2002年3月23日 |
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ヨコハマグランドインターコンチネンタルホテル Harbor Suite | |
楽-4 それぞれの船出 | |
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門下生たちが誕生日パーティーを開いてくれるという。なんとも嬉しいことだ。この時期は演奏会続きで、編曲や練習に追われたり、スケジュールの変更に次ぐ変更に対応していたため、自分を保つのが精一杯。ギリギリの精神状態で、音楽と向き合い、舞台に立ち続けていた。そんな荒んだ日々に、門下たちの計画してくれた誕生会は、ひとときの潤いと、これからも続く厳しいスケジュールを乗り切る活力を与えてくれた。そして、その会場が、横浜でもっとも気に入っているホテルのカジュアルなレストランであることも、大きな安心であり、肩肘張らない楽しい時間を過ごすのにピッタリだった。
翌日から飛鳥クルーズでの仕事があり、横浜港から出港する予定になっていたので、誕生日会の後は、このホテルに宿泊することにした。前もって予約を入れてあったのだが、その際に、この日は某大学の大規模なパーティーのオフィシャルホテルとして利用されることを知らされ、果たしてどうなることやらと心配をしながら当日を迎えた。周囲にはその大学の卒業生が多数おり、皆口々に「収拾のつかないことになる」「何をしでかすかわからない」と言っていたので、不安はどんどん大きくなるばかりだった。 当日、ホテルに到着してチェックインの後、案内された客室は高層階のハーバースイートだった。予約時にハーバースイート以上の客室を希望したが、満室だと断られ、仕方がなくブリッジスイートを予約してあった。ブリッジスイートは、すべて7階の低層階に位置し、かつてはビジネススイートとして使われていた客室を改装したものだ。まぁ、それでもいいやと予約した客室だが、その夜になって、もしもブリッジスイートのままだったら、大変なことになっていたことがわかり、ほっと胸をなでおろした。 その某大学の関係者は、全員低層階の客室にアサインされており、完全なすみわけ対策が講じられていた。チェックインは宴会場で行われ、8基あるエレベータも、この日だけは4基が大学関係者が宿泊するフロアへ向かうもの、残りの4基がそれ以外の一般客のフロアへ向かうものと、半数ずつ完全に分けてあったので、滞在中に不便を感じたり、問題に直面することはなかった。今回のホテル側の受け入れ態勢は、想像以上に慣れた印象があって、お見事だった。 しかし、予約を入れてあったブリッジスイートが、そのままアサインされていたら、どうなっていただろう。一般客用のフロアへ向かうエレベータは待つこともなくいつも通り利用できたが、大学関係者用のフロアへ向かうエレベータは驚くべき事態になっていた。そのフロアへ上がるには、一度ボールルームのある3階へエスカレータで上がり、テーマパークの人気アトラクションを思わせるような、延々と続く列に並んで、エレベータに乗れる順番が来るのを待たなくてはならない。エレベータに乗るだけでも、何時間も掛かりそうな雰囲気だった。 もし、ブリッジスイートにアサインされていたら、その列に並ばなくては、自分の客室に行くことはできず、我慢ならない状態になっていただろう。ちょっと不思議なのは、そうなることがわかっていたのに、ブリッジスイートをフツウに販売し続けていたことだが、まぁ、今回はハーバースイートを利用することができたわけだから、そのことは忘れよう。 |
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2002年3月23日 夜 | |
ヨコハマグランドインターコンチネンタルホテル 「オーシャンテラス」 | |
楽-4 バースデーソング | |
門下生が企画してくれた誕生会は、「オーシャンテラス」のコンパートメントを利用して開かれた。このコンパートメントは、普段はオープンにして、他の客席同様に利用されているが、ガラスの扉を閉じることで、個室状にすることができる。個室といっても、仕切りはガラスなので、プライバシーなどはまったくないが、それでも、空間的には独立した印象があるので、こうしたカジュアルな集まりには、使い勝手のよいスペースだと思う。
料理はディナーブッフェ。オードブルからデザートまで、種類が豊富で楽しい。今回はホテルの配慮で、本来はブッフェカウンターに並んでいる天ぷらと、メインディッシュにと帆立貝のグリルとビーフステーキを、盛り付けてテーブルに運んできてくれた。その分、テーブルで過ごす時間が長くなり、みんなとたくさんしゃべることができて嬉しかった。生徒たちは、ブッフェは自分で好きなものを現物を見てから選べて、それをすぐに食べられるのが魅力だと、何度も料理を取りに行き、たくさん食べまくっていた。 驚いたことに、一番たくさん食べていたのは、育ち盛りの男の子ではなく、女の子たちだった。また盛り付け方も、さすが音楽を志すものたちだけあって、色彩感やバランス感覚にセンスが見られホッとした。食事が一通り落ち着いたところで、給仕の皆さんが、ケーキを運んできて、バースデーソングを歌ってくれた。なんとも照れくさいサービスだが、顔見知りの給仕や大切な門下生に囲まれ、気持ちが軽くほぐれていくようだった。 |
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2002年3月24日 昼 | |
ヨコハマグランドインターコンチネンタルホテル 「馬華 馬留」 | |
喜-1 福禄寿 | |
一年でもっとも春らしい一日だと言っても過言ではないような、穏やかな天候に恵まれたこの日、みなとみらい周辺は多くの人たちで賑わっていた。この店も、卒業祝いや家族での食事会など、とても晴れやかな雰囲気に包まれていた。この日のお目当ては、風水をテーマに構成されたというコースメニュー。客室に案内が置かれていたので、どんなものかと気になって予約を入れた。福禄寿という名前がついており、4,000円。料理はどれも色鮮やかで、目にも楽しい品々が続いた。
メニューによれば、一品ごとにどんなご利益があるのかという能書きが記されていたが、料理を提供する時には、なんの説明もしてくれない。それでは、フツウの料理と差がなくなってしまう。せっかくこうした企画をするのなら、ご利益も記した持ち帰れるメニューを印刷して配る方がよい。少なくとも料理提供時に、説明ができるだけの予習はしておいてもらいたいものだ。しかし、あまり辛口にしてご利益がなくなると困るので「喜」。料理はその価値が十分にある味わいだった。 |
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[ヨコハマグランドインターコンチネンタルホテル] |
Y.K.