ハイアット リージェンシー 東京 Regency Club Room |
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Hyatt Regency Tokyo |
2008.07.19(土)
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東京都新宿区 |
哀-3
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特別階の存在意義 | 素晴らしい天候に恵まれた週末。海の日ということもあり、人々の向かう先はやはり海なのだろうか。それとも涼を求めて山へ出掛けるのだろうか。いずれにしても都会を抜け出して、雄大な風景に身を置いたり、新鮮な空気を胸いっぱいに吸い込めば、気分爽快にリフレッシュすることだろう。
これほどホテルで過ごす時間が好きなのに、この日ばかりは遠出しなかったことを後悔した。新宿摩天楼で見上げる切り取られた空は、あまりに狭すぎる。少なからず汚染された空気が垂れ込む路上は、地上であるにもかかわらず、まるで深い穴の底にいるような感じがした。空を仰ぎながら、ホテルにチェックインしたら、せめて自分だけの空間で、静かな時間を過ごしたいと思った。 このホテルでは5年間という長期に渡る改装工事が進行中だ。もちろん計画に沿って行なわれているのだろうが、なぜかちまちまといじくり回しているような印象がしてならない。現在は半分のウィングをクローズしての大改装中だが、それも主に配管など設備的なものが主で、インテリアに関してはファブリックの交換程度と、大きな変化は感じられないものと思われる。 改装が終わった部屋を利用してみても、さほどありがたみがなく、長期間クローズまでして、いったい何をしていたのかと思うほどだった。おそらく今回も同じだろう。それにしても、半分クローズしていても相当の空室があるようだから、この時期はかなり暇らしい。 とりわけリージェンシークラブはガラガラだった。広いラウンジにほとんど人がいないというのは、ゆとりがあるのとは違って、何とも寂しいものだ。さまざまなホテルにおいて、特別階のラウンジは、最近になって規模拡大の傾向が強まってきた。このホテルはその先陣を切り、最高級スイートを犠牲にして日本最大級のラウンジを設けたが、規模が大きくなり過ぎたことで、特別階の意味も変わってしまったような気がする。 いったい特別階とはなんだろう。特別階が登場した頃を思い起こせば、客への干渉を控える大型ホテルの中で、よりパーソナルで上質なサービスを提供することこそ、特別階最大の価値だった。チェックインからチェックアウトまで、滞在中の世話を数名のゲストリレーションズチームで担当し、客の顔はもちろん、好みに関しても把握してくれ、まさにかゆいところに手が届くサービスを提供してくれた。それは、大型ホテルの中に、サービス面に於いて、ある意味「スモールラグジュアリーホテル」的なフロアを設けたというニュアンスだろうか。 だが、最近では、ラウンジなどで飲み食いが出来るとか、アメニティがいいとか、単純に物質的な付加価値を高めただけにとどまる特別階も増えてきた。建て前では「パーソナルなサービス」を謳っていても、明らかに違いを実感できるようなサービスには、なかなか出会えなくなってしまったのである。 ここのリージェンシークラブは、開業から十数年に渡り契約企業のみしか利用できなかったので、その当時にどんなサービス振りだったのかは残念ながら実体験したことがないが、よい評判は聞いている。でも、最近の実情を見ている限りでは、今と昔とはだいぶ違うようだ。 現在は、9階にレセプションがあり、そこでチェックイン・アウトも可能だが、1階のフロントを利用する客も少なくない。ラウンジにはルームキーを使って入室できる仕組みで、レセプションに常駐する係がラウンジ内でサービスに当たることはまずない。これが、「特別階ならではのサービス」という魅力を損ねている大きな理由のひとつだ。 ゲストリレーションズが客のニーズや嗜好を把握するには、客とのコミュニケーションが必要不可欠。レセプションに居たっきりでは、客との接点がほとんど得られない。客がレセプションに来るのを、デンと座って待っているのでは、役所の仕事と同じである。優秀なサービスをする人間は、自ら情報収集に努め、客とのコミュニケーションにも積極的だ。 では、ラウンジ内の係はどうか。おそらくルームサービスセクションあたりが担当しているのだろう。客が帰った後のテーブルを片付けたり、フードカウンターの様子をたまにチェックして、足りないものを補充する以外には手を出さない様子。棚が埃だらけでも、窓が汚れていてもお構いなしだし、よいサービスを提供しようなどという情熱は、到底持ち合わせていないらしい。これではせっかく日本最大級のラウンジも、単なるセルフサービスの休憩所でしかない。 となれば、狭くても、係の目が行き届いているラウンジの方がいいではないか。かつて、フォーシーズンズホテル椿山荘東京にクラブフロアがあった時は、そこに居合わせた見ず知らずの客ともいつの間にか会話が弾み、チェックアウトする頃には友人との別れを惜しむような気分になることもあった。そんなラウンジが懐かしい。 そして、このリージェンシークラブでもうひとつよくないのは、ラウンジやレセプションと、客室とが離れている点。ラウンジのある9階にもスイートがいくつかあるものの、多くのクラブルームは6階から8階にあり、往来にはエレベータを使わなければならない。 6階から9階に行くくらい、わけのないことと思われそうだが、これが実際に滞在してみると、ちょっと気分転換に一息という気軽さで行くには心理的に面倒なのだ。ラウンジとレセプションは、客室と同じフロアにあるか、もしくは階段でアクセスできる、すなわち、同じ空気でつながっているのが望ましい。 滞在中、新宿駅に行く用事があったので、新しい送迎バスを利用してみた。まさしく路線バスの仕様のミニバスで、高級ホテルの送迎バスとは思えないチープさ。こんなホテルでリムジンサービスを依頼したら、軽自動車が差し向けられるのではないだろうか。まぁ、とにかく物は試しと乗ってみた。 ホテルはガラガラなのに、バスは超満員だった。ムンバイに向かう通勤列車みたいだなぁと思いつつ、後部ドア付近のポールにつかまりながら出発するのを待っていた。乗客のほとんどがアジア系外国人であることも、ちょっぴりエキゾチックだった。いよいよバスは出発。 え?扉、閉めないの?こりゃまた、いよいよもってムンバイだなぁ、と呑気なことを思っているのも束の間、バスが表通りに出て、大きくカーブをしたその時、若い外国人女性が後部ドアから振り落とされそうになった。何人かがとっさに彼女に手を伸ばしたが、彼女は自力でドアにしがみつきながら叫んだ。客も「ドアが開いてるぞ!」と、運転手に大声で知らせる。 バスは慌てて停まり、扉は閉じられ、再び発車した。あわや人命に関わる大事故になるところだった。前のバスなら、前方にしか扉がないので、こんなことはあり得ないのに。 |
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ハイアット リージェンシー 東京(公式サイト) | |
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