シェラトン・グランデ・トーキョーベイ・ホテル Club Level Room |
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Sheraton Grande Tokyo Bay Hotel |
2008.05.09(金)
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千葉県浦安市 |
哀-4
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笑顔はあるが気は利かない | 舞浜のシェラトンでは、開業以来最大の規模でロビーエリアの改装が行なわれ、この春から新装になったロビーで客を迎えている。変わったのはインテリアだけで、構造的なものは以前と変わらないのだが、雰囲気は一変した。
これまで一直線だったフロントのロングカウンターは廃止され、いくつかのアイランド式カウンターになった。これにより以前よりもフロント係の動線に自由が利くようになり、必要に応じカウンター内から外に出てのサービスを容易にした。だが、現状を観察する限り、このメリットは生かされていないようだ。 インテリアのテイストは、テーマパークのアトラクション風。このロケーションには相応しいと言えるのかもしれないが、質感は悪い。それは、ホテル内に残る開業以来の部分と見比べれば一目瞭然である。当初のものは、いささか時代遅れであるにしても、高品質の素材で仕上がっているので、今見てもそれなりの説得力が感じられる。だが、改装した部分については、見本市のブースのような質感で、これぞキッチュという印象だ。もはや高級リゾート路線からは完全に脱却したということだろうか。言うなれば、巨大ファミリーホテルか。 チェックインのためフロントへ向かう途中、係に声を掛けられた。よく見る顔のスタッフだったので、相手も顔を覚えていて挨拶してくれているものと思ったが、それはとんだ買いかぶりだった。にこやかな表情には親しみを感じたが、彼女の口から出たのは「SPGにはご入会ですか?」という言葉。誰だかわかっているのであれば、そのようなセリフは出てこないはずである。知り合いだと思って笑顔を向けて「どちら様でしたっけ?」と言われた時のような気分だった。 チェックインももたついた。メンバー専用カウンターではひとりの先客がチェックインしていた。カウンターは2組同時に手続きが出来る造りなのだが、ふたりの係がひとりの客につききりで対応していて、それも5分以上を要していた。様子を伺う限りでは、どうもメンバー客でもないらしい。会員を待たせたままで非会員に延々と時間を注いでいるようでは、専用カウンターの存在意義がないではないか。 まぁ、タイミングが悪くこのような状況になったということで百歩譲るとしよう。気に入らないのは、カウンター内の係が、5分以上もの間、待たせている客の方を一度も見ないということだ。時折「お待たせして申し訳ございません」的な視線だけでも投げかけてくれればまだしも、放っておかれれたのでは気分が急速に悪くなる。 いい加減にして欲しいと思っていると、今度は本当に顔馴染みの係が通りかかり、顔を見るなり名前を呼んでくれた。そして、お待たせして申し訳ないと言いながら、後ろの方にあるゲストリレーションカウンターでチェックインをしてくれた。このスムーズな対応でちょうどプラマイゼロという感じだが、到着時に直ちにこのよな対応があれば間違いなく好印象につながった。 ロビーに近い方のエレベータホールも改装され、エレベータの行き先表示が実に見難くなった。エレベータが来るとランプがぼんやりと点灯するのだが、それが上向きなのか下向きなのか、非常にわかりにくい。多くの客がエレベータ前で混乱しており、これはただちに改善すべきである。 今回の客室は11階のクラブレベルルーム。最近まではSPGフロアとしてSPG会員専用フロアに当てられていたが、今ではクラブレベルルームに戻されている。アサインされたのは、海を正面に望む40平米のタイプ。位置的には、かつてのタワーズではないウイングなので廊下の内装が少し質素だが、海の眺めと40平米の広いタイプ両方を満たす好条件だ。そして、ちょうどここは以前リブイン(ホテルに住むこと)していた総支配人室の一部だった場所だが、改装により4室の客室に改められた。 それはさておき、この部屋で一番困るのは、デスクが暗いことである。壁に向けられたデスクには、何ら照明が当たっていない。蛍光灯のシーリングを点ければ部屋中が明るくなるけれど、せっかく海を望むロケーションまで来て、そんな生活感丸出しの照明なんてとんでもない。 客室係に白熱灯スタンドを用意するように頼んだが、蛍光灯ランプしかないと言われた。貸し出し備品としてはそうなのかもしれないが、館内のどこかを探せば、現在使っていないスタンドくらい幾つもあるはずだ。改装前の客室にも備わっているので、ちょっと知恵を絞ればすぐに見つけられる。「もう一度よく探して頂けますか?」と自分で気味悪く思うくらいに優しい口調で頼んでみたら、どうもそれが功を奏したらしく、元気な返事があった。 しばらくすると、係がクラシカルなスタンドを持ってきた。ちょっと部屋の雰囲気には合わないが、スタンド自体は立派なものだ。もちろんそれで大満足。だが、係はそのまま卓上にドンと置いて帰ろうとする。ちょっと待ってよ。このデスクの周辺にはコンセントはひとつもない。そんなことくらい、客室係ならば把握していなければダメだ。デスクにスタンドを置くなら、当然延長コードが必要である。「延長コードもお願いしますね」とやんわりと頼んだ。本当はアホかと言いたいところだけど。 再びやって来た係は、持参した延長コードを配線するに当たり、部屋のど真ん中を横切るようにした。「なんちゅうセンスじゃ」と思いつつ、「見栄えが悪いから、キャビネットのウラを通しましょうよ」と優しくアドバイス。ついでに「せっかく改装してきれいになったのに、結構不便な点もあるように思うんですけどね」と、何気なく不満を伝えるのだが、係はろくに耳を傾けもせず、聞き流していた。こうした客の声にこそ耳を傾けるべきであり、「他にお気付きの点はありませんでしょうか」と一歩踏み込めるようでなければ進化は望めまい。だからこそ、こんなホテルになり下がってしまったのだろうけれど。 11階のクラブラウンジは、あまり混み合うことがなかった。SPGラウンジの時はあれほど混雑していたのに、対照的な光景だった。アフタヌーンティの時間帯には、パン、スコーン、フルーツが並ぶが味は最悪。夕方、アルコールと共にサービスされるオードブルには、チキンの唐揚げとハムチーズが用意されていた。 朝食は中国料理「オリエントフージョン」を閉店改装してオープンした鉄板焼「舞浜」で提供される和食メインのブッフェを利用してみた。朝一番で入店したのに、テーブルはベトベト。それほど混雑するわけでもないのに、狭いテーブルから順番に詰め込んでいく案内の仕方。「これは本当に人間用か」と思うほどひどいものも並ぶ料理。これで3,300円とはご冗談でしょと言いたくなる。ダシ巻玉子と、目玉焼きを作ってくれるコーナーがあるが、係はほとんど不在で機能していなかった。 このホテルで一番気持ちのよい光景は、オアシスの屋内プールで開催されている子供水泳教室だ。子供たちの本当のお兄ちゃんのように接しているインストラクターにより、厳しいながらも愛情溢れるレッスン風景は、実に微笑ましく頼もしい。子供たちのいきいきとした姿がとても印象的だ。 |
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シェラトン・グランデ・トーキョーベイ・ホテル(公式サイト) | |
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