2002年8月9日
京王プラザホテル Executive Deluxe Room 楽-3 ふたたび東京の空 今日もまた予約が通っていなかった。ネットの予約は今後も増加し、いつかは主流になるだろう。その日のためにも、迅速で間違いのない予約処理を、一日も早く完成させてもらいたいものだ。幸い客室はすぐに用意された。
しかし、コネクティングでない客室は、喫煙可能な客室しかないという。ノンスモーキングを取るか、コネクティングでない部屋を取るか。一瞬考えたが、喫煙室を選んだ。コネクティングしか残っていないということは、ある程度混雑しており、隣室に賑やかなゲストが来る確率が高い。一方、喫煙室であっても、タバコの臭いをほとんど残さずに清掃してある客室も多い。もし部屋に入ってみて、どうしても気になるようなら、その時点で他の部屋を探してもらうことも可能だ。
臭いは部屋に一歩踏み込んだ瞬間に判断しなくてはならない。入った瞬間にわずかでも臭いを感じたら、時間が経つにつれ、一層気になってゆく。タバコの臭いは、空気にではなくファブリックに残っているので、カーテンに鼻を近づけ臭いを軽く試してみるというのも判断の基準になるだろう。今回は、まったく臭いが気にならない状態に仕上がっていたので、そのまま喫煙ルームを利用することにした。
いくつか電話をかけて仕事を片付けていると、ドアチャイムが鳴ってウェルカムフルーツが届けられた。冷えたミネラルウォーターで喉を潤し、バナナとキウイを片手に電話で打ち合わせを進める。残ったオレンジとリンゴは、後でバスタブに浸かった時に、本を片手に丸ごとかじる。バナナを持つのは右手なのに、リンゴを持つのは左手だな、などとくだらない自分のクセを発見したのもこの日だった。
快晴と言っていいくらい、東京は素晴らしい天気に恵まれた。まさに夏だった。早速プールに行ってみると、いつになく賑わっていた。数多く用意されたデッキチェアも、空きの方が少ない。まずは冷たい水に体をひたし、数往復泳いだ後、水中に留まりながらプールサイドに肘を掛けて空を見上げた。高層ビルにスッキリと切り取られた空は、まぶしいブルーだった。ビルのエッジが指し示す延長線には、一体どんな宇宙があるのかななんて考えながら上空を見つめていると、いつしか吸い込まれそうな気分になった。
デッキチェアをひとつ確保し、ポータブルMDプレイヤーを取り出して、音楽を聴いてみる。プールサイドなら軽快な曲が心地よいが、ここはあえて単色の音を聞きたくなり、熊本マリさんのドビュッシーをセット。太陽の光を燦々を浴びながら聴き入るピアノの音色も味わい深いものだ。異なる世界を同時に味わう贅沢を満喫した午後だった。
2002年8月9日 夜 京王プラザホテル コーヒーハウス「樹林」 怒-1 歓迎も感謝もない店 客が店に入って来た時、食事を終えて客が帰る時、従業員はどうするべきか。べきか、というより、どうしたい気分なのかと、この店を訪れる度に問いただしたくなる。歓迎の意を込めて「いらっしゃいませ」、感謝の意を込めて「ありがとうございました」と言うことくらい、初めてバイトをする高校生だって知っている。しかし、この店ではその基本は実行されていない。 顔を合わせてもなお、口にすることはない。藪から棒に「何名さま?」と聞き、人数を答えると、メニューを持ちながら、言葉を発せずに目だけでこちらへどうぞという素振りをする。帰る時も、だまってジロジロと見送られるだけ。必ずそうだとは言わないが、こういったケースが多すぎるのだ。それらがないということは、歓迎も感謝もされていないに等しい。そんな店で金を使う自分が情けなくなることすらある。この日はクラブハウスサンドイッチを注文した。1550円。手頃な価格だが、ホテルのコーヒーハウスとしては量が控えめだった。
[京王プラザホテル]
960127 971004 980102 980115 980324 000909 001015 010120 010220 010123 010502 010623 010710 010828 010908 010930 011019 011117 020125 020523 020607 020610 020705
Y.K.