体を動かせないとなると、気分も滅入ってくる。そんな沈んだ気分を少しでも変えようと思い、馴染み深いインターコンチネンタル東京ベイに6日間滞在することにした。医者にも近いというメリットに加え、水際の眺めが気持ちを癒してくれることを期待して。

到着は見事だった。ドアマンからベルマン、そしてゲストリレーションズへとスムーズに引き継がれ、いずれのセクションでもウェルカム感のあるサービスで迎えられた。特に親しみと礼儀正しさのバランス感覚は絶妙だ。顔なじみだからこその会話にも、歴然とした節度があるので、こちらも安心して接することができる。

部屋はいつも通りのデラックスベイビュールーム。いつものようにカスタマイズされ、加湿器、固形ソープ、多めのバスソルト、追加のアメニティ類などが、あらかじめセットされている。壁紙などにかなりの劣化が見られるものの、それでもなお部屋に入るだけで気分が落ち着き、我が家のようなくつろぎを感じさせてくれる。

だが、よいことばかりではなかった。せっかくの素晴らしい景観を台無しにするほど、窓が汚れていた。前に滞在していたのは子供連れだったのかも。であれば、こうした自体は容易に想定できるはずなので、いつも以上に注意を払って清掃しなければならない。この窓からの眺めをバックにプロポーズをした人もいるのに、もしその時、窓がひどく汚れていたら、その恋は破綻していたかもしれない。

また、スタンドの電球が白熱灯から蛍光灯になった。節電のために電球型蛍光灯を採用するホテルは少なくないが、普通は白熱色タイプを選ぶのではないだろうか。だが、ここでは限りなく蛍光灯色のものを使っているため、傷んだインテリアが一層ひどい状態に見えてしまっている。更に、あらゆるものの質感がワンランク低く見えてしまい、これではコストダウンどころか、イメージダウンだ。客室係に言って、電球に交換してもらったら、いつもの落ち着いた雰囲気が戻った。

今回の滞在中には、「C4U」を何度も利用した。この店がオープンしたての頃は、カジュアルなイメージが強く、落ち着いた食事には適さないと思っていた。だが、実際に利用してみると、カジュアルながらも、サービスにはホテルらしいエレガントさがあり、タイミングよく料理が提供されるので、値段以上の価値を感じさせてくれることがわかった。時折グループ客が入店して騒がしくなるが、普段は穴場的な雰囲気がある。オーダーメイドのバーガーや、ケイジャンチキンなどの定番メニューの他、季節ごとのスペシャルも用意される。そして、様々なフレーバーが選べるスムージーも、毎度の楽しみのひとつ。しばらくはこのホテルに来たら、この店で食事をすることになりそうだ。

クラブラウンジのカクテルアワーはいつも混雑しており、落ち着かない。だが、午後のひと時は空いているので、暖かい日差しにまどろみながら過ごすのが狙い目かもしれない。