ハイアット リージェンシー 東京 Regecy Club Room
Hyatt Regency Tokyo
2009.05.06(水)
東京都新宿区
怒-2

「カフェ」のオープンキッチンカウンター
 
ご機嫌伺いのワケ チェックインを済ませて部屋に入ると、窓からはちょうどパークハイアットが見えた。あの夢のような楽しい時間は終わってしまった。なんて、またいつでも行けばいいだけなのに、ちょっと別れを惜しんで溜息なんかついてみたりした。どんよりと曇った空が、ことさら哀愁をあおぎ立てる。そこに電話が鳴った。

受話器の向こうから聞こえてくるのは、顔なじみのコンシェルジュの声だった。到着時にあいさつができずに申し訳なかったといい、「工事の音が気にならなければいいのですが」と気遣ってくれた。この一言があるとないとでは、後々の展開に大きな差が生じることを知ってか知らずはわからないが、電話が入ったことで少々の騒音には目をつぶる覚悟ができた。

日中のラウンジは音楽もなく静かな雰囲気。ここでも責任者が絶えず気遣いを見せてくれ、とても心地よかった。

部屋に戻ると客室係から届け物があった。それは前回泊まった際にクローゼットに忘れたハードディスクドライブ。何と暗くて使いにくいクローゼットだろうと一人悪態をついていたからバチが当たったのか、その薄暗い内部に大切なものを置き去りにしてしまったのである。しかもひきだしの中ではなく、一番目立つはずの台の上に。

自分で自分をマヌケだとなじるしかなかったが、今回、改めてクローゼット内を見た感想は、「これじゃ忘れるのも無理からぬこと」というものだった。全体的に薄暗いだけでなく、奥や角には真っ暗な部分が生じており、そこにあるものが極めて見えにくい。今からでもいいので、クローゼット内にセンサー式ライトを設置してもらいたいものだ。

忘れ物の問い合わせに関しては問題なかった。だが、代表電話に掛けて、いきなり「忘れ物をしたかもしれない」と言えば、あまり頼りにならない係につながれて、単純にリストと照らし合わるだけで終わられてしまう。そこで見つかればいいが、見過ごされることも少なくないので注意がいる。

そんな時は、まず顔と名前が一致する係を呼び出す方がいい。そして、忘れたと思われる場所や状況をできるかぎり詳しく伝えて探してもらうのだ。担当部署で見つからなくても、もう一度該当する客室をチェックしたり、それでも見つからなければゴミの中まで探してくれるだろう。

今回は最初からコンシェルジュに尋ねたが、彼らはすでに忘れ物について把握していた。着払いで送ってもらうことも可能だが、次回滞在時まで預かってもらうことにしてあった忘れ物が、今、届けられたわけである。

この日は、ラウンジもロビーもフィットネスジムもプールもレストランも、みんなガラガラだった。連休が終わってしまって、レジャーの客は去ったものの、ビジネスの客がまだ戻らないという裂け目だったのだろうか。ホテルは実入りが少なくションボリだろうが、静かに過ごすにはありがたい状況だった。いつもこき使われているスタッフも、この日ばかりは肩の力を抜いて仕事ができたものと思われる。

そんなゆるやかな気分で迎えた朝、朝食には新しいレストラン「CAFFE」を利用してみた。ランチやディナーはこれまでと大きく変わって、新しい魅力が備わったと感じていたが、朝食はどのようになったのだろう。とても興味があった。朝食ブッフェは3,300円。東京の高級ホテルの平均より高めだが、驚くほどではない。だが、料理の内容はこれまでとほとんど変化がなく、ややがっかりした。

それよりがっかりなのはサービスのだらしなさ。朝一番で来たのに、もっとも狭く窮屈な席に案内しようとするのも気に入らない。もちろんそんな席に黙って座るわけもなく、好みの席を指定した。結局、帰るまで混みもせず、狭い席から機械的に詰め込む意味はなかった。それどころか、十分過ぎるスタッフは暇を持て余している。

調理人同士はオープンキッチンの中で、無駄話に花を咲かせてやけに楽しそうにしているし、若い女性スタッフはバーカウンターの中でグラスを拭きながらだらだらとしていて、客席にはまったく興味もなさそうだった。そこに運ばれてきたコーヒーのまずいことといったら。

明らかに古くなっているようだったので、このコーヒーはいつ淹れたのかと尋ねると、なんと90分前との返事。そんなコーヒーを平気な顔して出すとは恐ろしい。文句を言うとランチやディナーで提供する泡の立ったコーヒーを運んで来たが、その古いコーヒーを処分することはなく、隣の席にやってきた別の客のカップに注いでいた。

朝食を終えて部屋に戻り、デスクに向かって作業をしていると、驚くような騒音が響いてきた。そうか。チェックイン時にあれほど顔色をうかがっていたのは、これがあるからなのだ。工事用の機械でオーケストラを組んで、トゥッティを奏でたらこんな音がするだろう。だが、もう出発の時間までそれほどないし、到着時のご機嫌伺いに免じて我慢することにする。

チェックアウト時には副総支配人とラウンジで歓談。感じたことをつぶさには話さなかったが、要点だけは伝わったと思われる。

 
新クラブルームのベッド デスクとテレビはカウンター式 バスルームから居室を見る

窓から見る新宿公園の緑 ミニバー ウェルカムアメニティ

 ハイアット リージェンシー 東京(公式サイト)
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