ストリングスホテル東京インターコンチネンタル Deluxe Room
The Strings by InterContinental Tokyo
2009.02.17(火)
東京都港区
哀-5

ストリングスベアが出迎える正面玄関車寄せ
 
ボディスナッチャー 正面玄関から26階のフロントまで案内してくれたのは、韓国人のドアマンだった。韓流スターほどの美形ではなかったが、すらりと背が高く、同じアジア人でありながら日本人にはない流麗さを持っていることを感じさせた。

フロントには見覚えのない係ばかりが立っており、瞬時に雰囲気の異変が感じられた。いったい何があったというのか。この1年で、ストリングスは激変してしまったようである。

以前なら、やわらかく包み込むような出迎えで、我が家に戻ったようなくつろぎを与えてくれ、それにどれだけ心地よさを感じたことか。それは異国から戻る際に、ボーディングブリッジを渡り、ファーストクラスのキャビンに踏み入れた時の感覚によく似ていた。だが今では、よそよそしく陰気な対応しかしてくれない。まるで、毎朝笑顔で挨拶を交わしていた仲間から、急に無視されるようになったかのような苦い思いが胸にあふれそうだった。

後刻、フロントを通り過ぎる機会は何度かあったが、その際も係はまったく顔さえあげようともしない。かつては遠くからでも目が合えば、会釈があったり微笑み返されたりと、何かしらの挨拶らしき仕草が見られたものだ。それが今では、知らない間に宇宙人がやって来て、スタッフたちの体と心を乗っ取ってしまったかのようである。

どうやらその宇宙人はインターコンチネンタル星からやって来たらしい。全日空ホテルからIHGになり、客のニーズに応えつつリピーターを大切にするサービスから、新規客の獲得ばかりに執着するシビアでドラスティックな運営へと一変した。その結果、サービスマインドのあるスタッフからどんどん辞めて行った。

全日空とインターコンチネンタルは手を携えたかのように見えるが、実際は全日空が乗っ取られたようなもので、全日空色はどんどん消えてなくなりつつある。全日空には野暮ったいところもあったが、どのセクションにも人間味が溢れていた。

だが、今やサービス業ではなく投資会社へと変貌したインターコンチネンタルには、客の喜ぶ顔を見て自分の士気を保つような気風はない。この社にとってホテルとは、客の満足のためではなく、投資家の利益のために存在するのである。この発想と環境では、客がバカを見る。そして、更にバカを見るのは真面目な従業員だ。その辺のことは従業員にも同情しないでもないが、客としてはどこかで見切りをつけなければ、いつまでも損をし続けることになりかねない。

今回はプライオリティクラブのポイントを使っての無料宿泊。タダではあるが、コツコツと貯めた40,000ポイントを投じての滞在だ。こうしたポイントでの無料滞在に際し、一番サービスが悪いのもIHGである。ヒルトンやハイアットは、無料特典宿泊でも、エリート会員特典を併用できるので、いつも通りのアップグレードやベネフィットが提供されるが、IHGはアップグレードの対象外となる。

そんなわけで、今回はクラブフロアではなくレギュラールームが用意された。ケチケチせずにアップグレードすればいいのにと、いささか不満ではあるが、決まりなのだから仕方がない。そう思っているところに、係はダメ押しするがごとく「今回は特典での宿泊なので、アップグレードの対象外となります」ときた。

まったく余計なことを言うものだ。開業以来の数々の無礼を思えば、ルールがどうであろうと、毎回アップグレードされても足りないくらいだと思っているのに。だが、今回は黙っておこう。その代わり、余計な出費は一切しない。食事も館外へ出かけることにする。

以前は4方向のうち1方向側がクラブカテゴリーだったが、今では31階と32階の2フロアがクラブフロアになった。今回30階の元クラブカテゴリーだった部屋が用意された。ベイビューの一番眺めのいい向きとされていたが、次々にビルが建ち、今となってはむしろ眺めの悪い向きとなってしまった。

ベッドリネンが生ごみ臭いこと、バスタブ内側が垢だらけなこと、照明器具に埃が付着していることなど、衛生面でも不満が残った。以前は赤坂の全日空ホテルよりもこちらの方が高級とされていたが、今では実力が逆転している。

 
夜のデラックスルーム室内 ベッドの幅は120センチ スローケットの上にはクッションが載っている

デスク側 ポップアップミラー 今夜のストさんとチョコレート

ウェルカムアメニティ ミニバー引き出し 冷蔵庫内

ベイシン 洗い場付きバスルーム 照明器具に付いている埃

ベイビュー側だがビルばかりの景色 正面玄関車寄せ ロビーへと通じるエレベータ

ロビーへのアプローチ フロントロビー アトリウムのフラワーアート

 ストリングスホテル東京インターコンチネンタル(公式サイト)
 以前のレビューはこちら→ 030525 030907 030917 031002 031103 040112 040224 040324 041226 050703 050723 060101 061228 070324 070519 070624 070902 080101


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