかし、短期滞在客の心理としては、この場所より、ベッドルームかバスルームの収納箇所に荷物を置く方がいいと感じると思われる。ここはよほどの大荷物か、長期滞在客用の収納スペースなのだろう。他のふたつのエントランスは、リビングとパントリーに面している。

リビングルーム

リビングルームは2部屋分のスペース。最上階12階は窓が迫り出しており、室内に他の階とは違った表情を与えている。天井は低い。カラースキームは全体的に淡い感じで、テーブルやランプシェードの黒、観葉植物のグリーンがアクセントになっている。ハーシュベドナーが得意とするテイストだが、何度見てもいまひとつ何かが足りない気がしてならない。

リビングのソファセット

リビングのソファセットは、四角いガラステーブルを囲むように3種類のソファが置かれている。いずれも大型で存在感のある品だが、寄せ集めという感じがするのは、デザインの相性が悪いからだろうか。また、ふたつ同じものが並んだアームチェアは、室内の往来を妨げる場所に置かれており、座るにも邪魔、存在そのものも邪魔。気の毒なアームチェアである。

リビングのダイニングセット

ダイニングは、6つのイスが丸テーブルを囲む。ちょうど卓上を照らすようにシャンデリアやペンダントライトがあれば華やぐが、残念ながらここに直接当たる照明はない。ダイニング脇の壁には、コンソールが設置され、ふたつのスタンドライトが載っている。両脇に観葉植物があり、この場所が一番賑やかに見える。ネスプレッソマシンもここにある。

ダイニングテーブルの石玉

ダイニングの上には、3つの石玉が入った真鍮の深皿が置いてある。インテリアとしてのオブジェなのだろうが、何のイメージなのか、これに何を感じさせたいのか、さっぱりと伝わってこない。この「謎めいた感覚」こそが、この部屋のテーマなのだろうか。玉を見つめながら、しばし考え込んでしまった。

リビングの照明器具

上の写真は、リビングの2面ある窓の間に挟まれた場所に置かれたフロアスタンドと観葉植物。真鍮のポールを持つスタンドは、シンプルなデザインながらも目を引く。各観葉植物には間接照明のスポットが取り付けてあり、下から光を当てることで、壁や天井に枝や葉の陰が立体的に浮かび上がり美しい。

パントリー

リビングの奥には、昭和のアパートの台所といった雰囲気のキッチンユニットを備えたパントリーがある。大きな流し台や冷蔵庫があるが、コンロやレンジはないので料理には適さず、ダイニングを使ってルームサービスで会食をする際に給仕が使うのが似つかわしい。ティーセットや湯沸かしポットはここに用意されている。

ベッドルーム

ベッドルームはリビングとほぼ同じ面積があるが、大型ベッド1台に、テレビの入った大型アーモア、ワークデスクとオットマン付きソファというシンプルな設えにはいささか広すぎて、床を持てあましている。かといって、あと何があればバランスがいいかと考えても、答えは謎だ。

ベッドルーム

現在の不可思議なレイアウトを見ながら、改装前、すなわち開業当時オリジナルの内装はどうだったのだろうかと想像してみた。村野藤吾氏の美意識からは、花鳥柄の壁紙にゴールドを思わせるドレープ、座面が低いエレガントなイスやベッド、カーブの美しい白木の家具などが思い浮かぶ。このベッドルームも、中央に仕切り役の家具が置かれていたのだろう。それ用の電源が床に残っているのが見える。

ベッド

ベッドにはマシュマロのように柔らかい高級マットレスを使っており、格別な寝心地が味わえる。シンメトリーに配置されたナイトテーブルやスタンド、額やオットマンの位置を含め、均整の取れた仕上がりだ。しかし、読書灯はなく、いまひとつ演出に欠ける印象。天井からハロゲンのダウンライトを当てるだけでも、見栄えが違っただろうに残念だ。

ベッドルームのデスク

ワークデスクは独立型。2種類のイスを添え、対面して座れるようにしている。しかし、デスクが漠然と置かれている感じで、何か作業をするために使うには少々不便に感じることがあった。例えば、書類や小物を整理しておける棚や引き出しが欲しいので、ワゴン型のサイドテーブルでもあるとありがたい。また、窓際にはソファがあるが、これはベッド脇にある方が便利だろう。そこに小さなコーヒーテーブルでもあればなおいい。

ベイシン

バスルームは大理石張りで立派だが、蛍光灯の照明がせっかくの高級感を帳消しにしている。内装はこのままだとしても、照明の工夫はするべきだったのではないだろうか。ベイシン部分まではカーペット敷き。タオルは3サイズが4枚ずつ用意されている。バスアメニティは一部スイート仕様。

バスタブ

バスタブはレギュラールームと同じサイズで、周囲を大理石で囲っている。シャワーブースはなく、このバスタブがシャワースペースを兼ねている。3方向を大理石に囲まれ、仕切りはシャワーカーテン。最高級スイートのバスルームとしては貧相な印象が否めない。

シャワー

バスタブのカランやシャワーもレギュラールームと同じ仕様。シャワーフックは高低2か所の固定式。黒いホースが少々安っぽいが、水圧は爽快だ。旧式のバスルームに多くは望めないが、バスルーム内にテレビがないばかりか、ラジオや音楽も聞けないので、長湯をするには退屈。キャンドルを灯して瞑想をしようにも、バスタブの脇でトイレとビデが並んでこちらを眺めている環境では、それもちょっと。

トイレとビデ

トイレとビデはいずれも大理石の色とマッチする色合い。トイレには洗浄機能付き便座さえ備わっていない。このホテルで洗浄機能付き便座がない部屋は、ここだけではないのだろうか。リビング側のエキストラトイレも大理石張りだが、カーテンで仕切られた便器は、やはり洗浄機能付き便座ではない。

リビング側のトイレ

最上階の角部屋という静かな環境。ホテルのガーデンを見下ろす緑豊かな眺め。125平米のゆとりある空間。魅力もたくさんあるのだが、この部屋をシグネチャースイートとして気合いを入れて設えたという感じがどうしてもしない。それでもここはホテル最高級の部屋なのだ。その名にふさわしいクオリティになるよう、今からでも手を加えてはどうだろうか。

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シェラトン都ホテル東京

このホテルに関する過去のレビュー

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