2002年1月4日 |
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ヨコハマグランドインターコンチネンタルホテル Asian Club Room | |
哀-4 他人ごと | |
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このホテルのドアマンは、繰り返し利用しているうちに顔なじみになった人が多く、いつも感じよく出迎えてくれる。ところが、この日到着した時は、たまたま正面玄関が車でごった返しており、ドアマンは交通整理に追われ、手がふさがっていた。どんなに優秀でも、同時にあれもこれもは対応できないのだから、玄関前に車を停めて、ドアマンの手が空くまで車内から様子を見ることにした。
ふと、エントランス越しに館内を見ると、ベルキャプテンデスク前には、ベルアテンダントたちが、手持ち無沙汰に突っ立っている。彼らはこちらに尻を向けたまま、なにやら楽しげにおしゃべりをしているようだった。その脇には、ディレクタースーツを着たホテル従業員が2名、こちらの方を向いているが、やはり話に夢中で動かない。スーツのふたりは、時折ベルアテンダントに指示を出したり、カートをチェックしたりしているので、様子から察するところ、ベルの上司に当たる立場らしい。しかも、彼らはこちらをたまに見ていたので、玄関前の様子もしっかり目に入っているはずだった。それなのに何の行動も起こさないのは、とても不愉快だった。結局、数分後にドアマンが息を切らせながら駆け寄ってきて、扉を開け、荷物を預かってくれた。ドアマンの奮闘は、ベルアテンダントにとっては、他人ごとでしかないようだ。 セクションによる領分がどのように仕切られているのか知らないが、ホテルの仕事はチームワークなのだから、お互いに助け合う必要があるはずだ。ドアマンとベルアテンダントは、とりわけ緊密な関係にあるのだから、常に意識しあって、ゲストサービスが確実に進むよう、努力すべきだろう。このホテルは、セクション間に連携が極めて悪い。だから、問題が生じた時には、責任を擦り付け合って、ゲストをたらいまわしにするのも日常茶飯事になっている。 チェックインは、28階にあるクラブラウンジで、スムーズに済んだ。すぐに客室へ入ると、程なくウェルカムアメニティが届けられた。季節のフルーツは、イチゴが4つ。続いて、荷物が届けられた。そのチャイムの鳴らし方が下品極まりないこと。チャイムを高速で連打するので、なんとも慌しい音がして、神経を逆撫でする。ごつい男かと思いきや、扉を開けると、若い女性のベルアテンダントだった。 利用した客室は、エイジアンテイストのクラブフロアにある、デラックスタイプ。同じ階のスーペリアタイプとの差は、バスルームにシャワーブースがあるかないかのみ。久しぶりの利用だったが、フラット型の新しいテレビが導入されたり、バスルームに観葉植物が置かれるなどの変化があった。また、廊下側から見ると、客室扉に木目のシールが貼られ、よりエイジアンテイストが強まった。ベイビュー側だったので、東京方面やベイブリッジがきれいに見えていた。 最近、バスルームの湯の出が悪くなってきた。開業当時の記憶をたどれば、リージェント並みのものすごい水圧があり、ものの2〜3分でバスタブが一杯になった。それが今では、湯を張るのに15分以上を要するほど弱くなった。環境保全のために節水しようという意図で水圧を絞っているのかもしれないが、お湯がちょろちょろとしか出ないホテルに、よいホテルはない。 |
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2002年1月5日 朝 | |
ヨコハマグランドインターコンチネンタルホテル 「オーシャンテラス」 | |
楽-1 お決まりコース | |
とにかく、ものすごい混雑だった。店先には長蛇の列ができていた。行列は店先だけかと思いきや、ブッフェ台にも行列ができていた。皿を持ったまま列に並ぶのは、なんだか配給待ちをしているような気分だった。ファミリーでの利用が多いため、料理もあっという間になくなってしまう賑わい。係は補充に追われ、大変そうだった。しかし、常に料理が回転しているという感じなので、どの料理もできたてに近い状態にあるのが嬉しい。客入りの悪いブッフェよりは、混雑しているほうがおいしく食べられるようだ。
