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ホテルニューオータニ Garden Tower Standard Room | |
Hotel New Otani | 2010.10.10(日) |
東京都千代田区 | 楽-3 |
ARCHIVES ・ 1992 |
低層階から見るガーデン ニューオータニはとにかく広い。本館、タワー、ガーデンコートの3つの建物を端から端まで歩けば、かなりの距離だ。そのスケール感の中、人々が集い、憩い、住まう姿は、ホテルがひとつの都市である様子さえうかがわせる。 この日、到着したのは本館「ザ・メイン」の車寄せだった。翌日から上海へ向かう予定のため荷物が多く、ベルの助けが必要だったが、若いベルは親切かつ勤勉で、とても頼りになった。だが、気が利くというところまで至らなかったのは、1泊だけのケチな客だからか、宿泊客の3分の1を占めるというニューオータニクラブメンバーでなかったからか。 荷物を預けてからはすぐに外出し、チェックインは帰って来てからタワーのフロントで行った。その旨、荷物を預けたベルに伝えてあったのだが、しばし荷物は行方不明になってしまった。タワーのベルが慌てて探し、しばらくの後に見つかったのだが、本館にもタワーにも所定位置にはなかったというのだから、いったいどこにあったのだろう。 まあいい。それにしても、フロントの無愛想さといったら。ニコリともせず、思春期特有のかったるそうな態度そのもので対応されると、こちらも気分が萎えてくる。第一、思春期などとうの昔に過ぎ去っただろうに、何をそんなにふてくされているのか。毎度毎度不思議で仕方がない。 ザ・メインの方は、全体に高級感の漂うグランドホテル的な雰囲気。季節の花に溢れ、空間の使い方にもゆとりが感じられる。 一方のタワーは機能重視のデラックスホテルの設えで、アクティブなビジネスシーンがよく似合う。多くの箇所は改装が済んでいるが、一部に昔ながらのレトロな意匠が残り、それが興味深い。 フロントも、広く高級感のあるザ・メインのものに対し、タワーのは小ぢんまりとしている。タワーでの宿泊であっても、ザ・メインでチェックイン可能なので、気分で使い分けるのもいい。 タワー客室へのエレベータは高層階用と低層階用に分かれ、それぞれ3基ずつある。昔ながらの「チ~ン!」という到着ベルの音が懐かしい。エレベータホールもまた、レトロな雰囲気だ。 タワー客室階廊下は、改装の時期とフロアコンセプトによって、同じホテルとは思えないほどテイストに開きがある。今回は低層フロアだったのだが、グレードの低いフロアとされているのか、最も装飾性が少なく、さっぱりとした内装に見える。だが、むしろこの方が上品にも感じられる。 用意された客室は、タワーの客室フロアとしては最も低層階にあるスタンダードルーム。条件が悪いように思うかもしれないが、向きによっては好条件だ。この場合、向きはガーデン側に限る。それ以外の向きだとろくなものは見えないが、ガーデン側であれば、どの部屋よりも近くにガーデンを眺められるのだ。 客室の内装は、これまでに見慣れたタイプ。イスや壁紙に鮮やかな色彩を配し、明るくポップな印象を与えるが、照明は抑え気味で、夕方以降はなんとなく薄暗く感じた。 照明にスタンドの類はひとつもなく、すべてダウンライトである。ハロゲンを多用した、コントラストの強いモダンな照明だが、電圧が不安定なのか、すべての電球がちらちらとわずかに明滅し、気になって仕方がなかった。 ベッドは110センチ幅で、ダクロン風寝具の上下にシーツを当てている。マットレスの感触は並の下。枕もポリエステル系。就寝中に寝具がずれやすいのも難点だ。 デスクは壁に向かったカウンタータイプ。湯沸かしやティーセットも置いてある。ミラーは横長で、木目の縁が壁とマッチしている。デスク脇にはチェストがあり、32インチ液晶テレビが載っている。かつては、古い家具も手入れして大切に使っているという印象があったが、この部屋に限っては、ずいぶんと傷が目立ち痛々しい。 窓際にはローテーブルとふたつのアームチェアがある。この部屋は、建物のカーブに沿って窓の辺りが若干広くなっているため、アームチェアが並んで置かれているが、通常はテーブルを挟んで向かい合っている。 窓は上部の両端が丸くなっており、優しい印象だ。窓の向こうに見えるのは、ニューオータニ自慢のガーデン。その向こうには新宿の高層ビルが摩天楼のように連なっている。ニューオータニのガーデンと赤坂御所の緑が重なり、まるで森の中から都会を見るような感覚だ。 すぐ下を見れば、池に泳ぐ鯉の模様まではっきりと判別できるほど庭が近い。眺めという点に限っては、この部屋がタワーで最も好条件であることを実感できる。 デスクの下の冷蔵庫には、各種飲みものが用意されているが、ミネラルウォーターを含めすべて有料で、割高感が否めない。冷蔵庫上の引き出しにはミニボトルが入っている。 バスルームはユニット式だが、ユニークで凝った内装が施されており、この広さのバスルームとしては完成度が高い。 ベイシントップにはグリーンの大理石を使い、ベイシンボウルにはハロゲンの鋭い光が当たるようになっている。左脇にはガラスの棚があり便利。前のミラーは、モザイクタイル風のふちどりが印象的だ。 ベイシンの下にもガラス棚があったり、トイレの背後にも棚状の窪みを設けるなど、狭い空間ながらに物の整理には不都合がない。テラコッタ風の床も効果的だ。 バスタブにはサーモスタット付きカランを設けている。ただ、バスタブの内側は清掃不足でひどく汚れていた。 バスアメニティはブラックのパッケージに入り、黒いトレーやガラス棚にまとめられている。シャンプーや歯ブラシの品質もよく、高級ホテルらしさが感じられるのがいい。 夜、館内を歩いていたら、ねこに遭遇した。扉が開いても館内には入りたがらない。分をわきまえているのか、単にニューオータニが嫌いなのか。謎。 |
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