1998.02.14
バレンタイン
「カリフォルニアキッチン&バー」ホテルインターコンチネンタル東京ベイ
哀-1

今日は、世の中ではバレンタインデイ。こんなお日柄だから、どこも割と早い時間から予約でいっぱいとのこと。ホテルインターコンチネンタル東京ベイのカリフォルニアキッチンアンドバーに、5時30分には退散するからという約束で席を用意してもらった。

嵐の前の静けさなのか、午後4時に入店してから、5時30分までは貸し切り状態。ところが、5時30分になるや否や、ものすごいい勢いで客が押し寄せてきた。それもそのはず、この日は5時30分から6時に入店か8時から8時30分入店のどちらかに予約が制限されていたからだ。

でも、皆さん時間ぴったりにやってきて、窓の外のレインボーブリッジを肴に、アツアツのご様子。ちょっぴりうらやましいのと、誰もバレンタインディナーに誘ってくれないさみしさで、「哀」。

それはさて置き、このカリフォルニアキッチンアンドバーは、今、もっともお勧めのレストラン。ちょっと店内のしつらえが安手すぎるのが残念だけど、それをカバーするだけのお値打ちのコース料理と、充実のカリフォルニアワインリストがある。窓際に席を取れば、東京湾を一望でき、都会的な食事が楽しめる。また、映画の入場券が当たったり、バドガールがやってきたり、面白いイベントがたくさんあるので、遊び心で出かけてみては?

1998.02.21
試食
「ラ・プロヴァンス」ホテルインターコンチネンタル東京ベイ
喜-4

この日は2月27日に催す「MY FAVORITE CLASSIC」の宴席料理を試食しに出かけた。場所はホテルインターコンチネンタル東京ベイのメインダイニング「La Provence」。土曜日のディナータイムでとても忙しい時間にもかかわらず、丁重に応じてくれた。

試食は宴会さながらに行われ、宴会のキャプテンがサービスに当たり、食器なども当日と同じ物を使用した。宴会の料理なんてどう頑張ったってたかが知れてると思っていたが、この日はシェフをはじめこのホテルのスタッフの意気込みに思いっきり脱帽した。

予算が限られているので、高級食材をふんだんに使うわけにはいかない。にもかかわらずどの料理も出来映えが素晴らしく、満足のゆく食事ができた。色彩、香り、相性など、素材を生かす方法が考え抜かれているし、創意工夫が随所に見られた。

高級食材なくとも、料理人の腕次第で洗練された料理が味わえることを改めて実感した。あとは、当日も本当に今日と同じクオリティーで提供されるのかが心配ではあるが、少なくともこの宴席にベストを尽くしてくれることは確かだと信頼できる。

Fondant de Foie de Canard et Mesclun de Salade aux Brioche
鴨レバーのフォンダンと香草サラダ ブリオッシュ添え

Raviori de Homard et St-Jacques Poele aux Legumes de Printaniere
オマール海老のラビオリと帆立貝のポワレ 春野菜添え モリーユ風味

Coeur de Filet de Boeuf au Vin de CHATEAU NEUF-DU-PAPE
牛ヒレ肉のステーキ シャトーヌフデュパープの赤ワインソース

Coquillettes aux Fraises
いちごのコキュレット

Mignardises
小菓子

Cafe
コーヒー

1998.02.27
赤ワインの受難
ホテルインターコンチネンタル東京ベイ Bay View Suite
哀-2

My Favorite Classicの当日。会場となるホテルインターコンチネンタル東京ベイに宿泊した。本番の日だけは自分へのご褒美としてトップスイートに滞在することがあり、この日は2401号室Bay View Suiteを予約してあった。全体としては160平米強で、さして広くないがバスルームが素晴らしい。

デラックスルーム一部屋分をそっくりバスルームに当てていて、グリーンの大理石をはりつめ、レインボーブリッジを望む窓際にジャクージを設置している。シャワーブースも同じ石張りで豪華だ。欲を言えば、一泊30万円もする客室なのだから、アメニティーは一般客室と同じものではなく、ブランド品の大きな石鹸やシャンプーなど、より贅沢なものを用意しておいてもらいたい。最近はアメニティー全客室共通というのがはやりのようだが、広い浴室で見ると小さい石鹸は余計に小さく見えてしまう。

この日は赤ワインに呪われていたのか、羽毛布団と絨毯に赤ワインを思いっきりこぼしてしまった。特に布団の被害は甚大で弁償は免れまいと覚悟を決めて申告したが、客室係が一生懸命しみを抜いてくださり、何とか再び利用できるようになったそうで安心した。万が一客室のものを壊してしまったり汚してしまったときは、いさぎよく一刻も早い機会に客室係に申告する方が良い。特に汚れについては早い方がはるかに落としやすいそうだ。反省の意を込めて「哀」。

