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フォーシーズンズホテル椿山荘東京 Garden View Superior Twin Room | |
Four Seasons Hotel Tokyo at Chinzan-so | 2010.09.24(金) |
東京都文京区 | 楽-5 |
ARCHIVES ・ 1992 |
心落ち着くホテル フォーシーズンズホテル椿山荘東京は、都心の便利な場所からは少し離れた静かな環境にある。ゆっくりと滞在するには好都合だが、ビジネスが絡む場合は時間のロスを覚悟しなければならず、ゆとりのある人向けのホテルだと考えた方がいい。 もし時間が許すのなら、平日の静かな時に何泊か連続して部屋を取り、終始館内だけでゆっくりと過ごすのがいい。リゾートまで行かなくても、十分にリフレッシュすることができるだろう。 木々に囲まれた車寄せに到着すると、颯爽と振舞うドアマンが出迎え、健康的な笑顔とともに館内へといざなってくれる。 贅を尽くしたロビーは東洋と西洋の文化融合が感じられ、すべてのものから落ち着いた風格が伝わってくる。エントランスホールに飾られた季節の装花も見事だ。 フロントカウンターでスピーディーなチェックインを済ませて客室へ。係の案内はあえて断った。自らのペースで、ゆっくりと館内の空気を味わいながら進みたいからだ。荷物が多い時は、先に部屋に入れておくよう頼むこともできる。 ロビー階のエレベータホールは総大理石造りで、エレベータ扉は金色に輝いている。エレベータのカゴは大型で、インテリアの調和もいい。 エレベータホールに置かれた調度品も、しみじみ見ると深い味わいのある品だ。こうした調度品が似合うほどの雰囲気を持つホテルは数少ない。 客室階の廊下は、パブリックフロアの華やかさとは対照的に、居住空間に近いテイストの落ち着いた雰囲気だ。毛足の長いカーペットの感触にも高級ホテルらしい風格を感じる。 客室は最低でも45平米。これは1992年の開業当時には破格の広さだった。そして、最も数が多いのも、この45平米の客室である。眺めによってガーデンビューとシティビューに分けられているが、部屋の設備は同等と考えていい。階数によるグレードの違いはなく、ガーデン側ならむしろ低層階の方が庭との一体感が強調される。 室内は天井が高く、三角形に張り出した大きな窓によって、格段の開放感がもたらされる。窓を縁取る華やかなドレープも、クラシカルな内装の要になっている。ファブリックには部屋によって数種類のカラースキームがあるようだ。 ベッドは120センチ幅。心地よいマットレスとベッドリネンにより、快適な眠りが得られる。ベッドボードやナイトテーブルも上質。スタンドはシンプルな電球スタンドで、オン・オフのみ。天井シーリングの調光や、電動カーテンの操作は、ナイトパネルで行う。 窓際にはオットマン付きソファと、大理石トップの丸テーブル、真鍮ポールのスタンドライトが置いてある。ツインルームにはソファがひとつしかなく、キングベッドルームにはふたつあるのはなぜなのか、開業以来不思議に思っているのだが、ツインにこそふたつ必要ではないだろうか。 ガーデン側の客室からは、椿山荘自慢の庭園を一望できる。起伏があり、池や滝、三重塔など、見ごたえのある美観が、大きな窓いっぱいに広がる。夜は一部ライトアップされるが、色付き照明のセンスは少々下品だった。 ベッドの向かいには、独立型デスクとアーモアが並んでいる。これらは開業以来の品物をそのまま使っているが、ほとんど劣化が見られない。ただ、メモ用紙やコースターなど、紙の消耗品には、明らかなコストダウンが見られる。 アーモアには液晶テレビ、DVDプレイヤー、オーディオプレイヤーが収められている。液晶テレビ導入時に、アーモアの上半分を取り去って、室内に画面がむき出しになるホテルが多い中、ここではあえて上部を残し、クラシカルな雰囲気を保っているのがいい。 客室ホワイエ部分には、広いクローゼットとミニバーが設置されている。天井に輝く照明器具も効果的だ。各扉の塗装や、立派なドアノブも印象的。 ミニバーは大理石トップ。その上に棚もある。大きなエビアンは有料だ。無料のドリップコーヒー、紅茶、日本茶などが用意されているが、器はあまりマッチしないように感じる。 冷蔵庫内にはバラエティに富んだ飲みものが揃っている。通常、こうしたアイテムは2本ずつ用意されていることが多いが、ここではほとんどが1本だ。 クローゼットは両開きの扉で、完全に開放できる。豊富なハンガーに加え、ほのかな香りを放つサシェも用意されている。下の方には大型の金庫を備えている。 バスルームも広く心地よい空間だ。ベイシンはひとつだが、大型で使いやすい。以前はスツールがあったが、なくなってしまった。テレビも今となっては小さすぎる。 バスタブとシャワーブースは並んでいる。強烈な給湯により、あっという間にバスタブが満たされるのが便利。バスアメニティはロクシタンで揃えている。 シャワーブースも使いやすい。バスローブはシャワーブース脇に下がっており、シャワーを浴びたらすぐに使えるのがいい。タオルは3サイズ揃うが、どうも劣化が激しく残念だった。トイレは扉で完全に独立している。 滞在中は、館内を当てもなく歩き回ってみた。平日はほとんど人と出会うこともなく、じっくりと雰囲気を味わえる。立派なロビー回りは特に見ごたえがある。 ロビー階、レストランへの通路は、片側がガーデンに面しているので、ついつい庭に目が行ってしまうが、壁側にも調度品が多数飾ってある。 ロビーから下層階宴会場フロアへと至る階段は、このホテルを象徴する場所でもある。グリーンの大理石をふんだんに使った階段の周囲は、観葉植物で彩られている。ただ、この観葉植物は、以前の方がはるかに充実していた。 館内の至るところには、雰囲気のいいイスが置かれている。それらに気が向くままに腰かけているだけでも心地よい時間を過ごせることだろう。 2階のスパも欠かせない南欧をイメージしたリゾート感覚のプールは、人の少ない早朝と19時以降の夜がいい。以前は、スパラウンジでの簡単な朝食が無料だったが、現在は有料になった。 また、あいかわらずジャクージの空気圧が低く、くすぐったい程度にしか泡が出ていないのが不満だが、それでもこの雰囲気は他では得られないと思えば、魅力の方がおおいに勝る。 ここは、東京で最も心落ち着かせてくれるホテル。ただし、人の多い時に行かないよう、日程選びには慎重さが必要だ。 |
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