シェラトン・グランデ・トーキョーベイ・ホテル Club Level Room |
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Sheraton Grande Tokyo Bay Hotel |
2008.09.05(金)
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千葉県浦安市 |
哀-4
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留学生ドアマンの思い出 | まだ真夏のような日差しが照りつける金曜日の午後、舞浜のテーマパーク周辺はいつもながら多くの人々で賑わっていた。ただ人出が多いだけでなく、それぞれがワクワクとした高いテンションを放っているものだから、まるでスーパースターのライブかスポーツの決勝戦直後のような雰囲気がある。年末に向けて景気に暗雲が漂いつつあるのに、ここだけはやっぱり年中お正月だ。そしてやっぱり、真夏のようなこの日差しが良く似合う。
シェラトン・グランデのアプローチには、緩やかな斜面を流れる大きな滝が設けられている。車で差し掛かると気付く間もなく通り過ぎてしまうが、もし天気の良い日にリゾートライナーのベイサイドステーションからアクセスするなら、バスを使わずに歩いて向かうことをお勧めしたい。ベイエリアのさわやかな風と、この滝が放つ水しぶきの音は、この地の開放感と見事にマッチしており、このホテルで待ち受けているエキサイティングな休日を予感させる。 だが、経験からして、あまりに高い期待を抱くのはよろしくない。このアプローチを進む時は、今でも開業当時と同じくワクワクさせられるのだが、それが出発まで持続することはもはやなくなった。開業当時はワクワク感が持続するどころか、帰る時にはもっと気分を盛り上げてくれたものだ。その頃のような体験は、もう二度とないだろう。 今回は、あえてアプローチの下でタクシーを降り、ゆっくりとした歩みで、なだらかな坂の脇に設けられた階段を上ってみた。見上げれば、S字型のホテル棟がダイナミックにそびえ、バルコニーの曲線が波のひとつひとつのように見える。 開業当時、正面玄関には外国人留学生の若いドアマンがいた。まだ少年のようなあどけなさを残してたが、ユニフォームが長身によく似合っていた。彼には天性の才能があり、訪れる客はその笑顔を向けられるだけで、大層歓迎されていると感じることが出来た。そして、言葉数は少なく、ちょっぴりシャイな振る舞いが人柄を示していた。 そんな彼が帰国することになった時、たいした会話もしたことないのに小さなキーホルダーを記念にくれた。おそらく見覚えのある客には、くまなく配っていたのだと思う。そのキーホルダーは、今でもシェラトンタワーズの思い出の品と共に保管してある。他には、革製のルームキーケースや、プラスチックケース入りのソープや、ダンヒルのアメニティキットなどがあり、それらを見る度に当時のラグジュアリー振りが思い起こされる。 正面玄関車寄せの雰囲気は、今も当時とそれほど変わっていない。ドアマンのユニフォームを着ているのは若い日本人の女性だが、彼女も彼女らしい笑顔を振りまきながら、とてもいい雰囲気で客を迎えている。エントランスを抜け、すっかり様変わりしたロビーへと足を踏み入れた時、ちょうど顔馴染みの係と鉢合わせた。 これはグッドタイミング。待たされることなく、すぐにチェックインしてもらえるだろう。だが、それは甘かった。愛想はいいが気は利かない。まるで臨月の妊婦を扱うようにバカ丁寧な態度でイスを勧め、そこに座って順番を待てと言われ待つこと10分。やっとチェックインが終わったが、「ごゆっくりお過ごしくださいませ」と言われたっきり、部屋への案内も省略された。案内はなくても困りはしないが、「いかが致しましょうか」くらいの気遣いは見せて欲しかった。 用意された部屋は前回とまったく同じ。部屋に入るなり、ムッとしてなんとなく臭い空気が鼻を突いた。まずは換気しようと窓を開け、バルコニーに出てみる。海が真正面に見える点ではとても条件がいいのだが、この部屋にはスタンドがなくデスクが暗いし、デスク周りにコンセントがなくて困る。 このことは直前の滞在でも伝えたし、これまで何度も指摘し、その都度同じ対応を頼んできた。蛍光灯でないスタンドとコンセントを用意して欲しいというものだが、こうしたリクエストが複数回あればきちんと記録しておき、次回から頼まれなくとも用意するくらいの芸当は出来て然るべきである。学習能力がないのか、気が利かないのか、いずれにしても頼りないではないか。 電話で頼めば済むように思われるだろうが、不慣れなバイトが対応すると一層面倒になるので、ラウンジに行って顔のわかる係に対応を求めることにした。だが、係は「蛍光灯でないスタンドはご用意しておりません」と言い切った。少なくとも、過去数回は探して出てきたのに、それらはもう廃棄したということなのだろうか。もしかすると、この係は白熱灯スタンドの存在を知らないのかもしれないが、その態度には面倒だと思っているような素振りも感じられた。 いずれにしても、ろくに調べもしないで撥ね退けるとは鼻持ちならない。ラウンジ内にはパソコンのブースがある。そこはかつてタワーズのマネジャールームだった。そこにはクラシカルで素敵なデスクスタンドがあり、もちろん白熱灯である。そして、この場に必ずしもこのスタンドでなければならない理由は見当たらない。であれば、これを部屋に貸し出し、代わりにここに蛍光灯スタンドを置けばいいではないか。 そこまで言ったらやっと腰を上げる気になったらしく、他の部屋から探して持ってくるということになった。最初からそうしてくれればお互いに気分悪くならずに済んだのだが。やがて運ばれていたフロアスタンドはスタンダードルームに備わっているものだった。想像していたのとは違ったが、それでも役には立つ。 不足するコンセントは延長コードで対応。トイレの前から部屋を横切ってコードを引くので、窓際のコンセントからキャビネットの後ろを通して配線してもらった。これを指摘するのも前回同様。なんだかデジャブを見ているようだ。 いずれにしても、どこがどのように使いにくいと感じているのか、そして毎回どのような対応を望んでいるのかについて、客室係の責任者に直接伝えておきたいと思い、客室係マネジャーを呼んだ。だが、部屋に来たのは一見好青年そうだがタバコ臭いバイトの兄ちゃんだった。 彼に責任者なのかと尋ねると、「いやっ、タダの客室係です」との返事。客の前に出る時はリセッシュした方がいいよと伝え、改めてマネジャーを呼んだ。やがて来たマネジャーに不便な点を具体的に伝えると、ビジネスで利用する客から同じような意見を聞いているとのこと。だったら、もっと積極的な対応があってもいいはずだ。 ラウンジのカクテルアワーはすごいことになっていた。ハーパンにビーサンという身なりは、この地では珍しいことではないが、おつまみとして並んだ祭の屋台で売っているようなものを、夕食代わりにむさぼり食うファミリーの姿にはさすがに目を覆う。まぁ、このホテルじゃいくらお金を積んでも美味しいものなど食べられっこないけれど、ラウンジの食べ物だっていくらタダでも欲しくないような質なのに。 朝食は激しく混雑している「グランカフェ」に対し、クラブレベル専用の「ザ・サミット」は空いていた。だが、料理の内容はアイテムが多いだけ「グランカフェ」の方がマシ。相変わらず大皿だけで、パン皿やバターナイフすら用意されていない。コーヒーは煮詰まって臭いし、空いた皿を片付けることもなく、サービスはないに等しかった。一方でステイ清掃は30分。この効率は見事だ。 |
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シェラトン・グランデ・トーキョーベイ・ホテル(公式サイト) | |
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