1997.01.04
インルームチェックイン
パークハイアット東京 Executive Suite
楽-3

いろいろと問題はあるものの、やっぱり快適なのである。居心地という意味では最高レベルのものを提供してくれる。客室は広く、気持ちがなごむ色使い。この空間さえあればもうサービスなんてどうでもいいといいたくなるくらいだ(実際そんな気分)。

家具はベッドと椅子を除いて安物だし、客室係の仕事ぶりはビジネスホテル並みだし、コンセルジュたちは幾人かを除いてはプライドだけ高くて、仕事の質がそれに追いついていない。デザイン性に優れていることは認めるが、真の高品質ホテルだという意見には賛同できない。

例えば、バスタブはいつでも前の客の垢がこびり付いたままだ。今回はルームサービスを頼んで30分で届けるといいながら実際には1時間以上かかった。にもかかわらず、「お待たせいたしました」のひとことさえない。

チェックインはフロントで行わず、エレベータホールで待ち受けていたアシスタントマネジャーに直接部屋へ案内され、そこで手続きをした。エレベータの中で、「今日は富士山がとてもきれいに見えているので、西側のスイートをご用意しました」といわれたが、いざ部屋でカーテンを開けもらうと、曇り空でその雄姿は見られなかった。でも日常から離れてのんびり過ごすにはぴったりの、都会のオアシス。

「ニューヨークグリル」

正月の週末とあって、数日前の時点で21時30分からしか予約が取れなかった。それはそうと予約時の印象が悪かったが、これが店へ向かうときの気分を大きく左右する。ここは、いつ電話を掛けてもなかなかでない。何十回も鳴らしてやっと出たときも「お待たせしました」といわれたことがない。ちょっとした一言が気分を和ませてくれることもあるし、逆にその欠如が不愉快にさせることもある。

この時も、空き状況を調べるといって電話をホールドされてから2分以上待った。これほど長く保留の音楽を聴いているといらつく。予約時の対応が良いレストランは実際に出かけてもがっかりということがない。

さて、席についてメニューを受け取り、まず感心したのが品切れの説明だった。「大変申し訳ありませんが、本日品切れが2つあります。」と、品切れは恥ずかしいことで、罪だという意識が感じられた。シェフがかわってオープン当初のダイナミックな料理から無理に日本人向けにした料理に変わってきてしまい残念。女性シェフアンジェラのオーダーを読む声が厨房から響いていた頃の方が活気があったように思う。

ここは圧倒的に雰囲気重視の店だ。

Y.K.