1999.03.20
エレベータ横の客室
フォーシーズンズホテル椿山荘東京 Executive Suite
哀-1

久しぶりのフォーシーズンズ。今年に入ってはじめて出かけた。車で到着すると、ドアマンが駆け寄ってきてサッとドアを開けてくれる。機敏でにこやか、そしてゲストの車と名前を良く覚えている。連休初日とあって、フロントは順番待ち。チェックインはやや待たされた。更に、ベルが出払っているとのことで部屋への案内の方が随分と待たされた。到着してから15分後にやっと部屋に到着。荷物は更に15分後に運ばれてきた。

いつもながら、どうしてバゲージアップにこんなに時間が掛かるのかと思う。部屋は802号室、街側のエグゼクティブスイート。各階2番のスイートは、8階以上なら都内の景観をワイドに楽しめるが、7階以下だと隣の学校に視界を遮られ、眺めが悪い。802号室は眺めもいいし、客室内のメンテナンスも行き届いていて、気持ち良く過ごせた。ただ、なぜだかリビングの中央付近を普通に歩いていても、ドシドシと部屋が振動する。建物が傾いてるのか、床がチャチなのかわからないが、下のお客さんに迷惑にならないよう、一層静かに歩くよう気を付けていた。

さて、夜になってベッドに入ると、どこからか、ゴーッと低い地響きのような音が断続的に聞こえてくる。それが気になりだすと、無性に気になって仕方がない。まるでディズニーランドのスペースマウンテンで順番待ちをしている時に遠くから聞こえてくるコースターの音にそっくりで妙に緊張感を煽る。それさえなければ睡眠には完璧な静寂があるのだから、唯一の騒音だった。

館内の構造を調べてみると、ちょうどベッドルームのすぐ隣にサービス用のエレベータが設置されていた。このエレベータが動く度にスペースマウンテンの音がする。しばらく静かだったかと思うと、突然音がする。不規則だから予測が立たず、余計イライラさせる。でも、構造上仕方がないし、いまさら部屋を替えてもらうのも面倒で、必死でガマンしようと努めた。ところが、結局眠れぬまま朝になってしまった。

別にクレームというつもりでなく、マネージャーの耳に入れておくべきだと思い、電話で報告するとエレベータ音のクレームは結構あるとのことだった。眠れなかったぼくにとても同情してくれ、コーヒーをルームサービスでご馳走し、チェックアウトも希望の時間まで延長すると申し出てくれた。たかがコーヒーかもしれないが、その気持ちがうれしかった。次の予定もあったので、通常のアウト時間にはチェックアウトした。その際にも、キャッシャーで待ち構えていてくれ、重ねて詫びてくれた。気持ちのこもった、あたたかい対応だと感じた。

Y.K.