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パークハイアット東京 Park Deluxe Room | |
Park Hyatt Tokyo | 2011.01.03(月) |
東京都新宿区 | 喜-4 |
ARCHIVES ・ 1992 |
ユニークな部屋を探して パークハイアット東京の凛とした雰囲気には、冬の清らかな空気がよく似合う。新春早々は都心の交通量も少なく、高層階からの景観は一層見事であるに違いない。天空のアトリウムにあるピークラウンジから、ジランドールの脇を抜け、奥まったレセプションへと至る通路には、冬の絵画が掲げられ、通りかかる人々に季節を思い起こさせている。 レセプションへは立ち寄らず、まっすぐ客室へと案内され、そこでチェックイン。入った部屋はいつも通りのデラックスルームだった。それはそれで快適さ、眺めなど、リクエストを満たす部屋ではあるのだが、いつも同様では好奇心が満たされない。 そこで、何か変わった部屋はないのかと尋ねてみた。係は怪訝な顔ひとつ見せず、客の奇妙なリクエストに応えるべくすぐさま行動を始めた。 やり取りを繰り返し、提案のあったいくつかの部屋を検討した結果、低層階にある部屋が面白そうだということになった。ホテルとしてはあまり好条件の部屋とは考えていないらしく、ここを提案するには躊躇が見られた。でも、今回は好奇心が勝った。 その部屋は低層階にある。といっても42階から上であることは確かなので、見事な景色に見劣りはないだろうと想像した。低層階は、ニューヨークグリルの下に位置する51階まで客室がある棟と、クラブオンザパークの下に位置する44階までしか客室がない棟とが廊下で接続した造りをしている。 今回の客室は、その連絡廊下の途中にある。ということは、ふたつの棟の接続部分に位置するわけだ。カテゴリーはパークデラックスルーム。55平米の標準客室と同じ扱いである。だが、扉を入ってみると、その造りはだいぶ違っていた。 扉から居室に至るまでは、一直線の細い廊下があり、両脇にそれぞれバスルームとクローゼットを配している。ウォークスルークローゼットからバスルームに至る特徴的な動線はこの部屋にはなく、廊下に並ぶアートワークも、そこに当たるピクチャーライトもない。どちらかというと一般的なこの配置が、パークハイアットではむしろユニークだ。 クローゼットは細く、内部に太い柱があるので、ウォークインというにはやや窮屈。だが、一応ウォークイン仕様。柱にはミラーを張り、姿見の役を持たせている。 居室は奥行きよりも横幅があり、2面の窓がある。というより、窓の間に太い柱があると表現する方が適切かもしれない。ベッドとキャビネットの間には広い空間があり、窮屈だという印象はないが、いつものデラックスルームと比べると、気持ち小ぢんまりまとまった印象を受ける。 室内の備品はすべてデラックスルームと同等。微妙な違いは、デスクに添えられたイスがひとつ足りないことくらいだ。その観点からも、ここがデラックスルームに属していることに納得。 ベッドはキングサイズ。ベッドボードから天井近くまで至る色の濃い部分がキャノピーのようにも見え、部屋全体を引き締める効果を発揮。そして、天井の窪みが、このベッド幅と揃っているところも均整の取れたデザイン性を感じさせる。 キャビネットはベッドの向かい側。テレビまでがやや遠いが、ちょうど壁面にぴったりと収まっており、見た目のバランスはいい。 デスクは窓を向けて設置。ここは喫煙可能ルームのため灰皿がある。しかし、タバコの残り香はほとんど気にならなかった。デスクに座りながらにして、視線をわずかに上に向けるだけで、東京のパノラマを眺められるのがいい。 だが、部屋の位置が位置だけに、視界が大きく遮られることは覚悟しなければならない。ふたつの棟の間、つまり最も窪んだところにあるため、窓の外にはすぐ両側に壁が迫る。それらの壁は客室の窓だが、互いに視線が合わないよう、両脇の客室の方に目隠しスリットが設置されている。 室内で唯一殺風景だと感じたのは、ベッド脇の壁。かなり幅の広い壁だが、何の装飾もなく、特に窓際のソファに座って室内を見渡した時に退屈だった。 バスルームのレイアウトも、パークハイアットとしてはインパクトがおとなしい。廊下から引き戸を入ると、正面にシャワーブース。右にバスタブ、左にベイシンとトイレが並ぶ。 天然石のパターンや浴室金具などは共通しており、レイアウトが異なっているとはいえ、ひと目でパークハイアット東京のバスルームとわかる。 バスタブは3方を壁に囲まれているが、いずれも石張りで、これはこれで悪くない。象徴的なアートワークや、天井からのハロゲンスポットライトも個性を放っている。 ベイシンカウンターはデラックスルームのものと同等だが、両脇のメイクアップカウンターが狭い。テレビはベイシンの上、高いところにあるが、バスタブの向きと位置との関係を考えると、やや無理のある配置だ。 ベイシン脇メイクアップカウンターにはスツールが用意されているが、これも通常よりサイズが小さい。バスローブはハンガーに掛けられているのではなく、クローゼットの棚に畳んで用意されている。 トイレは独立型。シャワーブースは、デラックスルームのものよりも、むしろ広い感じ。ただ、バスルーム全体に関しては、やはり通常のデラックスルームの配置が魅力的だ。 食事はもっぱらルームサービスを利用した。夕食は海老フライの定食。大きな海老フライはカラッと揚がって、タルタルソースとカツソースが付く。 朝食はポーチドエッグハム添え、フルーツ、ジュース、コーヒー、5種パン盛り合わせ。オーソドックスな内容ながら、ラグジュアリーホテルの朝を実感させる。 サービスは極めて快適。高度な洗練と対応力を持ち、世界でもトップクラスの域。あらゆる点で孤高のホテルである。 |
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