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ホテルオークラ東京 Standard Twin Room | |
Hotel Okura Tokyo | 2010.08.21(土) |
東京都港区 | 喜-4 |
ARCHIVES ・ 1992 |
風格漂うオークラと、そのゲストたち ホテルオークラの本館メインロビーは、他にはない独特の雰囲気が漂う。風格、気品、和ごころといったオークラのイメージを象徴しており、このロビーに足を踏み入れた瞬間に、オークラがどのようなホテルであるかが伝わってくる。 正面玄関の先には、侘び寂びにも通じる凛とした草木の装飾が施され、天井からは連なるランタンが下がっている。人が少なければ、厳かな空気すら感じられる。 さらに奥へと進めば、中二階を横切る屋内橋が架かってるのが見え、その先にたいへん広々としたロビー空間が出現する。 幾段かの緩やかな階段をおりると、梅の花をイメージした1テーブルに5つのイスという配置が、十分な間隔を持ってレイアウトされている。窓には障子、天井からはやはりランタン。ほんのりとした灯がなんとも上品だ。 その片隅には、障子に竹の陰を映しこんだコーナーがあり、ロビーの大空間とはまた一味違った雰囲気を醸している。 中二階へと上がれば、天井に連なるランタンを間近に見ることができる。よく眺めると、天井の意匠そのものが凝っていることもわかる。特に、人の少ない夜の風情が心地よい。 さて、チェックインは午後2時に行った。フロントは混んでいなかったが、部屋の仕上げにもう少し時間が掛かると言われ、カウンター前にあるベンチシートに座って、10分ほど待たされた。 やがて部屋の準備が整うと、チェックインを担当した若い女性の係は、カウンターから出て来て、目の前まで近寄ったところで、待たせたことへの詫びと、時間が掛かった理由の説明をした。このように、丁寧で品性の感じられる振舞いのできるスタッフが揃っているのもオークラの特長である。 だが、たまに妙な態度を取る勘違いスタッフがまざっているが、洗練度の高いスタッフの中では非常に浮いているのですぐに見分けられる。 なぜ待たされたかというと、もう10年ほどになるだろうか、かなり前にした部屋の希望がまだ記録されており、それにマッチした部屋を用意していたのだそうだ。 それは、プールサイド(オークラではガーデンサイドと呼んでいるらしい)の禁煙室という条件である。そこは客室数が限られている上に、スタンダードルームは極めて少ない。もう今ではそうまでしてプールサイドを求めはしないが、今なお努力してくれるのはありがたいことだ。 用意されたスタンダードルームは、33平米。過去にも何度が利用したタイプだが、改装してからは初めて泊まる。内装は、以前よりもナチュラルで落ち着いた雰囲気になった。暖色系のファブリックが、華やかさと温かさを感じさせる。 だが、窓上の蛍光灯間接照明はまだ健在。これだけを消せればいいのだが、そうもいかないところも以前のままである。 壁紙の色調は割と濃い。やもすると鬱陶しくなる色だが、天井付近を白くして変化をつけたことで、ほどよく調和している。高さのあるベッドボードも効果的だ。 家具も新調されている。壁を向いた独立型デスクと大型のミラー。添えられたイスはマスタードカラーのレザー張りだ。収納キャビネットの上には32インチの液晶テレビが載っている。 窓際に置かれたソファはどっしりと大型だが、ひとつだけ。コーヒーテーブルは天然石トップで、比較的重たい。 ベッドはハリウッドスタイルに寄せて並んでいる。読書灯はまるで死顔を照らすスポットライト。この位置を照らされても、読んでいる書面は明るくならないのだが。 寝具は白いデュベカバーで覆われており、足元半分にはスローケットを掛けている。クッションと棒枕を添え、アクセントに。昔からの折鶴は今もそっと置かれている。 テレビ脇には銀の盆に載ったカップ&ソーサーがある。茶は、緑茶、ほうじ茶、紅茶が、それぞれティーバッグで用意してある。 テレビ下の引き出しには、ミニボトルリカーやグラスが入っている。その下は収納用の空引き出し。となりは冷蔵庫だ。 バスルームはほぼ以前のままが保たれているが、シャワーカーテン代わりのサッシ戸は、半透明のものから透明のものにとって代わった。壁と床は大理石仕上げで、ベイシンの天端にも天然石を使っている。以前頼んだエキストラのタオルは、今でも用意してくれているのだが、バスローブやアメニティまで2倍置かれるので、狭いバスルームは超満員だ。 トイレはバスタブとベイシンの間の狭い空間にある。シューシャインクロスをトイレの脇にセットすることは廃止した様子。以前は、まるでサニタリー袋のようにして、トイレの背後に下がっていたものだ。 オークラのバスタブといえば、奥に少々のゆとりスペースがあるという印象だが、この部屋の場合は横幅ギリギリという感じ。これでサッシを閉じると、閉そく感がある。 客室の清掃、メンテナンスはほとんど完璧な状態が保たれている。こうした点でも、さすがオークラと認めるしかないようだ。室内の静けさも申し分なかった。 屋外プールは子ども連れも多いが、それでも騒々しい雰囲気にはならない。明らかに客層が違うのである。水質の良さはホテルプールでも群を抜いており、8月末になってもまだ高い透明度を保っている。ゆっくり泳ぐなら、午前中が狙い目のようだ。 夕食は「ダイイングカフェ カメリア」で、プロモーションの中の冷製アジアンヌードルを試してみた。ゴマの風味が効いたベトナムのフォーという感じで、さっぱりとした味わいが気に入った。だが、盛り付けは写真とはずいぶんと異なり、粗雑な印象。オークラでもサギ画像を使うのかと、少々びっくり。 デザートはオーソドックスなメニューの中から、ピーチサンデーを。こちらはフレッシュなピーチを使い、とてもさわやかで好印象だった。サービスも素晴らしい。 朝食は「テラスレストラン」で。早い時間に行ったので、ガーデンの見える窓際に座ることができた。品揃えよし、味よし、サービスよしと三拍子そろっており、ホテルで朝食をとっているという実感があった。 朝食を終えて部屋に戻る時、ちょうどガーデンウィングから出てきた海軍の高官と思われる一行とすれ違った。純白の制服をまとい、自信に満ちた表情を浮かべ、スーパースターでさえ及ばないような強烈なオーラを放ちながら、笑顔を残して去って行った。印象に残ったものは、威厳よりも、ヒーローのようなカッコよさであった。 |
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