2005.11.06.(日) |
|
ホテルニューオータニ Standard Twin Room Hotel New Otani |
|
喜-3 気分をよくするチカラ | |
|
|
冷たい雨。チェックインを担当した女性の係は、もっと冷たかった。間違いがあったわけではないが、アンドロイドのような雰囲気。前回が好印象だっただけに残念だった。ホテルがこれだけ大きければ従業員の性格も様々だろうが、接する態度がこうも違うのは感心しない。
用意された客室はタワーのエレベータホールから近いスタンダードルームだった。だが、建物の形状のために、窓の付近がやや斜めになっていて、その分わずかながら広いタイプだった。梁が迫った横広の窓はミニチュアの舞台を思わせ、カーテンが開くと人形劇が始まりそうな滑稽さが伺える。その窓からは平河町方面を望むが、この日は雨に煙って何も見えなかった。 外が真っ白では、眺めるものがない。ふとブルーのカーペットに目を落とすと、あちこちに白いスポットが付いているのが見えた。泥汚れかと思ったが、どうやら染みらしい。いったい何の染みだろう。だが、その他の清掃はよく行き届いており、概ね快適に過ごすことができた。 バスルームも、いつも見慣れた内装だが、ベイシンの上にハロゲンのダウンライトが設けられているタイプだった。このダウンライトは、同じタイプであっても、すべての客室に備わっているものではない。だが、せっかくスポットライト的な役割を果たすはずのダウンライトなのに、カバーが埃で曇ってしまい、光を十分に透過させなくなっていた。そのカバーを取り外してきれいに拭いたら、ベイシンは見違えるように明るくなった。 また、バスタブのカランが不調だった。長時間バスタブに浸かっていると、次第に湯温が下がってしまうので、途中で熱い湯だけを足して温度を調節することがある。ここのバスタブのカランには、サーモスタット機能が付いていて、ハンドルを回して湯温を調節する。火傷事故を防止するために、途中にストッパーが設けられていて、それよりも高温にするためには、ストッパーを解除するためにボタンを押しながらハンドルを回さなくてはならない。だが、ここのハンドルは故障しており、ストッパーよりも高温に回らないため、熱い湯を出すことができなかった。 翌朝には雨が上がり、美しい朝日を見ることができた。しかし、今回の滞在そのものは、マイナスポイントも多かった。それをひとつずつ振り返りながら、チェックアウトに向かった。ところが、担当した30代の男性が、あまりに素晴らしく、それまでの悪い印象が吹き飛んでしまった。彼は当然のことをしているに過ぎなかったが、言葉や態度のひとつひとつに自然なホスピタリティが溢れており、それは人の気分を自然とよくする力を秘めていた。彼に見送られた客は、きっとまたニューオータニに泊まりたくなるだろう。態度がどれほど印象を左右するか、いい例を見せてもらった。 |
|
|
|
[ホテルニューオータニ] 930327 930814 950130 980828 010113 011007 011026 011124 020706 020720 021207 040313 050702 |
Y.K.