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パークハイアット東京 Diplomat Suite | |
Park Hyatt Tokyo | 2011.08.13(土) |
東京都新宿区 | 喜-5 |
ARCHIVES ・ 1992 |
旅のある部屋 パークハイアット東京の魅力は、他のホテルの追随を許さない抜群の洗練にある。スタッフのプロフェッショナリズムも素晴らしく、どのような出来事があったとしても、必ず最後には満足の域へと導かれ、それが積み重なれば揺るぎない信頼へと到達する。 パークハイアット東京の客室は、たとえどの部屋であっても極めて快適だ。最低でも45平米の広さがあり、42階以上の高層階からの眺めも素晴らしい。標準客室でもじゅうぶんパークハイアット東京らしい時間が過ごせるが、スイートであればひときわ実感が深まる。 今回はずいぶん久しぶりにディプロマットスイートに連泊した。プレジデンシャルスイート、トーキョースイートに次いで広い160平米の面積を持ち、ゆったりとしたリビングダイニングルーム、ベッドルーム、2方向の窓に面したバスルームから成るスペシャリティスイートである。 入口の扉は両開き。黒塗りの金属扉はいささか味気ないが、両開きの扉は廊下の外からでもここが高級スイートであることを感じさせている。扉を入ると石床のホワイエがあり、正面がリビングで、廊下を左手に進めばキッチンやベッドルームへと通じる。ホワイエとリビングルームとの間は、軽やかな引き戸で仕切ることもできる。 リビングルームには、ソファセット、グランドピアノ、ライティングデスク、ライブラリーが設置されており、空間としてはダイニングルームと一体化しているものの、それぞれのセクションに独立性を感じさせるレイアウトがなされている。 ソファセットには、窓を背にしたロングソファの他、ひとり掛けソファが4つ置かれ、それらが丸いガラストップテーブルを囲んでいる。脇の柱に掛かったモノクロの絵画は、以前はなかった。 見た目にも均整が取れた配置だが、実際に腰かけてみると、それぞれのソファにサイドテーブルが置かれていたり、照明が目に眩しかったり逆に暗いと感じることもないなど、さりげないようでいて、よく考えられていることがわかる。 壁面にはインテリアを兼ねた書庫が設けられている。開業当時から多数の洋書が置かれていたが、改装により規模が大きくなり、一層魅力的なディスプレイに進化した。 置かれている本は、旅に関連するものが多い。いつまでもこの部屋に留まり、最後の1ページまで読みあさることができたら、どんなにか幸せだろう。 ライブラリーの一角に設けられたデスクは、まさに図書館の机を彷彿とさせる。見上げれば書籍、脇に目をやればグランドピアノ、そして窓の外には宝石のごとき夜景。これほどインスピレーションを刺激するホテルルームには、なかなか出会えない。 ダイニングルームはグランドピアノの向こう側。多数のスポット照明と壁面のミラーがより美しい空間に感じさせ、黒い家具がグランドピアノとよく調和している。 ダイニングはリビングとひと続きになっているのだが、ここに来ると独立した空間のような落ち着きが感じられる。6名でテーブルを囲むことができ、それに必要な食器類がキッチンに完備されている。ルームサービスを注文した時には、単にワゴンを運んでくるだけでなく、係がダイニングをレストランのようにセットしてくれる。 ダイニングテーブルには、松の木のようなガラスのオブジェが置かれ、照明を浴びて発光する樹木のように輝いており、その存在感には何か特別なものが感じられる。室内はこうしたオブジェを含め、隅々まで清掃が行き届き、カーペットにそのまま寝転がれそうなほどだ。 ベッドルームは一見するとレギュラールームにそっくり。家具や照明器具もほとんど同じだが、ベッド幅は広く、スポット照明の数が多い。 ベッド脇には、以前、ドレッサーが置かれていたが、今では代わりにリビングにあるのと同様の書庫が設けられた。 ベッドルームのデスクには、イスがひとつ。テレビボートには50インチのテレビが掛かっている。テレビボードの脇は、バスルームへ通じている。 バスルームは細長い空間を巧みに使っている。手前から低いベイシン、2段上がって高いベイシン、突き当りがバスタブ、右側にはクローゼット、トイレ、シャワーブースが並ぶ。 窓は3面あり、昼は明るく日が降り注ぎ、夜は見事な夜景が広がる。壁、床ともに天然石を使い、コントラストのある照明も効果的だ。照明は2系統に分かれ、それぞれに明るさの調節ができる。 以前、ベイシンから外が見えるのは魅力的だが、ミラーがないのは不便だと思った記憶がある。それが今、低い方のベイシンのみだがミラーが設置された。眺めを遮ることのない小さなミラーだが、じゅうぶんに重宝した。 一方のミラーのないベイシンは、とても開放的。2段高くなっている分、景色を見下ろすという感覚がより強い。スイートでは浴室金具も立派なものを使っている。 バスタブとシャワーブースは隣接しているので使いやすい。この部分は天井が高く取られており、バスタブの上部には、ピクチャーライト付きの額が掛けられている。 バスタブはとても長く、ほとんどの女性は湯に浸かった状態では足が向こうに届かないほどで、バスタブで溺れるという感覚を味わえる。バスタブ脇と窓の高さに差がなく、バスタブ自体が浅い(これで深かったら本当に溺れてしまう)ので、入浴しながら景色を眺めることができる。パークビュールームのバスルームも同じような位置にあるのだが、バスタブに浸かった状態での景色の見え方はまったく違う。 シャワーブースからも、バスタブ越しに景色が見える。レインシャワーはないが、固定シャワーの他、ハンドシャワー、ボディシャワーを備えている。やや水圧が低いのが気になった。 スイートにはイソップのスペシャルコスメセットの他、スイート専用のバスローブなど、よりハイクオリティなバスアメニティを備えている。 エキストラのトイレは、ホワイエからベッドルームに続く廊下の途中にある。小さなトイレながら、この中のインテリアはとても印象的だ。グリーンの大理石、ライトな木目、ミラー、額、それに加え6つものスポット照明と、凝りに凝ったトイレは一見の価値あり。 キッチンも充実している。ここで料理をするのは難しいが、パントリーとしての役割はじゅうぶん果たせるだけの設備が整っている。 たいていのホテルでは、キッチンを備えていても棚は空っぽ。でも、このスイートには6名分の食器セットが用意されており、棚はどれも満杯だ。 引き出しにはシルバーカトラリーが入っている。その他、フレッシュジュース用のフルーツ絞り器、エスプレッソマシン、ハーブウォーター、デラックスティーセットなどが無料で使える。 短い滞在でこれらのものを活用する機会はなかったが、備わっているというだけで、これを使って何ができるだろうかと、アイデアを浮かべてみるのも楽しかった。 ホテルスイートとしては、極めて魅力的で快適だった。それを支えているのは、最高のサービスチームと上品な客層である。この雰囲気を保てるかどうかは、泊まる客の品位に懸かっているのかもしれない。 |
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