2004.05.14.(金) |
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ヨコハマグランドインターコンチネンタルホテル Club Deluxe Room InterContinental The Grand Yokohama |
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喜-1 水際に戯れる一日 | |
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久しぶりにエイジアンテイストの客室にアサインされた。元は一般階だったのでラウンジへはエレベータでないとアクセスできないし、多くの客室にはシャワーブースがなく、エイジアンテイストの装飾以外、基本的な部分はレギュラー客室と同等だ。だが、今回も気を利かせて各フロアに2室だけあるシャワーブース付きのデラックスルームを用意してあった。
好天に恵まれたこの日、横浜港向きの客室からは、穏やかな港の眩い景色が一望できた。眼下には水際に戯れる人たちの姿があり、思わず降りて行ってそのあたりを散歩してみたくなった。そのまま大桟橋あたりまでぐるりと一周。新しいスポットを見たり、工事が進むところには何ができるのかなどを探ったりしながら、いい気分転換と運動ができた。 外から戻ると客室はいささか暗く感じられる。通常のクラブルームに比べると、金庫がなく、湯沸しポットが小さく、電話機も古い。バスルームはタイル張りだ。その分、ラックレートやプラン料金は若干安めに設定されている。ミニバーにはジャスミンティーとウーロン茶のティーバッグを備え、ポットとカップも用意されている。だが、どう見ても100円ショップで調達したかのような品物。その他にも100円ショップ風のアイテムがいくつか置かれ、なんだか学生が自室をささやかに飾り立てる涙ぐましい努力を思わせる。久しぶりのエイジアンルームは興味深かったが、やはり通常のクラブルームの方がグレードが高くて快適だ。 翌朝はいつもどおり「オーシャンテラス」で朝食を。かゆがいつになくドロドロだった。米の原型をとどめず、これから障子貼りですか?と言いたくなる様な状態。いつもはこれほどゆるくないように思う。毎度食べているからその違いは確かにわかるのだ。真面目で気が利くお気に入りの係に「今日のかゆ、ちょっとゆるいね。どうしたの?」と軽く尋ねたら、真面目な彼らしく厨房に確認しに行った。 しばらくして若い調理人を引き連れて戻ってきた。その調理人は「おかゆとはこういうものだ」みたいな説教を始めた。そんな薀蓄など無用。病院食じゃあるまいし、そんな障子貼りの糊みたいなかゆを食べさせられてすでに不愉快なのに、ケンカを売るような態度を取るとはとんでもない。しっかりと苦情を言って店を後にした。 |
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2004.05.14.(金) | |
ラヴェラ イタリア料理 La Vela |
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喜-4 ほほに当てた手 | |
ゲストリレーションズを通じて20時半に予約。時間通りに店に着くが、入口には係が不在。しばらく待って、どうなっているのかと思い始めた時、申しわけなさそうに案内係が駆け寄ってきた。同時にイタリア人の陽気なマネージャーが顔を出し、明るく迎え入れてくれた。様子からすると、案内が遅れたのはちょうど入店が重なっただけだったようだ。久しぶりに来てみたが、明るく健康的な雰囲気に生まれ変わっていた。イタリア人が一人いるだけで、こうも空気が変わるかというほど。彼はこの店の看板役者だ。
案内されたのは窓際の広くていい席だった。店内は結構混雑している。メニューを眺めて、6,930円のコースを注文した。プリフィックススタイルで、前菜からメインまでいくつかの料理の中から自由にチョイスする。デザートはワゴンでサービスされる。 テーブルを担当したのは女性の係だった。ディナータイムに女性のサービスはあまり好ましくないと思っているが、この日の係は優秀だった。だらだらとしたサービスをすることはなく、キレのあるすがすがしい動きだった。また、テーブルの状態もよく把握しており、申し分ないもの。時折見せるやさしい笑顔は、男性にはなかなか真似のできないものだ。女性のサービスもこのレベルになれば、快適なのだと再確認できた。 ただ、テーブルセッティングには少々不満があった。白いビニールクロスは使いまわしなので、随分とヨレヨレになっている。そこに直接カトラリーを並べるので、なんとなく汚らしい印象があった。やはり、このクラスの店なら、毎度布のクロスを交換する手間とコストは惜しまないで欲しい。 料理はシンプルな調理法だが、素材もよく、総じて素晴らしかった。このホテルでこれほどの料理が出てくるとは思わなかったほど。館内のどの店よりも美味しかった。 ふと近くのテーブルを見ると、窓際の柱に沿った、決して条件がいいとは言えない小さなテーブルに、双方60歳くらいだろうか、夫婦と思われるカップルが座っているのに気付いた。ふたりはすでに食事を終え、コーヒーカップを前にして静かに語り合っていた。何かの記念日なのかもしれない。どちらかという地味な雰囲気の女性だった。男性の顔はこちらからは見えない。女性が時折浮かべる表情が、地道に人生を歩んできたことを物語っていた。そして、男性が一瞬手を伸ばし、彼女の頬に手を当てた時、なんとも言えない優しい微笑みを返していた。レストランの目立たない一角で、とても素敵な物語が進行しているようだった。 |
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[ヨコハマグランドインターコンチネンタルホテル] |
Y.K.