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パークハイアット東京 Park View Room | |
Park Hyatt Tokyo | 2011.04.29(金) |
東京都新宿区 | 喜-5 |
ARCHIVES ・ 1992 |
魅惑のコーナールーム 開業から何年経っても、決して色あせることのないホテル、パークハイアット東京。居心地のよさ、優れたサービス、洗練された雰囲気など、すべてが第1級であり、数あるホテルの中で格別の存在だ。このクオリティを支えて来たのは、ホテルスタッフだけでなく、モダンエレガンスを愛するゲストたちでもあった。 しかし、ここのところ、レセプションエリアより奥の宿泊用スペースでも、だらけた身なりや振舞いの客を見かけることが多くなった。その多くは外国人である。かつては日本人の方が不釣り合いに見えることがあったが、最近は逆転している。これも時代なのだろうか。 馴染みの係に客室まで案内され、インルームチェックイン。係が退室すると、室内には静寂が訪れた。はるか彼方を見渡す眺望も素晴らしいが、それより客室内の眺めに心を奪われる。隅々まで丁寧に整えられ、客室全体がひとつの芸術作品のようだ。 今回宿泊したのは、人気の高いパークビュールーム。角部屋ならではの圧倒的な開放感は、二方向の窓と高い天井によってもたらされ、無駄のないレイアウトが、60平米の広さを最大限に実感させる。独立したリビングはないものの、ジュニアスイート感覚で過ごせる部屋だ。パークスイートほど広くなく、親密な時間と空間を楽しめるのもいい。 ベッドはキングサイズが1台。洗練されたカラースキームに包まれ、照明や調度の配置バランスも見事だ。マットレスは固め。エジプト綿のベッドリネンが素肌に心地よい。 ベッドの前にはプラズマテレビの載ったキャビネットがあり、その向こうに窓がある。窓からは隣室の窓が見えるが、スリットの目隠しにより、隣室からこちらを覗き見られることはない。 客室コーナーには斜めに置かれたライティングデスク。イスの位置や角度も見栄えよく考えられている。観葉植物がみずみずしさを添え、梁から柱を照らすダウンライトが効果的な陰影を生み出す。ハープをかたどった小テーブルと、オットマン付きのソファも心地よさのみならず、視覚的なくつろぎを感じさせる。 ミニバーキャビネットは入口ドア脇に。このタイプの客室は、ドアからベッドまでの距離が近いが、角度のある動線により、入口からの視線がベッドに届くことはない。ただし、物音には少々の気遣いが要るかもしれない。 ミニバーキャビネットには各種飲み物が詰まった冷蔵庫、スナック類など、バラエティに富んだ品揃えで用意されている。グラス類やポット、茶器は上にむき出しで置かれているが、そこに埃が積もっていることはない。こうした器をインテリアの一部として見せているところもなかなかのセンス。 入口ドアからまっすぐ進むとクローゼットに入る。大きな荷物台と多数のハンガーがあり、長い滞在の大荷物でも困らない。引き出しも多く設置されており、使い勝手のいいクローゼットだ。 荷物台の背後には、大型の姿見と白木の棚がある。棚の中段は室内金庫。引き出しは荷物台の下、低い位置に設けられているので、高い位置で小物を整理するのに、この棚がとても役立った。 クローゼットを通り抜けるとバスルームがある。異なる種類の天然石を組み合わせて、幾何学的なパターンを描いた床、ミラーを多用し空間を広く見せる壁、高い天井など、ここは単にリフレッシュするだけでなく、リラックスして過ごすためのバスルームだ。ハロゲンを主体とした照明デザインは極めて秀逸。調光も可能。 この照明の美しさを最も実感するのは夕刻と夜明け前。窓から見る空のグラデーションと、艶やかな石を照らすダウンライトが、劇場のステージのような雰囲気を生み出す。きちんと畳んで積み重ねられたタオルでさえ、アートオブジェのように見える。 窓際に面したバスタブに隣接して、ガラス張りのシャワーブースが設けられている。スリット状の鏡面仕上げステンレスに沿って、ハンドシャワーとボディシャワーがあり、ハンドシャワーは高さを自在に調整できる。ブース内にもハロゲンのスポットが当たり、ショウウィンドウの中でシャワーを浴びている気分。 日中はバスタブにも陽が差し込み、ちょっとした露天風呂気分。窓が開くわけでも、天井から陽が差すわけでもないが、きらきらと日光を反射する湯に触れながらのバスタイムは、窓のないバスルームでは体験できない。 バスアメニティはイソップ。ソープはオリジナルの大型サイズで、開業以来の香りが、目を閉じていてもパークハイアットのバスルームにいることを実感させる。季節によって種類が変わるバスソルトも楽しみのひとつ。 エキストラのタオルとバスローブは液晶テレビの下、ガラスの棚に用意されている。トイレはベイシンの背後に、、磨りガラスの扉で仕切って設けられている。ベイシンとバスタブの間には、ベッドルームへと通じる引き戸があり、この扉を開け放てば、ベッドルームとバスルームを一体にしたような感覚で使うこともできる。ベッドからシャワーまでわずか5歩。このアプローチも人気の理由かもしれない。 朝食はルームサービスで。必ず時間通りに届けられ、内容も充実している。卵料理は3分30秒茹でのボイルドエッグがお気に入り。逆に、ポーチドエッグはいまひとつ。パンは毎朝5種類が運ばれてくるが、どれも美味しい。パークハイアットの朝こそが、ラグジュアリーホテルの真骨頂を感じさせてくれる。 |
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