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2004.05.15.(土)

ホテルオークラ Standard Room
Hotel Okura
楽-4 厳戒態勢のホテル周辺
本館ロビーの上階
最近、都心ではあちこちで検問が行われ、ものものしい雰囲気になっている。とりわけ首相官邸前のキャピトル東急ホテルと、アメリカ大使館に隣接したホテルオークラの周辺では厳重な警戒がなされているため、気安く近寄りがたい感じだ。タクシーだとすんなり通れるが、自家用車だと何処へ行くのか、何の用事だなどと質問され、安全のための協力だとはいえ、これからホテルに向かう気分にはマイナスにしか作用しない。ホテルにとっては不利益なことだろう。

半年振りのオークラは、気持ちのよい到着でスタートした。ドアマンはキビキビとして礼儀正しく、引き継いだベルも若々しく覇気がみなぎっていた。そうしたところからもオークラが見事に息を吹き返しつつある様子が伺える。フロントでのチェックインは丁寧で感じがよい。隣で手続きをするゲストは常連らしく、係から先生と敬意を込めた口調で話しかけられていた。

客室は本館7階の殺風景な駐車場を見下ろすツインルーム。暖色系でコーディネートされた室内は大柄の壁紙やスタンドなどの真鍮部品も手伝って、とても華やかな印象だ。ユニークな位置にコネクティングドアがあるために、ベッドが窓際に寄り、中央の壁に沿ってアームチェアやスタンドを配置している。前回のリクエストどおりアメニティは追加され、室温やカランのサーモスタットの設定まで再現されている。また今回リクエストしたDVDプレイヤーもあらかじめセッティングしてあった。

日中はコネクティングドアから中年男性の大きな話し声が断続的に漏れ聞こえ、夜もこんな調子だろうかと不安だったが、どうやら夜は不在だったらしく静かだった。しかし、窓の外から引越し作業のような騒音が聞こえてきたので、何事かと思いのぞいてみると、搬入口にトラックをつけて大きな荷物をたくさん運び込んでいた。静かにやってくれればいいものを、市場か配送ステーションと勘違いしているらしく、たくましい掛け声や遠くにいる人への指示などが響き、一晩中に渡って騒々しかった。翌日になって宴会場を覗いてみると、百貨店の催しを行っており、その搬入作業であったことがわかった。ホテルにとっては百貨店もよいお客様。文句が言いにくいかもしれないが、もう少し宿泊客に対する配慮を重視して欲しいもの。

客室の清掃にも問題があった。ナイトテーブルがとても汚れていた。ちょっと見ればすぐにわかるベトベト汚れを見落とすとは、よほど慌てて仕上げたのだろうか。バスルームのシャワーブースも水はけが悪く、使用中に鯉が飼えそうな池ができる。また、クローゼットに用意されたハンガーが高級ホテルにしては非常に少ない。これも、なにゆえなのか首を傾げてしまう。

ネット環境も整ってはいるが、有料というのがいただけない。この辺でも帝国ホテルに負けている。エグゼクティブサービスセンターではカラーのプリントアウトさえ無料なのに、なぜかネット接続は有料。もう少し時代の感覚を養ってはどうだろうか。また、書類を発送するためにA4サイズの封筒をわけてもらおうとしたら、用意がないと言われた。国内のホテルでは初めての経験だ。にわかには信じ難かったが、その代わりにと有料の立派な書類ケースをわけてくれた。A4封筒くらいは標準で用意したほうがいい。

最近、デリカテッセンのパンが気に入っている。帝国ホテルのガルガンチュアよりも安く、はるかに美味しい。また、客室アメニティのハブラシの使い心地も数あるホテルの中でトップクラスだ。そうした細かいところでは非常に頑張っているのに、高級感の演出という点ではまだまだセンスの悪いオークラ。最近は本腰入れて頑張っているが、今度はどんな頓珍漢を見せてくれるのか、そんなところも楽しみだ。

ベッドが窓に寄った客室 ユニークな位置にコネクティングドアがある

しっかりとした家具類 ナイトランプがやさしい光を放つ

ウェルカムフルーツ 2倍アメニティのバスルーム

[ホテルオークラ] 960915 981114 990807 990814 990906 991018 991030 000415 000503 000609 011103 011216 020601 030526 030528 030925 031016 031017 031127 031220

Y.K.