2003年5月28日 |
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ホテルオークラ Standard Room | |
楽-3 ZEN | |
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この日のオークラもまた静かだった。ホテルにとってはこの静けさはありがたくないだろうし、あまりにも閑散としている様子を見るのは忍びないと、一昨日に感じたばかりでああるが、逆にもし黒山の人だかり風に混雑を呈していたら、これまたオークラらしからぬ雰囲気になってしまうだろう。ほどよいということは、実に難しいものだ。オークラらしさのストライクゾーンは非常に狭い。
喧騒からオークラへ逃れてくると、その静けさのありがたみがよくわかる。パブリックスペースは、伝統的な色や素材を使い、照明も抑えられているので、禅にも通じた落ち着きが感じられる。ロビーに一瞬佇んだ時、ふと11年前の3月を思い出した。「ラ・ベルエポック」で食事をして、いざ帰ろうと思った矢先にひどい雨が降ってきて、タクシー乗り場は長蛇の列となり、ロビーは行き場を失った人たちで混みあっていた。それでも、ロビーの空気は乱れることがなかった。エントランスから時折伝わってくる雨のにおいを、今でもはっきりと覚えている。 客室はロビーに比べると、いささか色使いが派手だ。特に本館中層階は、装飾が賑やかな調度を使っている。しかし、周囲の音が漏れ聞こえることもなく、静かな環境でくつろぐことができた。バスルームを見ると、アメニティのパッケージが新しくなっていた。バーガンディ色のパッケージは高級感があるが、中身はむしろ経費削減をしたようだ。歯磨き粉の量も少なくなり、シャンプーとコンディショナーは20ミリリットルと、少量のボトルを採用した。ランバンの渋いボトルを使っていた頃が懐かしい。しかし、今回のシャンプーは国産ながら、ブランドの香水を思わせるような、複雑で豪奢な香りが楽しめる。 |
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[ホテルオークラ] 960915 981114 990807 990814 990906 991018 991030 000415 000503 000609 011103 011216 020601 030526 |
Y.K.