ハイアット リージェンシー 東京 Regecy Club Room |
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Hyatt Regency Tokyo |
2009.04.24(金)
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東京都新宿区 |
楽-3
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汚れやすいデザイン | まさに改装を終えたばかりのあたらしいリージェンシークラブルームに泊まった。これですべての改装が終わったかと思いきや、まだ9階スイートフロアの全室と、6階から8階までにあるアトリウムスイートの改装が残っており、こちらは6月に完成予定だという。
9階にあるリージェンシークラブラウンジは営業を再開しているが、工事中の騒音が影響する場合があるらしく、客からの申し出があれば、ラウンジの代わりにレストランで代替サービスを提供するとの案内があった。客室に関しても、真上で工事をしている影響がないと限らないので、もし気になればすぐに移れるよう、ビューデラックスルームも同時に確保してあると説明された。これなら十分に安心である。 早速向かったクラブルームだが、廊下やエントランスドアには、これまでと特に変わった様子はない。しかし、室内はすっかり改装されており、かつての面影すら残っていなかった。 改装したて特有のにおいが鼻を突くが、これは我慢するしかない。高層階でひと足先にオープンしたビューデラックスルームも、全面的かつ劇的に生まれ変わったが、クラブルームはそれ以上である。より個性が際立つインテリアを施し、機能性や居住性の向上にはかなり力を注いで吟味したことがうかがえる。 室内は、端正な佇まいの中に、ぬくもりのある要素をちりばめ、随所から和の精神性がにじみ出ているところが素晴らしい。それは見た目だけの和ではなく、すべての素材に吹き込まれたアイデンティティとして存在し、素朴でありながらも深みを感じさせ、年月が経過しても色あせない魅力を湛えている。 ところが、そうしたインテリアの調和を追い求めるがあまり、機能が犠牲になっている面も散見された。デザイナーの勇み足だろうか。 まずはクローゼット内が暗すぎる。入口から居室までの動線上にクローゼット配置し、それ自体が目隠しの役をも果たすようにしており、2箱に分かれた構造もいい。だが、せっかくボックス状に仕立てられたいくつもの引き出しには、すでに何かが入っているものが多く、自前の荷物を整理するには、まずこれらをどかすことから始めなければならない。ホテルの収納は、可能な限り空であってほしいものだ。 内部に照明がないものだから、クローゼット前に立つと、自らの影により内部がぼんやり暗くなるし、多数の死角が生じることで忘れ物をしやすくなる。そして、居室には空の引き出しはひとつもなく、すべてはむき出しで置く以外にない。いくらインテリアがスッキリしていても、滞在中にそれを保つには不都合の多い造りであり、どうしてもデザイナーのエゴを感じてしまう。 居室にはベッドが2台並び、窓際には座り心地の悪いオットマン付きイスと小さなテーブルを置いている他は、カウンターデスクとバゲージ台、フロアスタンドがあるのみだ。ベッドの上には解体された木造建築から取り出した古い木材をオブジェのように配し、時を経た落ち着きを見事に表現している。そこには間接照明やリーディングライトが仕込まれ、照明器具としても機能するという工夫が施されている。この古木のアレンジは、このデザイナーが得意とするところで、近年あちこちで目にするようになった。 グレーに塗装されたカウンターは、端が半円状に迫り出していて、そこがワーキングスペースに充てられている。テレビはあたらしくなったが、DVDプレイヤーは備えていない。ベッドは台座の上にとても硬いマットレスを載せているのだが、台座の角が足に当たりやすく注意が必要だ。 バスルームは一見とても魅力的である。2種類の石をふんだんに使い、大きなガラスウィンドウに面したバスタブの脇には、洗い場を設けている。居室から見ても、ガラス腰下の天然石があらわになっていることで、バスルームとの一体感を実感することができる。バスタブに湯を注ぐ給水口もしゃれた形状をしており、調光可能の照明が高い効果をあげている。 トイレはベイシンを挟んで独立しており、トイレ内の照明は蛍光灯の間接照明だ。しかし、中心にあるベイシンエリアは、見た目はともかく大変使いにくかった。石造りのベイシン台にはゆるやかなボウル状のベイシンが載っているが、あちこちに水はねし易く、汚さずに使うのが困難。ベイシン台は狭いわけではないのに、ものの置き場に困惑することしばしばだった。 台の下には引き出し状のトレーが2段あるが、ひとつはバスアメニティが陳列され、もうひとつにはタオルが積んであるため、私物はベイシントップに置くしかない。次いで困るのは脱いだ服の置き場である。結局のところ、床に放置する以外にない造りになっており、せめてハンガーやタオルを掛けられるフックが欲しかった。 ベイシンの照明にも不満があった。天井から細く照らすハロゲン光がメインなのだが、鏡に映る自分の姿がどうにも暗く、シェイビングやヘアスタイルのチェックが満足にできない。脇にスタンドがあるのだが、それは演出上の効果程度しか望めない。こういった雰囲気重視のデザインにするのであれば、照明付きバニティミラーが必須だったと思う。 だが、一番苦労しているのは清掃の担当者たちだろう。汚れが目立たないと言えば聞こえがいいが、それは見逃しがちになり易いことも意味する。実際、ミラーの曇り、浴室金具の拭き残し、トイレ床の汚れなど、不十分箇所が多数散見された。見栄えがよく、居心地もよく、手入れがし易いという三拍子を揃えるのは難しいようだ。 ロビー階にあった「ブーローニュ」は、改装後「CAFFE」という店になった。内装は、遊び心のある楽しい雰囲気と、友人の家を訪ねたようなくつろいだ居心地の良さが感じられるが、これまた維持管理する方にとっては大変な苦労が予想される。 天井に渡された布地、グラスを重ねてデザインしたシャンデリア、夥しい数の小瓶や玩具をディスプレイした壁面など、とにかく埃がたまりやすく、不潔でない状態に保つのは容易でない。まだオープンから半月程度なのに、すでに薄汚れた感があり、先が思いやられる。 さまざまな形状のイスやテーブルがあるが、テーブルの脚が立ったり座ったりする際に邪魔であることや、テーブル間隔が狭いためにサービススタッフの往来がしにくそうなことなども気になるところ。 店内にはオープンキッチンを備え、ダイナミックな躍動感を感じさせるとともに、ロティサリーやグリル料理などを中心に、オールディダイニングとしてのスタンダード料理も提供する。 週末にはブッフェがあり、ランチは4,070円。カウンターから自由に取り分ける料理に加え、パスタやピッツァ、グリル料理など、オーダーを受けてから出来立てを運んでくれるサービスもあって、なかなかの充実感が味わえる。サービスも安定しており、今後はこのクオリティをいつまで維持できるかがポイントになるだろう。 |
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ハイアット リージェンシー 東京(公式サイト) | |
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