最近のお決まりコースは、グリーンサラダにハーブやフルーツがたっぷり入ったシェフオリジナルドレッシングを掛け、その脇にクラッカーとチーズを添えたものがファーストディッシュ、そして、フレンチトーストにシロップをたっぷり掛け、ガルニとしてベイクドトマトとベーコンを添えたものがセカンドディッシュ、最後にシチュードフルーツにヨーグルトを掛けたものを食べておしまいという流れ。この日は、おせちの余りのような料理も出ていたし、中華粥の誘惑もあったが、結局いつもどおりの内容にした。それから、ここのコーヒーはちょっと濃いので、いつもアメリカンにしてもらっている。 |
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2002年1月5日 夜 | |
ヨコハマグランドインターコンチネンタルホテル 「スパイシーJ」 | |
喜-2 エイジアンビストロ | |
クラブラウンジから予約を入れてもらったところ、窓際の眺めのよい席を用意してくれていた。店内は照明を抑え、薄暗くムードある雰囲気だが、その席は中でも一層暗く、料理が映えないのが唯一残念だった。サービスに関しては、キャプテンが終始気を配ってくれ、ベストタイミングであるだけでなく、いつもキビキビとしていて感じがよかった。それは、前回利用した時に不愉快なことがあり、不満を残して店を後にしたことを受けてのサービスであったとは思うが、見事であった。
料理は概ね良好だった。しかし、東京ベイの「エイジアンテーブル」と比較すると、一段劣る感じがする。つくり置きしているベトナム風生春巻きは、かなり乾燥していた。タイ風とあったチキンの料理を注文していたが、意外に上品な味に仕上がっており、フランス料理のような印象だった。食事の仕上げにはトムヤンクン麺を注文してあったが、その提供には随分と間があいてしまった。デザートのアーモンドゼリーは思っていたよりもずっと美味しかった。 |
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ヨコハマグランドインターコンチネンタルホテル Club Room | |
哀-2 笑顔のエチュード | |
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クラブフロアなどの特別階の魅力には、アップグレードした設備やアメニティ、ラウンジの利用などの各種付加価値のほかに、スタッフと顔なじみになりやすいという点がある。年に数回利用するだけで、大抵の特別階スタッフは、ゲストの顔を覚え、名前を呼んで親しく接してくれる。そのことが、ホテルライフを大きな安心で包んでくれるので、特別階のファンになるゲストも少なくないだろう。
このホテルもその点、例外ではない。クラブラウンジ営業時間中は、女性を中心としたゲストリレーションが常駐して、チェックインからチェックアウトまで、あらゆるサービスを中継してくれる。出発の時には、荷物を扱って正面玄関で車が走り去るまで見送ってくれることも珍しくない。そうした徹底的なパーソナルサービスが、リピーターを引きつけている。 ところが、困ったことに、最近は東京ベイも含めて、ゲストリレーションの顔ぶれが次々に変わっている。ついに知らない人の数の方が多くなってしまった。特にヨコハマはマネージャーを常駐させていないため、何か問題が生じた際に権限を持つ人が存在しない。何事もない時は、とても快適で楽しく過ごせるのだが、トラブルになると、とたんにダメになってしまう。すると、ホテル全体のマネジメント体制そのものが無責任に見えてくる。 今回もまた、クラブラウンジでチェックインをしたところ、知らない顔の男性スタッフがカウンター脇に立って、手続きの間中ずっと見物していた。ディレークタースーツを着ているので、マネージャークラスだと思われる。リピーターに対しては、重ねての利用を感謝する挨拶とともに、自己紹介くらいは積極的に行なう方がイメージがよいと思うが、そういう気はないようだった。 彼とは、その後も何度となく顔を合わせたが、いつも無視されるか、どうしても目が合うと、とってつけたような愛想笑いを返してくる。愛想笑いにしてはイヤミがきつい表情だ。もしイヤミを込めているとしたら、とんでもない話だが、逆に無意識のもので他意がないとすれば気の毒なことだ。人前に出る仕事なのだから、自然な笑顔が作れるまで、鏡に向かって何万回でも練習する必要がある。それを馬鹿らしいと思うようなら、接客業は向いていない。 今回の客室は、エイジアンテイストではない従来のクラブルームだった。パークビューの賑やかな眺めは、冬の透き通った空気に一層華やかに見えた。先日のエイジアンルームと比較すると、バスルームと椅子の座り心地を除いては、エイジアンルームの方がバランスもよく、過ごしやすいような気がした。 滞在中、何度かラウンジを利用した。サービス内容に大きな変化はないが、ユニークなハーブティのサービスが加わった。ティーバッグでなく、リーフからポットでサービスされるので、午後のひとときがより楽しみになった。 |
