ワンフロアに2室だけ。更に改装済みとなると10室しかないラグジュアリールーム。そして、そのうち森の中にいるような雰囲気が味わえるのは、末尾32番の5室だけ。都ホテル東京の中でも、一味違うテイストを持ったラグジュアリールームだが、結論から言うとバルコニー以外にポイントとなる部分はまったくない。室内はほぼデラックスルームに準ずる設えで、オットマンつきの肘掛け椅子が増えている以外に特別な設備はない。
むしろ、天井が245センチとデラックスルームに比べて25センチ低いことで、非常に圧迫感がある。デラックスルームで効果的だった、窓際の壁に張られた大きな鏡や、照明を取り付けた観葉植物の鉢などは、このラグジュアリールームにはないのだ。しかも、ハリウッドツインのベッドは幅が狭く、ナイトランプや操作盤は片方にしかないので不便だった。また、座るところばかりあっても、テーブルの類があまりないのもアンバランスでマイナスポイント。気合を入れてデザインしたデラックスルームにくらべ、数の少ないラグジュアリールームはついでにやりましたという感じでなんとも残念。
それでも、他の部屋より2倍広い窓や、ウッドテーブルとイスをセッティングした広いバルコニーには魅力がある。ガーデンに生い茂る樹木の息吹を感じながら、朝食やティーブレイクを楽しめば、ちょっとしたリゾート気分も味わえる。ただし、モスキートスクリーンを忘れずに。結構蚊が寄ってくる。デラックスルームは一休.comなどで手頃なレートが紹介されているが、このラグジュアリールームはまだまだ高い。その料金差を埋めるほどの魅力はないと思う。更に言えば、この客室にはまだまだ手を加える余地がある。デラックスルームの上をゆく設備を整え、ジュニアスイート的は特別な客室として設えればもっと訴求力が高まるだろう。
128K と恐るべきスローテンポだったインターネット回線は、光ファイバーになったらしく高速で快適になった。また、インスタントコーヒーや入浴剤など、アメニティの充実も進んでいる。今後も次々に改善を重ね、ますます魅力的なホテルになってゆくことだろう。ベルアテンダントやフロントにも活気があり、サービスは快適だった。
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