メインエントランスでの受難
2007.05.05(土)
センチュリーハイアット東京 View Room Comfort
Century Hyatt Tokyo
喜-1

リージェンシークラブラウンジのリビングコーナー センチュリーハイアットでの受難は、いつも正面玄関で起こる。この日もタクシーで到着したのだが、常駐しているドアマンは、ちょうど直前に到着した客を案内してロビーへ入って行ったところだった。これはドアマンにとって当然の仕事なので、単にタイミングが悪かっただけと思われるかもしれないが、このあとに遭遇した出来事は、ホテルのサービスに対する消極性を浮き彫りにしている具体例だとも言える。

客が着けば、当然ドアマンは必要に応じてその客を館内へ案内する。実際は案内を必要としない客の方が多いが、荷物が多い客に対しては積極的に手伝わなければならない。このホテルでは、一度館内に入っていくと、ドアマンはなかなか戻ってこないケースが多いのだが、それはメインエントランスとフロントとが離れていることに起因する。

ベルアテンダントたちはフロント脇で構えていることが多く、ドアマンが客を先導して館内に入れば速やかに引き継ぐことになってはいるようだが、現実にはベルが出払っているなどして、それが出来ないケースが少なくない。かくしてメインエントランスにドアマンが不在になることが多いのだ。ベルアテンダントは、フロントばかりに注意を注いでいるが、その何割かはエントランスにも向けられるべきであり、到着した客をスムーズに出迎えることは、彼らが思っている以上に重要なのである。

荷物が一人で運べる量ではなかったので、エントランスでドアマンが戻るのを待ちわびていたが、時間だけが虚しく過ぎていく。そこに新宿駅からのシャトルバスが到着し、多数の客がホテルへと進んでいった。バスが客を降ろし切り、再びエントランスに静けさが戻った頃、やっとドアマンが戻ってきた。

見ると、リサイタルの朝、タクシーに乗る際に十分な手伝いをしなかったドアマンだった。彼もその時のことを覚えていたのか、今回エントランスで長く待たせたことに対して「到着早々申し訳ございません」と低姿勢に詫び、カートにテキパキと荷物を積んでフロントまで案内してくれた。待ちくたびれたけれど、待たせたことを申し訳ないと認識している点には安心した。

チェックアウトを済ませ玄関に出ると、この日も到着時のドアマンが立っていた。「タクシーをご利用ですか?」と声を掛けてくれたので、ニッコリうなずくと、すぐにタクシーを正面の位置まで出してくれた。苦い思い出があるだけに、これは嬉しかった。「タクシー乗り場はあちらです」と言い捨てるのと、今回のように「ホテルらしいサービス」で見送るのとでは、どちらが好印象を得られるか、それは考えるまでもない。客への思いやりを進んで行動に移すことの大切さや、小さな積み重ねが重要であることなど、実は誰もが知っているサービスの基本が、今、大きく揺らいでいる。

 

ビュールームコンフォート 改装したてなのにテレビが旧式とは・・・ 以前とほとんど変わらないバスルーム

 
センチュリーハイアット東京 950303 970823 990911 991113 000618 000725 001102 010212 021028 031110 040225 040923 050305 050416 050513 051202 060423 060508 060521 060807 060927 061020 061102 070102 070305


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