1995.03.24
バースデープレゼント
パークハイアット東京 Executive Suite
喜-3

パークハイアットで誕生日を迎えた。そのために特に予約を取ったわけでなく、たまたま誕生日だっただけだ。ところが、ホテルからシャンパンとギフトの差し入れがあった。こうした気遣いは思いがけない喜びとなり、このホテルに一層惹かれてしまう。ギフトはとても洒落たラッピングがしてあり、このあたりにもセンスの良さを感じた。また、フラワーアレンジも用意してくれ、これもありきたりでないカラーコーディネイトされたアレンジだった。

エグゼクティブスイートは約100平米あり、ちょうど長方形をしていて、リビングルーム−ベッドルーム−バスルーム−そしてまたリビングルームと回廊のようになっているので室内でジョギングができる。リビングの天井はとても高く開放感があり、見上げた位置に額が飾ってあり、それに照明が当たるようになっている。リビングルームには2方向の窓があるが、一方は格子で目隠しがしてある。

この部屋でもっとも不便を感じたのは、エグゼクティブスイートと名乗っておきながら、ライティングデスクがないことだ。正方形の4人がけダイニングテーブルはあるが、それをワーキングデスク代わりに使うのは、いまひとつぞっとしない。また、照明がすべて一括のスイッチでオン−オフをするので、煩わしくないというメリットもあるが、微調整や雰囲気づくりに応用がきかないので、やや不便な感じがする。

バスルームは広く、他の客室同様明るい照明で、ダブルのベイシンにはハロゲン光のスポットライトがあり、水に光が反射してキレイだ。だが、ベイシンの排水栓はしまりがあまりよくなく、閉じたつもりで水を溜めながらコンタクトレンズを洗浄していたら、手から滑り落ちて、わずかな隙間から流れていってしまった。バスタブはとても長いサイズで、身長があまりない人だと足がつかないほど。

スーペリアルームのバスタブはバスルーム中央に配置されているが、エグゼクティブスイートは壁際、もしくは窓際に配置されている。スーペリアルームのバスタブはふちが高く、年配の人がまたぐにはさぞかし難儀だろうと推察しているが、エグゼクティブスイートの方が高さがないのでまたぎやすいと思う。

アメニティはスーペリアルームと同等だが、ヘチマのボディウォッシュが加わる。全室にせっかく備え付けられたTVだが、バスルームで見れるのは一般放送と衛星放送だけで、有料チャンネルやレーザーディスクは見れないので残念。クローゼットも広く、バスルームとほぼ一体化した造りになっている。総じて快適に作られた客室だ。

ニューヨークグリル

いつもながら混み合っていたが、この日は窓際から2列目の中央の客席にアサインされた。バーから聞こえてくるざわめきと、オープンキッチンから伝わってくる活気がなんともエネルギッシュな雰囲気を作り出している。窓側の席は夜景が間近に見えて人気があるらしいが、少し内側の席の方が周囲の活気がダイレクトに伝わってきて、この店らしい雰囲気が味わえて好きだ。一方、両サイドに一段低くなった位置にある席はあまり好きになれない。少々静かなテーブルを希望する時はワインセラーに面したブース席がオススメ。座る席によって感じ方が随分と変わるのも、この店の面白さかもしれない。

料理は申し訳ないが変わり映えせず、注文もマンネリ化しつつある。料理はいずれもダイナミックで量も多い。オードブルを終えた時点でいつもお腹一杯で、メイン料理は苦しい思いで食べることになる。デザートも同様に豪快だが、盛り付けの豪快さがとても楽しい気分にさせてくれるので、ついつい注文してしまう。オリーブのパンは運ばれてきてあたたかいうちがいちばんおいしいが、運んでくるのが早いので、ワインのテイスティングが終わる頃にはすでに冷めてしまっていて残念。このパンに岩塩と胡椒をたっぷりふりかけたオリーブオイルをぬると一層おいしい。2階のペイストリーブティックで、ひとつ600円で販売している。

サービスに関しては、若いながらよく頑張っていると言えないこともないが、食前酒として注文したシャンパンがオードブルより後に出てきたり、会計を頼もうにもだれも気付いてくれないなど、レストランサービスの何たるかが、根本的にわかっておらず、素人の域を出ない。

Y.K.