近年、ホテルの屋外ホテルは減る一方。コストが掛かる割には収益につながらないという判断なのだろうが、ホテルならではの落ち着いた雰囲気やサービスとともに、都会の真夏をのんびり過ごそうという趣向の人々を中心に根強い人気があるのも事実。プール数が半減する中、どこの屋外プールも相当な賑わいを見せている。京王プラザの屋外プールにも経費削減の波が押し寄せ、工事休業を機に、このまま廃止されてしまうのではないかと気をもんだが、今年はちゃんとオープンした。

プールにも改装の手が加えられ、プールサイドがリフレッシュしたほか、これまでかなりの深さがあったプール内の一部が埋められ、全体的に浅いプールになった。かつてプールサイドスナックがあった屋上パティオは、ヒートアイランド現象を抑える目的で屋上緑化スペースとなり、立ち入ることができなくなったが、その様子はプールサイドから眺められる。

ネーミングこそ「スカイプール」だが、実際は高層ビルに囲まれた谷間のようなロケーションなので、日当たりにはあまり恵まれない。それでも、大都会ならではの独特な雰囲気があり、都会人にとっては、本物の大木に覆われた樹林よりも、こうしたビルの林の方が、むしろ落ち着くから不思議である。

泳いだ後にくつろいだ部屋は、南館高層階にあるプラザコンフォートフロアのコーナールーム。以前、ここがインターコンチネンタルだった時、アップグレードされてしばしば利用したタイプである。コーナールームではあるが、建物の側面には窓がないため、窓があるのはスーペリアルーム同様に一方向だけで、窓の大きさや数も同じ。スーペリアルームとの面積差は10平米あるが、それは主に入口部分とバスルームにあてられており、居室部分の広さは大差ない。

客室の内装や設備は、かつてよく利用していた頃とあまり変わっていないので、新鮮さよりも懐かしいという印象が強い。テレビは液晶型に替わり、DVDプレイヤーも備わるようになったし、空気清浄機が常設されているなど、家電的なグレードアップに力を入れているように感じられる。また、寝具やマットレスなど、眠り環境にも工夫が重ねられ、以前よりかなり心地よくなった。マットレスが厚くなったことでベッド高さが変わり、それに対応するよう、ナイトテーブルに棚を設けたのもなるほどいい工夫である。

ベッドサイドにある両開きスライドドアの広々としたクローゼット、窓際のソファやローテーブル、特大サイズのワークデスクなど、ビジネスでもプライベートでも一人利用の長期滞在に必要なものがバランスよく整っている。バスルームは豪華さはないが、清潔で広く取られており、独立したシャワーブース、フロア専用のバスアメニティなどを備え、使い勝手もなかなかだ。

滞在中に利用したレストランは、ランチタイムのコリアンダイニング「五穀亭」のみ。モダンな内装の店内では、家庭的な料理から宮廷料理まで、韓国の食文化を楽しめるとのことだが、今回はひとりで気軽に利用できるランチセットを注文した。卓上の網で肉を焼いて食べるというもので、楽しいというより面倒だったが、内容的にはリーズナブルな印象だった。