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ホテルオークラ東京 Standard Double Room | |
Hotel Okura Tokyo | 2010.08.31(火) |
東京都港区 | 哀-1 |
ARCHIVES ・ 1992 |
会員特別料金 前回からさほど間隔を空けずに再訪したホテルオークラ。その主な目的は東京一快適な屋外プールで過ごすひと時である。 そして珍しいことに、今回はオークラクラブインターナショナル会員用の料金で予約した。これは決して安くない。これよりもはるかにお得な料金が、ネット上のあちこちに溢れているのだ。だが、会員用のさして得だとも思えないレートで泊まった場合、いったいどんな扱いが待っているのか、それを確かめてみたかった。 会員特典といっても、さほど魅力的なものはない。3時までのレイトチェックアウトの他には、ミネラルウォーターが2本付くとか、3泊につき1枚にランドリーチケットが付くとか、その程度のことである。ポイントプログラムもあるが、頻繁に利用しなければ、価値ある交換アイテムにはなかなか届かない。 ホテルが自前で売ってる宿泊プランを使っても、これらの特典は適用されない場合が多く、そうしたケチくささが、かえってオークラから足を遠のけさせている。 フロントカウンターでのチェックインは恭しく行われた。用意された部屋は予約通りのスタンダードルーム。外資系ラグジュアリーホテルなら、スイートを用意してもらえるような料金なのに、館内で最も狭い部屋になるとは、予想していたこととはいえ、やっぱりガッカリ。 何万円かでミネラルウォーターとランドリーチケットを買ったようなもので、それなら特典がなくても各種プランを使った方が経済的だった。だが、プール側という古い希望は、今回も叶えられた。 スタンダードダブルルームの面積は約30平米あることになっているが、実感としては25平米あるかないかという印象だった。たとえば、京王プラザホテル南館ダブルルームやヒルトン大阪の標準ルームはいずれも30平米だが、ここよりはだいぶ広い。 ベッドは160センチ幅。前回泊まったスタンダードツインのベッドと同様のセッティングである。ダブルルームでありながら、ベッドは壁に寄せられており、ナイトスタンドやライトは片側にしかない。これではシングルルームだ。 マットレスやベッドリネンの状態はよかった。ベッドメイクも丁寧になされており、そうした細やかな仕上げにはオークラらしさが感じられる。清掃は今回も完ぺきだった。 デスクは大型だ。広いトップを持ち、傍らには26インチの液晶テレビが載っている。両サイドには4段ずつの引き出しがあり、目の前にはブラケットの付いた大型ミラーを設けている。 窓際のシッティングスペースには、えんじ色のストライプ柄ソファが、オットマン付きで置かれている。ちょこんと添えられたミニクッションがかわいらしい。コーヒーテーブルもスタンダードツイン同様の天然石製だ。 ミニバーは入口付近のクローゼット内に照明付きのキャビネットを設けている。上段にはティーセットやグラス類、引き出しにミニボトル、そして下段には冷蔵庫を備える。 冷蔵庫にはさまざまな飲みものとスナックが用意されている。今回、オークラのロゴが入ったミネラルウォーターだけは無料。ある意味、シャンパンよりも高い水だ。ロブマイヤーのマイ・トラベルグラスで飲むとしよう。 バスルームは、バスタブ、トイレ、ベイシンが並ぶ3テクスチャー。大理石の壁と床、御影石のベイシントップという組み合わせは前回と同じ。 だが、こちらの部屋では、バスタブにサッシ扉というオークラ的設えではなく、ありきたりにシャワーカーテンを使っている。バスタブは145×71センチサイズ。バスルーム全体の広さは約3.6平米ある。 部屋の風呂が窮屈な印象だったので、久しぶりにネイチャーコートを利用してみた。ネイチャープログラムゾーンの、1回3時間までの利用料金は会員割引でも11,550円。基本メニューとふたつのオプションメニューが含まれる。 まずは初回同様にカルテのようなものを記入させられ、カウンセリングと称した問答が行われる。担当者は丁寧ではあるが、いかにも素人くさく、問答そのものがたどたどしい。時間の無駄という印象だった。 オプションのヘッドスパは「てもみん」の方が上手。ゲルマニウム温浴は、手足を浸けている間中、これ、本当にゲルマ入ってるのか、タダの湯じゃないのかと疑いの気分。だって、20分も浸けているのに、汗が一滴も出ないのだから。体が温まって来たという実感も皆無。これこそ時間の無駄だ。 結局、2時間もここにいたのに、何らくつろぎは得られず、まどろっこしさにイライラするばかり。最後に出てきた健康ジュースだけは美味しかった。そして、お見送りだけは姿が見えなくなるまでという不思議な気遣い。パフォーマンスよりも、効果を示してもらいたかった。 あまりスッキリもせず、そのままロビーへと下りてみた。そこには開けた空間と自由があり、ネイチャーコートで窮屈な思いをしているよりも、ずっと気持ちが解き放たれるようだった。 館内では、さりげない装花や、細やかな意匠が数多く見られる。そうしたものを見つけながら、ゆっくりと館内散策するのも悪くない。 さらに美術品を見たければ、敷地内には大倉集古館があり、国宝をはじめ、数々の美術品を鑑賞することができる。宿泊客には招待券が用意されているらしい。 ホテル敷地周辺も散策に適した環境だ。都心にありながら、閑静な雰囲気があり、ホテルのまわりだけをぐるっと歩くだけでも、いい散歩になる。 また、正面玄関の脇には、オークラ公園が整備され、木々に囲まれた遊歩道や広場が設けられており、午前9時から午後5時まで公開されている。 別館から神谷町駅方面へ向かう通路は「竹の道」と名付けられ、短いルートながら涼を感じ取れる。 風格と気品のオークラ。その類稀な感性には共感や憧れをいだくが、一方で鈍さやずれたピントに惑わされることも。こうして、たまに空気を感じに来る程度がいいようだ。 |
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