リビング バスルーム

1998.03.20
ホテルからの贈り物
ホテルインターコンチネンタル東京ベイ Club Deluxe Room
喜-4

別に言いふらしていたわけではないのに、ホテルの方々は誕生日が近いことを覚えていてくれて、バースデーケーキと花束をくれた。頻繁に顔を出しているものの、ただの客にかわりないのだから、従業員が自分のサイフを開いてぼくに何かしなければならない理由はない。むしろ、いつもうるさいことばかりを言っているから、煙たがられているのではないかと思っていた。今日はシアワセ。

「サンセットラウンジ」
怒-4

そんなわけで上機嫌のまま、お茶を飲もうと思い、サンセットラウンジにでかけた。ここには、エイジアンスタイルのアフタヌーンティーというのがあって、中国菓子や点心が盛られてやってくる。これを箸でつまみながらお茶を飲むわけだが、アイディアとしてはおもしろい。ただ、一般的なアフタヌーンティーの感覚からすると、ボリュームに欠けるような気がする。そのくせ高い。

そして、従業員の質が極めて悪い。このホテルでは最悪の店だ。会計時、担当した女性は一度も顔を合わせることもなくぼそぼそとした口調で、かったるそうにしていたし、黒服の男性は頬杖をついたまま、客が目の前を通って帰ろうとしているのに何の声も掛けない。今時、市役所の窓口やタクシーの運転手ですらこれ以下の対応ということはないだろう。

支配人にひとこと言っていこうかと思ったが、せっかく気分よくしてくれた人たちが働く同じ建物で怒るのも馬鹿らしくなってやめた。感動をくれたのも癇癪を引き起こしたのも同じ組織の人間なんだなぁ。客が帰る時くらい、お愛想でもいいからにっこりしながら「ありがとうございました」くらい言え!

1998.03.29
辰巳琢郎氏を囲む春の味覚とクラシック音楽の夕べ
「ラ・プロヴァンス」ホテルインターコンチネンタル東京ベイ
楽-4

メインダイニングで、辰巳琢郎氏を囲んでのイベントがあり参加した。シェフが腕を振るった料理一皿ごとにワインをカップリングし、さらにその料理に合った選曲でギター・ピアノ・フルートの演奏が入るというユニークで贅沢なイベントだった。

料理と音楽をそれぞれ楽しむのも、それぞれをより深く堪能する意味で素晴らしい体験だが、これらを同時に味わい、料理と音楽が相乗効果で盛り上がっていくさまを目の当たりにするのも、とてもいい経験になる。このイベントを発案したシェフソムリエの渋谷康弘氏に大きな拍手をおくりたい。

ハブーコ産の生ハム/JAMBON DE JABUGO
Cava Delapierre Rose Semi Seco
シチリアーノ(フォーレ)

半熟卵のキャビア添え/OEUF MOLLET AU CAVIAR
La Grande Cuvee Graves 1995
亡き王女のためのパヴァーヌ(ラベル)

ポルチーニ茸入りのラビオリ/RAVIOLINI AL FUNGHI
Vermentino di Gallura Riserva 1994
乾杯の歌/女心の歌(ヴェルディ)/サンタルチア(イタリア民謡)

ビールスープ/BIER SUPPE
Hallburger Schlossberg Kabinet Trocken 1995
トロイメライ(シューマン)/管弦楽組曲「ポロネーズ」(バッハ)

赤座海老のロースト ガーリック風味/CIGALA A LA PLANCHA CON ALI-OLI
Rioja Agessimo 1980
アンダルーズ(ベザード)/アルハンブラ宮殿の思い出(タレルガ)

最上級和牛フィレ肉のポワレ ロッシーニ風/TOURNEDOS ROSSINI
Brunello di Montalcino 1986
ジムノペディー第一番(サティ)

フロマージュ/PLATEAU DE FROMAGE
Chateau Musare 1989
シュリンクス(ドビュッシー)

グランデセール/GRAND DESSERT
Royal Tokaji Aszu
ハンガリー田園幻想曲(ドップラー)

コーヒーまたは紅茶/CAFE ou THE
アンコール/メヌエット(ビゼー)

1998.04.13
ワインセミナー
「ラ・プロヴァンス」ホテルインターコンチネンタル東京ベイ
楽-3

ワインブームで今や時の人となってしまったソムリエ渋谷康弘氏。彼が講師を務めるワインセミナーに参加した。以前から参加してみたいと思っていたが、いつも満員御礼で第6回目にして初参加となった。今回のテーマは「春に楽しむ赤ワイン」。基礎知識から懇切丁寧にゆっくりと説明してくれる。

産地の概要、生産の過程の説明の後、いよいよテイスティング。色調、香りの印象、味覚の印象を比べ合い、料理との相性について考える。味わいながら、始めの説明にあった産地や生産過程についての知識と結びつけて、それぞれのワインの持つ味わいの由来について知る。

