パーク ハイアット 東京 Park Deluxe Room | |
Park Hyatt Tokyo |
2009.05.04(月)
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東京都新宿区 |
楽-5
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魔性のホテル | これまでパークハイアット東京では、いい思いにも散々な出来事にも幅広く遭遇してきた。もう二度と来るものかと見切りを付けたくなることもある一方、ここで過ごした素晴らしい時間を思い浮かべ、今すぐにでもその空間に飛び込みたいと切実に願うこともある。魔性の女ならぬ、魔性のホテルだ。
とにかく、いい時のパークハイアットは、素晴らしく心地いい。今回がまさにそうだった。前日まで滞在していたグランドハイアット東京も、グランドハイアットとしては過去最高の居心地だった。ところが、パークハイアットはその更に上をいった。 何もかもが完ぺきだったわけではなく、細かい不満をあげればきりがないが、それを気にさせないだけのものがあった。すべてが幸運だったわけでもないが、高原に霧が出るように、夜空に星がまたたくように、なんらわざとらしいところがなく、自然にもたらされたもののように感じられたのだった。 この心地よさの秘密はなんだろう。ひとつには当たり前のことに関してぬかりがないこと。到着はハイアットリージェンシー京都以上にスムーズで、客室まで長い道のりを歩きながらも、不用意に立ち止まらされることが一度もなく、考えられる限りもっとも無駄のない動作で客室まで着き、そこでサインのみのチェックインが終わる。 スタッフは物静かで控えめに見えるが、よく洗練されている。用意された客室は、隅々まで目が行き届いてこの上ない清潔感を醸しており、完成度の高い客室デザインとともに、最高の居心地を感じさせる。事前のリクエストにもきちんと対応してあり、ターンダウン時のサービスも完ぺき。何かとケチな一面をのぞかせるホテルが多い中、ここは逆にゆとりを感じさせるのである。 この一流のゆとりこそが、格別な居心地を実現しているのではないだろうか。パークハイアットは高級ホテルだが、帝国やオークラのように風格を前面に出したりはしない。実際、王族や重要政治家よりも、セレブリティが似合う雰囲気であり、どんなに顔と名が知れた人間でも、安心してプライベートな時間を過ごせる隠れ家でもある。滞在中、そうした人々に出会うことは珍しくなく、彼らもまたくつろいだ姿でいることが多い。 今回もまた「ニューヨークグリル」のブランチを利用した。連休なので大混雑かと思いきや、むしろいつもの平日の方が賑わっているように感じられる。エレベータホールに立つ案内係は女性だが、席についてからのサービスは20代の男性がする。若々しく、スキッとした雰囲気があるのはそのためか。 バーの方に用意されたブッフェ形式のオードブルは、最初は目移りする楽しさがあったが、何度も利用していると少々飽きてくる。メインディッシュは鯛を選んだが、運ばれてきた時には冷めていた。食後に「いかがでしたか」と尋ねられたので、正直に「温度が適切だったら、もっと美味しかっただろう」と返答した。 おなじみのオードブルには、飽きても美味しいと気に入っている品がいくつかあり、それで腹いっぱいになっているので、実際のところメインディッシュはどうでもよいというのが本音。それに、このあとおなじみのデザートを取り分けてくれば、冷めた鯛のことなどすっかり忘れてしまうのだ。 デザートをきれいに盛り付けて席に戻ると、カットフルーツがたっぷり載ったプレートが運ばれてきた。冷めた鯛のお詫びだという。腹いっぱいのところにもう一発パンチを食らったかのようだったが、これもケチケチしないパークハイアットらしい対応である。 夕食はルームサービスでのんびりと軽く。メニューは豊富で、品物によっては他のホテルよりも割安に感じるものもある。ハンバーガーはグランドハイアット東京よりも安かった。 2泊目はこどもの日。端午の節句にちなみ、バスルームにはフレッシュの菖蒲が用意されていた。さりげなく季節を実感させるこうした演出もまた、このホテルが得意とするところである。 |
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パーク ハイアット 東京(公式サイト) | |
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