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フォーシーズンズホテル椿山荘東京 City View Deluxe Twin Room | |
Four Seasons Hotel Tokyo at Chinzan-so | 2011.02.16(水) |
東京都文京区 | 喜-3 |
ARCHIVES ・ 1992 |
心落ち着くホテル どんよりと曇った二月の夜。四季折々の風情を湛えるフォーシーズンズホテル椿山荘東京のロビーには、一足先に春の訪れを予感させる装花が飾られていた。到着が午後10時を回ってからだったこともあり、壮麗なロビーにはほとんど人がいないが、コンシェルジュとフロント係はいつも通りに控えていた。 すでにロビーラウンジの営業も終わり、館内は深夜と変わらぬ静寂に包まれている。重厚感のある立派な家具調度に囲まれたエレガントな空間には、賑わいも静けさもよく似合う。 迅速なチェックインを終えて客室へ。荷物が少なかったこともあり、案内は辞退。雰囲気を楽しみながら、ゆっくりとした足取りで部屋に向かった。ゴージャスなロビー階に比べると、客室階は落ち着いた淡い色調だが、クラシカルなテイストは共通している。 廊下に敷かれたカーペットの感覚が、靴を履いていても足の裏に心地よく伝わってくる。特に両隅の辺りは、あまり踏まれていないので、よりフカフカだ。廊下の途中には、邸宅を思わせるコンソールがあり、上品なランプやルームフレグランスが色香を漂わせる。 今回利用する客室は、55平米のデラックスルーム。シティビューなので眺めはあまり楽しめないが、標準客室と比較して10平米のゆとりは大きな魅力だ。すでにターンダウンが済んでおり、室内はすっかり就寝モードだった。 ベッドは居室の側面が大きく窪んだ場所に2台並んで置かれているのだが、窪みの奥行きがほぼベッドの長さと同じなので、いい感じに収まって見える。ベッド幅はそれぞれ120センチ。白いデュベカバーがあらわになった状態だが、ややメイクの乱れやシワが気になる。 ベッドが奥まったところにあることで、包まれるような雰囲気があり、一層の落ち着きが感じられるだけでなく、リビング空間とベッド空間にそれぞれ独立性が生まれる。 不思議なのは1名利用であるにもかかわらず、グラスやミネラルウォーターが3人分用意されていること。エキストラベッドを入れればトリプル仕様にもできるのはわかるが、少なくともこの時は正ベッド2台しかないのだから、3名利用は難しいと思うのだが。 窓はスーペリアルーム同様、三角に張り出したパノラマウィンドウ。レースやドレープは上質な生地を使っており、部屋全体のクオリティを引き上げている。 窓際のソファはふたつ。標準的なツインルームにはオットマン付きソファがひとつしかないが、やはりふたつあると便利だ。 独立型のライティングデスクは壁向き。大型のアーモアと並んで置かれている。デスクとアーモアに関しては、スーペリアルームと同等。 アーモアの中は、液晶テレビ、DVDプレイヤー、オーディオ機器が収納されている。引き出しは3段で、深く作られているのがいい。 ベッドが奥まったところにある分、ベッドとアーモアとの間には、結構なスペースがある。このゆとりこそがデラックスルームらしさであり、格段の開放感をもたらす。壁にはミラーとコンソールを設置。クラシカルな内装にぴったり合う。 バスルームの入口前には、独立型ドレッサーと広いクローゼットを設けている。ドレッサーにはコンソールとセットになっているものと同じミラーを添え、ミラーの両脇には洒落たブラケットを取りつけてある。クローゼットはドレッサーに向かって背後に位置している。 バスルームはスーペリアルームとほぼ同じだが、トイレの位置だけが少しずれている。よく見ると、バスアメニティやタオル類も3人分ずつ用意されていることから、基本的にトリプル仕様の部屋なのかもしれない。 バスルームにはふんだんに大理石を用いており、艶やかで華やかな印象。扉やベイシン下部には、アイボリー色の塗装を施している。ベイシン脇のクロス張り壁面も効果的だ。 バスタブやシャワーブースはゆとりの大きさ。レイアウトも使いやすく、完成度の高いバスルームである。バスタブの給湯はあっという間。タオルやアメニティの質も高い。 トイレは扉で仕切られた独立タイプ。照明も独立している。バスローブはハンガーに掛かった状態で、ドア脇に用意されている。体重計はアナログでレトロ。 翌朝、まだスッキリとは晴れなかったが、庭を散策してみることにした。とりわけ早朝が気持ちいい。シンボルでもある三重塔は現在メンテナンス工事中で見ることができない。 ホテルの外観は雁行型。大きな窓とダイナミックなデザインは、見るからに高級ホテル然としており、日本庭園の中によく溶け込んでいる。 庭園にも春を告げる花々な咲き始めている。夏になれば蛍が舞い、時折タヌキも顔を出すとか。どんな季節に訪れても、心地よさを感じさせてくれるホテルである。 |
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