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ハイアットリージェンシー東京 View Deluxe Corner Room | |
Hyatt Regency Tokyo | 2010.04.11(日) |
東京都新宿区 | 喜-2 |
ARCHIVES ・ 1992 |
無難というには味のある部屋 最近このホテルではいつも新しいクラブルームを利用しているが、いかに斬新で快適であっても、少しばかり飽きてきた。新鮮さを求めてたまには別の部屋に泊まってみたいと思い、前もってホテルに電話を入れた。 チェックイン時にリクエストして部屋をアレンジしてもらうことももちろん可能だが、エキストラのタオルなど、事前リクエストの準備後や、ウェルカムアメニティを届けてしまってからでは二度手間を掛けてしまう。それを避けるには早めの連絡が親切である。 相談した結果、これまであまり利用する機会のなかった、ビューデラックスコーナールームを選ぶことにした。チェックインしたのは13時。前日が土曜日で混雑していたらしく、予定の部屋はまだ仕上がっていないとのこと。仕上がるまでの時間を利用して、「カフェ」のランチブッフェに出向くことにした。 好天に恵まれた昼下がり、「カフェ」の店内も賑わいを見せていた。その混雑によるものなのか、サービスは少々荒れていた。丁寧な振舞いを心掛けているものの、どうしても動作が流れてしまい、見落としや不作法が多くなる。結果、後始末が必要なミスが生じ、悪循環に陥る。ラッシュ時の典型的なパターンだ。 だが、混雑とは無関係な不作法もあった。この店には外国人のサービススタッフが少なくない。中には手本に相応しい見事なサービスをする人もいるのだが、多くは見習いレベルである。そのうちのひとりがブッフェ台に料理を運ぶ係をしていた。 少なくなった料理を補給したり、見栄えよい状態に保つのは、ブッフェではとても大切なことだ。と同時に、料理を取り分ける客の邪魔にならないことも忘れてはならない。しかし、その係は客を邪魔者扱いするがごとく押しのけて、自分の仕事を優先させていた。おそらく悪気はない。教えていないから配慮しないのだろう。 食事を終えてリージェンシークラブレセプションに戻ると、部屋の準備が整い、すでに荷物は客室へ運んであるとのことで、身軽に部屋へと向かった。 用意されたのは23階のコーナールーム。クラブフロアは6階から9階までにあるので、このホテルで高層階の部屋に泊まるのは久しぶりである。客室階廊下は改装が済んでいるが、この部屋の中は概ね以前のままを留めている。改装しない理由は謎だ。 扉を開けるとまっすぐに廊下が延びている。途中にはクローゼットとバスルーム扉、そしてバゲージ台があるが、バゲージ台はもうデスクに近接した位置にある。 廊下が突き当った先は窓脇の窪みに設けられた棚台。ライティングデスクは壁を向いて置かれており、サイドテーブルもある。 デスク自体は昔ながらのデザインだが、イスとスタンド照明は新調されている。サイドテーブルの上には湯沸かしポットや茶セットが載っているが、冷蔵庫はここではなくベッド近くにある。なお、テレビもベッド近くにしかないので、デスクあるいはシッティングスペースからテレビを観ることはできない。 入口からの廊下を突き当り、左に折れると、また細長い通路状のフロアが続く。その途中にはひとつ目の窓があり、窓に面してアームチェアふたつがテーブルを囲んで向かい合っている。ここは窓からの夜景を眺めながら、あるいは心地よい日差しを浴びながら、茶でも入れてさりげない会話を楽しむのに向いたスペースだ。 このコーナーの窓と反対側は単なる壁。アームチェアの後ろにあるフロアスタンドと、入口やデスクから洩れてくる光だけがこの場所を照らす光源だが、それがむしろムードを高めている。 ベッドはこの部屋の一番奥にある。入口からイメージすると、ちょうどバスルームをぐるりと回り込んできた格好だ。ベッド幅は200センチで、このホテルでは最も幅の広いベッドのひとつだが、マットレスの仕様が古いままであるため、寝心地は劣る。 ベッド脇にはオットマン付きのソファとフロアスタンドがある。背もたれの高いこのソファは、なかなか座り心地がいい。 ベッドルームにはコーナーウィンドウがあり、このホテルで最も開けた景観が望める。窓自体はさほど大きなものではないが、角度が違うだけでも存在感が増加し、この窓こそが室内の印象を決定づけているかのようだ。 窓から見えるのはパークタワーやオペラシティの高層ビルの他、眼下には新宿公園、そして遥か遠くには富士山の姿も。夜ともなれば、住宅街から放たれる灯りが、宝石のように輝く。 この部屋唯一のテレビはベッド前にある。脇には丸いサイドテーブルがあり、グラスと氷入れが載っている。 キャビネットの中には、DVDプレイヤーや冷蔵庫が入っているが、空いている引き出しはない。 ミニバーには7本のミニボトルやスナックが収められている。赤いベルベット風の敷物の上に載ったリカー類は、オスカー授賞式の俳優たちのように、ひときわ立派に見える。 バスルームは、扉だけが光を通すものに取り替えられたが、他は昔ながら。周囲はペイズリー柄のタイル張りで、床はビニール。ベイシントップだけは黒い天然石を使っている。これで床が石であれば、グッとグレードがアップしたと思うのだが。 バスタブは150センチの長さがある。シャワーやサーモスタット付きカランなどは新調され、以前よりも調整が楽になった。 バスアメニティは他の部屋と共通している。シャンプー類はバスタブ脇に置かれ、他のアイテムはカゴに入ってベイシンに用意されている。ドライヤーは白い巾着袋におさめられている。 最新のクラブルームは、デザイン性の高いアイテムでデコレートされ、魅力的なバスルームを備えている。だが、居室の開放感は犠牲になった。このビューデラックスコーナールームには、失われた開放感が残されており、高層階の眺めがそれを一層のものにした。 また、素朴だが品のいい家具は、安心感をもたらし、必要以上の主張をしない。無難というには味のあるもので設えられた古い部屋。その魅力を再確認する滞在となった。 |
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