1998.11.14
ぼったくり
ホテルオークラ Standard Room
怒-3

世間では日本を代表する高級ホテルとして評価されている、ホテルオークラに宿泊した。神戸のオークラはよく利用するが、東京のはあまり利用する機会がない。今回は、時間の有効利用を考え、コンサートの開場にもっとも近い場所として、ここを選んだ。コンサート後、翌朝のリハーサル開始までの、ほんの短い時間のステイなので、気持ちよく眠れればそれでよかった。

本番を終え、ややボロ雑巾のようになって21時過ぎにチェックインし、部屋に案内され客室を見回すと、どうも狭い感じがする。予約の際確認した平米数とはずいぶん違うように思える。疲れているからかな?と思いながら、ドアに張ってある非常口の案内図を見ると、この階にはこれより小さな部屋はない。

フロントに電話をして、この部屋の通常料金を尋ねてみると、予約したタイプのものよりも随分と安かった。にもかかわらず、キーカードには予約した時の料金が記載されている。つまり、安いものを高く売り付けられていた。これを世間では「ぼったくり」と言うのではないか。予約した部屋と違うのではないかとフロントに電話をすると、「手違いでした」と言って、広い部屋に替えてくれた。

新しい部屋に案内されたのは22時。つまり、チェックインに1時間を要したことになる。手違いは仕方ないとしても、チェックインに1時間も掛かるようでは困るとナイトマネージャーに言うと、とんでもない言い訳が返ってきた。「今日は満室状態のため、予約時に希望の部屋が用意できないかもしれないと言ってあるはず」(それは実際には聞いていない。聞いていたら別のホテルに変更する)「部屋のやりくりに苦労して、本当は別のお客さまをご案内するはずだった部屋を用意したので、これからそのお客さまがご到着になると、困ったことになる」(正直に話してくれたことは評価するけど、それがぼくのせい?)云々。

だったら、チェックイン時に違った料金の部屋しか用意できないが、それでいいかと確認するくらいのことがあれば100歩譲ってもいい。でも、数日後からはアメリカ合衆国大統領閣下をおもてなしするような、すっばらしいはずのホテルが、予約通りの部屋を用意できないばかりか、その非を認めず開き直るところが、納得できない。

「とにかく、コンサートで疲れて早く食事をして休みたいと思って、このホテルを選らんだのに、チェックインにこれほど時間が掛かってしまって、もうレストランはどこも閉まってしまったじゃない。食事はどうすればいいんですか?」と言うと、「コーヒーショップがまだやっております。」と答えるだけ。ぼくはきちんとした食事がしたかった。5万でも10万でも構わなかった。それに、ラストオーダーをまだ少し過ぎただけの時間なのに、電話で確認することすらしてくれない。

仕方ないからコーヒーショップに行って、ジャイアント馬場さんの隣の席で、簡単なもの注文して食べた。レストランは感じがよかった。キビキビとした動きは、見ていて気持ちがいいし、よく気がつく。食事を終え、とにかく疲れていたので、何も考えないですぐに眠ることにした。

翌朝、チェックアウト時、朝のマネージャに昨夜の件を話すと、驚くと同時に丁重に詫びてくれたので、それでよしとしたかったが、改めてご連絡の上お詫びをしたいとまで言うので、どうなることかと思っていたが、それっきりなにも音沙汰がない。だったら、余計なこと言わなければいいのに。やると言った事をやらないのは、ウソツキだ。ぼくはそういうのが大嫌い。

Y.K.