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2002年1月13日 朝 | |
ヨコハマグランドインターコンチネンタルホテル 「オーシャンテラス」 | |
哀-2 いつもより遅い朝食 | |
この日の朝は感じのよいお気に入りのスタッフが揃っていた。それだけで、いつもとは違った朝がスタートできるから不思議なものだ。無愛想に出迎えられるのと、爽やかに笑顔で迎えられるのとでは、印象がまったく違ってくる。ところが、ブッフェ台の料理はほとんどが取り尽くされ、悲惨な状態になっていた。パンさえもほとんどない。いつもなら朝食は朝早くに訪れるが、この日に限って10時近くになってから出掛けてきたので、時間帯によって随分と違うものだと驚かされた。
テーブルを担当する係に、レーズンブレッドはもう残っていないかと尋ねると、朝の時間帯には提供していないとの返事だった。しかし、いつも食べているので、それは間違いであることはこちらが知っている。ヘンなことを言う子だなと思っているところに、マネージャーがやってきた。レーズンブレッドと口にすると、すぐに奥から運んできて、マネージャー自ら切り分けて持ってきてくれた。 しかし、マネージャーが切り分けてくれたのは、焼き上がったばかりの、これからパティスリーで販売する品物の一部だった。マネージャーの判断は大変嬉しいものだったが、この行為は特別のものであって、いつでもそれに甘えるわけにはいなかない気がした。先の係も、朝は出していないなどと言わず、今日出せる分は終わってしまったと、正直に答えた方がよかったかもしれない。 近くのテーブルでは、顔見知りのホテル従業員が座って、コーヒーを飲んでいた。そういったことが許されるほどの立場にある人なのだが、足を組んで、タバコをすいながら、新聞を読みふけっている。彼のことをしばらく眺めていたが、一度も顔を上げることすらなかった。仮にプライベートな時間を過ごしているとしても、彼の立場とこの場所を考えれば、それは尊大に見え、みっともない光景だった。 |
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2002年1月16日 | |
ヨコハマグランドインターコンチネンタルホテル Jim Thompson Suite | |
哀-2 時間経過 | |
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夜になってから急に思い立って予約をした。予約時にあれこれとわがままなリクエストをして、てこずらせてしまったのだが、その結果1時間のロスが生じ、せっかくの好意も帳消しになってしまった。無駄な時間の経過は、物事の流れを大きく変えてしまう。
客室の状態は良好だった。清掃は行き届き、整っていた。しかし、改装してからだいぶ時間が経過して、ファブリックなどがくたびれてきている。ジムトンプソンブランドの象のぬいぐるみも、埃をかぶって薄汚れてきた。バスルームも淋しくなった。窓辺に配置されたバスタブの脇には、以前大きな観葉植物とは別に、小さな鉢植えがふたつ並んでいた。しかし、それらは排除され、窓辺が淋しい。アメニティも、以前はジバンシイ製であったが、今回はクラブフロア一般客室のものと何ら変わりない品揃えだった。ユニークだった中国茶がなくなり、その代わりハーブティと紅茶のティーバッグが用意されるようになった。 トイレはベッドルーム、リビングルームそれぞれに設けられているが、リビングのものの方が広々としている。一方寝室に付帯するトイレは、窓際にあって眺めに恵まれているものの、トイレ内に空調の吹きだし口がないために、冬場は寒くてかなわない。 ルームサービスで夕食をとった。釜飯とそばがセットになった冬の定食3,000円と、なだ万から松花堂弁当6,000円を注文した。松花堂はさすがにあわびやキャビアなど、高級な食材を使い、手の込んだ仕上がりになっているが、どれもつくり置きした感じで、デパ地下弁当の域を出ない。むしろ、冬の定食の方が、味では劣るが、楽しい仕掛けもあって、賑やかで良い。 |