どのような事柄でも、本質や核心に触れれば、より理解が深まり楽しくなる。ペンを片手にメモを取りながら講師の話しに聞き入るのは大学以来だった。ホテルのメインダイニングで優雅な雰囲気の中、非常に手ごろな価格で参加できるとあって、満員なのもうなずける。一緒に参加したソムリエ真弓敦氏は早速第7回、第8回の予約を入れていた。

1998.04.26
ジャン・マルク・バンゾー氏の美食の祭典
「ラ・プロヴァンス」ホテルインターコンチネンタル東京ベイ
喜-4

今年もバンゾーシェフの料理を堪能できるチャンスが巡ってきた。今回は会食形式で行われるイベントがあったので参加してみた。料飲部長とバンゾーシェフの楽しいおしゃべりに始まり、シェフ自身による料理の解説と、ソムリエ渋谷氏によるワインの解説があり、味わいながらも知識を深めるいい機会となった。

料理はハーブをふんだんに使った豊かに香り立つ皿が続き、期待を裏切らない。素材はプロヴァンス地方なら誰でも手に入れることができそうな日常的なものだが、創意工夫によって見事な料理に仕上がっている。

また今回忘れてはならないのはジャン・ピエール・ペラン氏がセレクトしたと言うワイン。シャトーヌフデュパープの貴重なボトルを一度にこれだけの種類を味わえる機会はまたとないかもしれない。同じ銘柄のワインをビンテージ違いで3種比べてみたが、どれもそれぞれに個性があり、その年々の天候や収穫条件を反映している。

UN DINER AVEC LE CHATEAU DE BEAUCASTEL

Cotes Du Rhone Blanc Pierre Perrin 1996

Chateau De Beaucastel Blanc 1994

Chateau De Beaucastel Rouge 1989

Chateau De Beaucastel Rouge 1988

Chateau De Beaucastel Rouge 1990

L'assiette De Petites Amusettes Provencales
プロヴァンス伝統のアミューズ5種盛り合わせ

Charlotte Croustillante De Brousse Fraiche Du Pays D'aix
Mikado D'asperges Vertes En Sauce Onctueuse L'huile D'olive
アスパラガスとエックス・アン・プロヴァンス産
フレッシュチーズのクルスティアン オリーブソース

Rouget De Roche Facon Becasse
Petits Artichauts Poivrade Fourres En Barigoule
ヒメジのポワレ アーティチョークポワブラートの
バリグール仕立て ベガス風

Canon D'agneau De Lait Roti En Croute Dherbes
Rates Fourrees Et Panoufles Confites Au Thym
シストロン産仔羊背肉のパートフィロ包みロースト 香草風味

Chevre Frais Fermire Aux Aromates
Pain Nicois Au Romarin
フレッシュシェーブルチーズの香草風味
ニース風ローズマリー風味のパン添え

Puit Sable Croustillant De Fraises Marinees Aux Epices
Chocolat Blanc Et Creme Legere Au Basilic
ホワイトチョコレートの軽いムース バジル風味
数種のエピスに漬け込んだ苺とサブレ添え

Infusion Glacee A La Fleur De Thym Et Citronelle
Granite Au Marc De Provence
ハーブのグラニテ タイムの花とレモン風味
プロヴァンス産マールのグラニテ

1998.05.13
ジャン・マルク・バンゾー氏 in Tokyo 最終日
「ラ・プロヴァンス」ホテルインターコンチネンタル東京ベイ
楽-2

期間中もレストランウェディングが盛んで、この日のディナーにしか再訪のチャンスがなかった。それも9時に近くなってからの入店で、最終的にはほとんど午前様になってしまい、スタッフに迷惑を掛けた。最終日で、翌朝には故郷に帰るというバンゾーシェフを交えての懇親会を控えていたそうで、重ねて迷惑な客だったにちがいない。

コース料理は昼夜ともにすでに楽しんでいたので、アラカルトでオーダーした。ハーブを大胆に使う発想が素晴らしく、力強さを感じる料理だが、年々日本人のテイスト合わせてアレンジされるようになっているのが残念だった。聞くところによると、催しの初日に近い方がバンゾー氏のレシピに忠実で本来の味に近いそうだ。

一緒に味わった赤ワイン・オマージュドジャックベランは時間をかけて開花する香りがとても豊潤で印象に残る。この日はほとんど身内客で占められ、料飲部長ファミリーや、20階ゲストリレーションの女性たちなどが、このプロモーションを楽しんでいた。

