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グランドプリンスホテル赤坂 Double Room | |
Grand Prince Hotel Akasaka | 2010.07.04(日) |
東京都千代田区 | 楽-2 |
ARCHIVES ・ 1992 |
赤坂の象徴 グランドプリンスホテル赤坂は、新館のシャープな外観が第一の魅力だ。1983年に完成した頃は、周辺の高い建物といったら隣のニューオータニタワーくらいしかなく、斬新で都会的なフォルムが非常に目を引いた。高層ビルが林立するようになった今でも、ひときわ目立つ存在である。 直線的でエッジの効いたデザインテイストは、新館の館内全体に行き渡っている。白い大理石一色のロビーはその象徴となっており、正面玄関の巨大なガラス開口部、地階へと通じる大理石のパティオなどが、ダイナミックさを感じさせる。 フロントカウンターは正面玄関から近い位置にあり、とてもわかりやすい。800室近くあるホテルにしてはこぢんまりしている気もするが、ここのスタッフたちはスピーディなサービスを得意としている。 フロント前にはアシスタントマネジャーデスクや、各レストランのメニューを置いたコンソールがある。そして、地階への階段を兼ねたパティオの中ほどには、白いスタインウェイのグランドピアノが鎮座するが、最近は音色を聞くチャンスが無くなった。 ロビーから一段高くなったところには、ロビーラウンジ「マーブルスクエア」があり、以前はゆったりとしたソファを中心としたレイアウトだったが、今ではチューリップイスと小さなテーブルが寄せ集まったパーラーのような雰囲気になった。このラウンジでは、高い頻度で芸能人と遭遇する。 今回利用した客室は、25階のダブルルーム。一応、19階までと20階以上とではカテゴリーが異なっており、広さは同じでも、備品の品揃えやクオリティに差があるとされている。だが、最近はそれを実感できなくなってきた。 広さは約37平米。このホテルでは最も多いタイプの客室である。入口ドアから居室中扉までの長い廊下が特徴的で、その間にはミニバー冷蔵庫、両開きのクローゼット、バスルームへの扉が一列に並び、反対側の壁は広い範囲をミラー張りにしている。 全室がコーナールームというのが、ここ新館の謳い文句。窓際に設置されたL字のソファと、客室のコーナーを切り取る大きなパノラマウィンドウは、シンボリックな存在だ。 窓ガラスはハーフミラーになっており、夜は夜景よりも室内の様子を色濃く映し出す。ソファ前の丸テーブルに落とされる4つのハロゲンライトは、かなりの明るさがあり、これだけで部屋全体を照らせるほどだ。 ソファに連続するようにしてセットされたワークデスクは、高さが窓台と一致しており、デスクに向かいながらでも都会の眺めを楽しめる。デスクの脇にはレトロな旧型液晶テレビがあり、その下は引き出し収納になっている。 ベッドはキングサイズ。高層階のベッドは、より寝心地がいいことになっているが、今どき珍しいほどの硬さで、気持ちよく眠ることはできなかった。ベッド周囲の壁紙や天井には、装飾性がほとんどなく、非常にさっぱりしている。 ベッド脇の窪みにはドレッシングカウンターが設けられており、チューリップイスが添えてある。照明付きバニティミラーも便利だ。 バスルームは、バスタブ、トイレの2点ユニットに、独立したアウトベイシンを設置した3テクスチャーだが、改装により扉の位置が改められ、外観的には3点ユニットバスのようになった。全体にプラスティック素材を使い、人工的な白の世界といった趣き。 ベイシン脇にはバスアメニティを並べる棚が設けられており、ドライヤーもここに吊るされている。また、円形のスツールがある。 バスタブとトイレは近接して並んでいる。最近シャワーヘッドが交換されたが、固定式フックとの相性が悪く、固定されるシャワーの放水角度はほぼ60度。フックに掛けた状態で放水すると、バスタブ背面の壁に当たってしまい、極めて使いにくい。使い勝手を確かめた上で選んだ品とはとても思えない。 新館の裏側には旧館と別館があり、そちらへは連絡通路で結ばれている。その通路の間には、プリンスホテルの各種案内ポスターが掲げられており、ついつい見入ってしまう。かつては屋外プールへの出入り口もここにあった。 連絡通路は外から見ると簡易的に設けられたもののように見えるが、これはこれでデザインされたもの。イモムシのようでもあり、かわいらしい。 旧館は歴史ある洋館造りで、バーやフランス料理店がある。都会的な新館とのコントラストがユニークだ。このように、広い敷地に新旧が顔を合わせる恵まれた施設を持ちながら、その魅力を十分に打ち出していないのがもったいない。ここをもし外資系の大手チェーンが手掛けたらどんなホテルになるだろう。そんなことを空想してみるのも楽しいものだ。 |
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