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2002年1月17日 朝 | |
ヨコハマグランドインターコンチネンタルホテル 「オーシャンテラス」 | |
哀-2 一言の印象 | |
いつも利用する週末と違って、平日朝の「オーシャンテラス」には、外国人を含むビジネスマンの姿が多く、雰囲気がガラッと変わる。店のエントランスには若干の行列ができていたが、入り口に係が不在になる時間が圧倒的に長すぎて、スムーズに対処しているとはいえない状況だった。
様子を見ていると、案内係が案内をするごとに、一組ずつブッフェの説明をし、コーヒーか紅茶かを尋ねている。グランパシフックメリディアンのレストランでも同じような状況を見かけたが、これでは要領よくことは進まない。しかも、他の係たちは自分の手が空いていても、入り口に並ぶゲストには我関せずという姿勢。やたらに手を出せば、案内係の仕事に混乱を招く恐れがあるとはいえ、「順にご案内しますので、しばらくお待ちください」とか、ちょっと一言掛ければ、印象は違ってくるはずだ。 週末に比べ、ゲストも少ないのだが、サービスに当たる係もまた少ないようだ。そして、いつもは見かけない中年の女性の係がいて、最初はなんとなく違和感があったが、次第に係の方から「今日は寒いようですね」とか、ちょっとした会話を投げかけてきた。それをきっかけにして、テーブルとサービス係の関係はとても楽しくてスムーズなものになった。 |
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2002年3月6日 | |
ヨコハマグランドインターコンチネンタルホテル Club Room | |
喜-2 安心のセカンドハウス | |
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この日、他のホテルを予約していたのだが、チェックインする段になって初めてこの夜は停電で電気が一切使えないことを告げられた。徹夜で作品を仕上げる覚悟があったので、パソコンが使えなければ話にならないと、別のホテルに移ることになった。時間がなく焦っている時に限って、時間が無駄になる。移動した先はヨコハマグランドインターコンチネンタルホテル。ここなら勝手がわかっているので、安心といえば安心だが、ちょっと新鮮な雰囲気を求めていたので、その枠からは外れているホテルだった。
インターコンチネンタルに到着したのは、午後11時頃。ロビーには人影もまばらで、すっかり深夜の雰囲気だった。2階のフロントには、チェックインをしている先客が2組いたが、係の人数も2名。急ぐ時には窓口がふさがっている。どこぞの法則を絵にかいたような一日だ。やっと順番が回ってきた時には、疲労困憊していたが、小柄な若い男性の係は、人当たりがよく、やわらかで丁重な態度が、気分をほぐしてくれた。キーを受け取り客室へ向かい、早速作業の下準備をしていると、ベルボーイが荷物を運んできた。彼もまた、とても感じのよい雰囲気を持っていた。 客室はパークビューのクラブルーム。窓の外にはみなとみらいの景観が広がっているのだが、この日はいつになくひっそりとした印象があった。特に隣りのホテルは客室の照明がほとんど点灯しておらず、こちらもまた停電かと思わせるような雰囲気だった。 レストランの営業はすべて終了していたので、ルームサービスで夕食をとった。深夜メニューなのでそれほど選択肢はないが、サラダとカレーをオーダー。食後はコーヒーを飲みながらひたすら作業に没頭した。かなり遅れをとっていたので、焦りはしたが、朝方には一通り完成し、短いながら睡眠を取ることもできた。朝は「オーシャンテラス」で朝食を楽しみ、出発。なかなか頼りになるホテルだと再発見もでき、よい滞在になった。 |
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[ヨコハマグランドインターコンチネンタルホテル] |
Y.K.