1998.06.11
ミシュラン3つ星シェフの料理を山本益博氏とともに「ベルナール・ロワゾーの料理を楽しむ夕べ」
ホテルインターコンチネンタル東京ベイ
喜-4

ロワゾーさんと

PANNEQUETS ET ESCARGOTS
鴨のパヌケとエスカルゴのペルシャード アニス風味フライ

SOUPE FROIDE DE PETITS POIS
ET SA QUENELLE DE CHEVRE A LA MENTHE ET AUX LARDONS

プティポワのスープ仕立て
ミントとカリカリベーコン入りシェーブルチーズのクネルの浮き身

TERRINE DE VOLAILLE AU FOIE GRAS
ET A LA TRUFFE SA PETITE SALADE D'HERBES

仔鳩とホロホロ鶏胸肉 フォアグラとトリュフのテリーヌ 香草サラダ添え

ROUGET POELE, SAUSE AU FENOUIL ET ARTICHAUTS POIVRADES
フランス産ヒメジのポワレ フヌイユソースとポワブラートというアザミ添え

PANACHE DE VEAU DE LAIT AUX GIROLLES ET AUX POMMES DE TERRE
乳飲み仔牛ロース肉とリドヴォーの取り合わせ ジロール茸とポテト添え

FROMAGES AFFINES
フランス産熟成チーズ

ANANAS POELE ET SORBET AUX FRUITS DE LA PASSION
パイナップルのポワレとパッションフルーツのシャーベット

MILLE-FEUILLE DE FRAMBOISES ET SA GLACE AU YAOURT DE BREBIS
フランボワーズとブルビヨーグルトのアイスクリームのミルフィーユ

PETITS FOURS ET CHACOLATS
小菓子の盛り合わせ

CAFE
コーヒー

Champagne Perrier-Jouet
Puligny-Montrachet 1er Cru Les Pucelles 1993
Corton-Charlemagne Grand Cru 1993
Batard-Montrachet Grand Cru 1993
Volnay 1er Cru Fremiets 1993

神戸の店が閉じられてから彼の料理を日本国内で味わうチャンスは極めて限定されている。普段の彼の料理に対しては何一つ注文をつける部分などないが、今回はホテルの宴会場に付帯した小さな調理場で110名分の食事を一度にこしらえるとあって、いったいどのような会になるのかかえって興味をそそられた。

この環境で彼の口癖でもある「パーフェクト」な料理が出てくるのだろうかと不安もあった。さすがに、本場ソーリューで味わうのと「同じ」とはいかない。火力の問題か、事前の打ち合わせの不足か、はたまた彼は厨房にいなかったのか、本物のロワゾーワールドを知っているものにとっては、首をかしげざるを得ない部分も多かったろう。

しかし、今回は催しそのものに大きな意味があったと思う。この料理を実際に味わったぼくたちが得たものよりも、今回この催しに携わった多くの料理人やサービススタッフが受けた影響の方がはるかに大きく、また日本のレストランの未来にとって意味の深いものだったはずだ。

ワインもまた素晴らしかった。上のリストを見れば少々のワイン通ならうならずにいられまい。それが、Olivier Leflaiveだと知ればなおのことだろう。また、ロワゾー氏と握手を交わすたびに思うことだが、あの大きくてふっくらとした手からこの料理が作り出されるのかと思うと妙に納得してしまう。それ程に力強く存在感のある芸術家の手だ。彼の料理を好きな時に東京で味わえるようになることを願ってやまない。

ミルフィーユ

1998.09.23
ヘルシーなカリフォルニア料理
「カリフォルニアキッチン&バー」ホテルインターコンチネンタル東京ベイ
喜-3

以前から割と気に入っていた、カリフォルニアキッチン&バーが若干雰囲気を変えてリフレッシュした。以前のカジュアルな雰囲気はそのままに、料理がぐんとグレードアップしたが、価格は余り変えていないので、お値打ち感が増した。

夜の6,000円のコースはプリフィクススタイルで、アラカルトメニュの中から好きなものを選んでコースを組み立てられる。一皿一皿ボリューム感のあるしっかりとした盛り付けで、西海岸のイメージの大胆な料理だ。味付けは比較的軽めのネオイタリアン風で、カロリーを気にしている人でも、おいしく食べられる。

他に類を見ない豊富なグラスワインは訪れるたびに新鮮な出会いをもたらしてくれるし、オリジナルのヘルシーなイメージのノンアルコールカクテルは店の人も止めた方がいいと言っていたものの、ぼくにはとてもおいしく感じた。サービスは明るく気さくな感じで親しみやすい。エントランスからすぐのところにはワインバーのコーナーも設けられている。

ホテル内のレストランにしては、安手なつくりが今一つ気になるところだが、コンセプトにはマッチしているし、値段を考えれば町場のレストランよりは、清潔で安定感があるだけ利用価値が高い。この時はキャンペーン期間で、会員はコースメニュを1名分無料にしてもらえるので、2人で出かければ半額という計算だ。11月末までのこの期間を見逃す手はない。

Y.K.