パークハイアットから移動して、リージェンシーに２泊の予定でチェックインした。

正面玄関へ到着した際、ドアマンたちは超満員のホテルシャトルバスの方に気を取られていたが、こちらの車に気付くとすぐさま駆け寄って、「お待たせして申し訳ありません」といいながらテキパキと荷物を運んでくれた。明るく颯爽と仕事をしている姿を見るのは気分がいい。

館内に入ってからもテンポのよいサービスが続いた。当初の到着予定は14時と伝えてあったが、先の用事が早く片付いたため、1時間半前倒しでの到着となった。それでも客室はすでに用意が整っており、待たされることなく案内された。

到着予定に合わせて「翡翠宮」に昼食の予約をしてあったのだが、これも早くチェックインが済んだことを受けて、時間を繰り上げてもらえないかと頼んだところ、現時点では満席のため、席が空き次第、部屋に連絡をくれることになった。だが、電話が鳴ったのは結局13時55分。ほとんど当初の予定通りの時間だった。

店内はまだ満席の余韻を残している。コースを注文するのは時間が遅いような気がしたので、もっと簡単に飲茶のセットを頼むことにした。次々とテンポよく運ばれてくる点心を頬張っていたら、結構満腹になった。

夕食は「カフェ」でバーガーを。このホテルで夜にアルコール抜きで軽く食事をと思った場合は、この「カフェ」以外にはあまり選択肢がない。そのため、毎度毎度「カフェ」にばかり足しげく通うようになってしまった。ほとんどのメニューを味わってみたが、メニューを眺めるとセットやブッフェが手っ取り早くて便利な気がしてしまう。でも、「カフェ」でしっかりと食べるなら、「トロワグロ」や「佳香」でもよかったではないかと、後から後悔することも少なくない。

翌日のランチタイムは「おんぼらあと」の和食ブッフェにトライしてみた。午前中の早い段階で予約を試みたが満席とのこと。それで諦めずにコンシェルジュに頼み込んでみたところ、マネジャーに交渉してくれたらしく、カウンター席でよければという条件付きながら、予約することができた。

11時半に店に行くと、すでに案内待ちの列ができている。やがて順番が回って来て案内された席は、ふたりの寿司シェフの目の前だった。隅のところにやや無理をして席を増設したような感じだったが、努力して席を設けてくれたことには感謝しなければなるまい。

だが、この席はなかなかの特等席だった。寿司シェフの目まぐるしい作業を見ているだけでもかなり楽しめる。好みでオーダーできる寿司のネタは6種類。テーブル席の方からも次々の注文が舞い込んで、まさに息つく暇もない慌しさである。

途中、自家製豆腐のワゴンサービスというのもあって面白い。他の料理のブッフェカウンターはというと、料理の取り分け順番を待つ人々の列ができて、なんとも邪魔くさい。先の方はガラガラなのだから、空いているところから取ればいいのに。ブッフェ台の料理はあまりぱっとせず、強いて言うなら串揚げが一番美味しく感じた。

夜はまたもや「カフェ」。いつもは窓際の丸テーブルに案内されることが多いが、この時は混雑していて、四角く狭い席になった。込んでいるのだから仕方がないが、予想外の痛みを味わうことになり、ご機嫌斜めに。

席に着こうとした際、係は気を利かせたつもりで、イスを引いてくれた。肘掛に手をついたまま座った際、係がイスの背をグッと押してくれた。すると、肘掛とテーブルの脚との間に指が挟まり、皮がむけて出血する事態となった。腹が立つのはイスを引いてくれた係にではなく、家具のチョイスをした店のデザイナーに対してである。デザイナーをこのイスに座らせて、思い切り後ろから押してやりたい。