チェックイン
2007.09.02(日)
ストリングスホテル東京インターコンチネンタル Club InterContinental Deluxe Twin Room
The Strings by InterContinental Tokyo
喜-2

早朝の東京ベイ 心のこもった丁寧なサービス。それがここストリングスホテルの最大の魅力だった。初めて利用した時は散々な思いをしたし、レストランでは今でも首をかしげることが多いが、繰り返し訪れているうちに宿泊部のスタッフとは次第と打ち解け、ツボをおさえたサービスをしてくれるようになった。親しみはあっても節度をわきまえており、その距離感が心地よかった。

だが、そのサービスを率いる熟練のスタッフが、どんどん減ってしまい、顔がわかるスタッフは数人しかいなくなってしまった。いつも出迎えていてくれた人の姿が見られなくなるというのは、これほど寂しいものなのか。物言わぬインテリアや空気すら、なんだか急によそよそしくなったように感じられる。やはりホテルは人なのだ。この日のチェックインも丁寧に行なわれ、なんら不足はなかったのだが、このホテルが掲げてきた「心の琴線に触れる」という域には達していなかった。

「実務」に問題がなければそれでよしという考え方もあるが、それではあまりに味気ないのではないだろうか。旅人の心を解きほぐすのに、特別な仕掛けは必要なく、ちょっとした心掛けで実現できるはずだが、それが昨今非常に難しい課題になってしまっている。チェックインは単なる手続きではない。気持ちを通い合わせる挨拶の場であり、ホテルにとっては客の求めているサービスの濃度や客のコンディションを把握する絶好の機会となるし、客にとってはそれらをアピールするのに最適なタイミングとなるはずだが、どちらもそのチャンスを逃しているように思えてならない。

今回の客室はクラブインターコンチネンタルのデラックスツイン。クラブカテゴリーはインターコンチネンタルになる前から存在するが、インターコンチネンタルに変わった際に、そのサービス内容が一層充実した。朝食、エキストラアメニティ、ミニバー無料、室内備品のグレードアップなどが以前からあったもので、それに加え、夕方のカクテルアワーと、ランドリーやプレスの無料サービスが利用できるようになった。だが、客室そのものにほとんど違いはなく、シンプルな滞在ならばクラブルームでなくても十分にも思える。

しかし、客室からの眺めに重点を置くなら、クラブルームを選択することはある意味保険にもなるだろう。レギュラールームの場合、客室は3方向に面しており、そのうち2方向は眺めが遮られている。クラブルームならば、絶景とまではいかないまでも、閉塞感のある方向の眺めに比べたら格段にマシな眺望が確約される。ところが、レギュラールームの残り1方向は、品川駅越しに東京都心のパノラマを望む開けた眺めが楽しめ、この方向が一番ダイナミックでいいように思う。レギュラールームを選択した場合、眺めのいい部屋になる確率は3分の1というわけだ。

朝食は混み合うこともなく、ゆったりとしたいい雰囲気の中、くつろいで食事をすることができた。美味しい野菜、食べごろのチーズ、沖縄からのマンゴやドラゴンフルーツなど、他ではあまり出会えない食材も多く、東京でも屈指の充実した朝食だ。チェックアウトを担当したのは古くからいるスタッフだった。彼はフロントカウンターから出て、エレベータまで見送ってくれた。深く頭を下げたその真摯な姿勢は、確かに琴線に触れた。

 
客室全景 デスク周辺 今日のストちゃん

クローゼットにはガーメントケースも用意されている すべて無料だがレギュラールームとは内容が異なる こちらのミニボトルも無料

 
ストリングスホテル東京インターコンチネンタル 030525 030907 030917 031002 031103 040112 040224 040324 041226 050703 050723 060101 061228 070324 070519 070624


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