1994.09.10
プライベート向きスイート
フォーシーズンズホテル椿山荘東京 Executive Suite
楽-3

フォーシーズンズエグゼクティブスイートはフォーシーズンズのコンセプトを表現した客室ということになっているが、椿山荘の場合はあまり力を入れていないような気がする。料金は2割増し程度で、5割広い客室というのがうたい文句だが、ここでは広さが2割り増しで、料金は5割り増しだ。

入口を入るとほぼスーペリアルームの居室と同じくらいのリビングルームがある。バスルームはリビングの方についており、スーペリアルームとまったく同等だ。リビングにはゆったりと座れる4名用のソファセットがあり、ライティングデスクが窓に向かって設置され、予備のアームチェアも置かれている。アーモアは背が低く、上に物を置いて使える形だ。

リビングからフレンチドアを抜けるとベッドルームがあり、こちらはかなり狭い。キングサイズベッドまたはシングルベッド2台のタイプがあるが、いずれにしてもベッドとアーモアが入っていっぱいいっぱいだ。窓も小さく全体につつしまやかな印象。

バスルームはリビングにあるので、必ずリビングを通らなければならないのがスイートらしからぬところ。ちょっとしたビジネスミーティングにも対応するようにと考えられてるようだが、ホストのバスルームに足を踏み込むのは、呼ばれたほうが躊躇するだろう。ビジネスに使うには、もうひとつトイレが必要だ。

インテリアはスイートだからと言ってグレードがアップするわけではない。逆に見れば、スーペリアでもスイート級の仕上がりになっているということだ。全館に漂う上質な空気は、すべての客室にも届いている。部屋にこもりすぎずに、館内や庭園の空気もぜひ味わいたいもの。

Y.K.