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2003年7月6日

赤坂プリンスホテル Royal Floor Room
楽-3 便利なら高くてよいのか
美しいフォルムでそびえたつ新館
赤坂近くで仕事があり、その拠点としては赤坂プリンスホテルが最も便利だったので、2泊の予約を入れた。ホテル内できままに過ごす時間を重視するなら、高層階やスイートも選択の視野に入れるが、今回は泊まれればいいという程度だったので、ホテルのサイトから低層階利用の手頃なプランを予約した。15時頃ホテルに到着しチェックイン。ドアマン、ベルガールともに感じがよく、印象のいい到着だった。

フロントでも丁寧な対応を受けることができ、以前の客をさばくようでぶっきらぼうな態度はもう過去のものになっていた。チェックインを担当した係から、1泊につき2,000円の追加でロイヤルフロアの客室にアップグレードできるがどうだろうかと勧められた。これはちょっとしたうれしいオファーだった。海外ではこうしたチェックイン時のオファーによく遭遇するが国内では珍しい。当日の空き状況次第のオファーではあるが、わずかな追加料金でクラブフロアやスイートが利用できるのは利用客にとってうれしいだけでなく、この好印象が次回へとつながるし、ホテルにとっても収益になるはずだ。

このロイヤルフロアへのアップグレードを受け入れたが、喫煙ルームしか空きがなかった。更にLAN回線を完備している客室となると、さらにアサインできる客室が限られるとのこと。とりあえず、ベルガールとともに36階の客室に向かった。しかし、部屋に入るや否や、強烈なタバコの臭いを感じたので、これはダメだと思い、ルームチェンジを申し出た。喫煙ルームしか用意できないことは承知しているので、もうひとつ別の喫煙ルームの様子を見せてもらうことになり、そちらに向かった。次の客室は、まったく同じ条件の喫煙ルームであるにもかかわらず、ほとんどタバコ臭いは残っていない。カーテンに鼻を近づけても気にならないほどだ。同等の客室でもこれだけの違いがあることを知り、驚いたと同時にとても参考になった。

やはり高層階からの眺めはダイナミックで見事だ。特に窓がワイドで室内の照明をコントロールしやすいこのホテルからはの夜景は素晴らしい。窓際の長いソファに足を投げ出し、ロングシートの列車の車窓から風景を楽しむようなスタイルで、時間と共に変化する東京の景観を見つめて過ごすのは、赤坂プリンスホテルならではの贅沢だ。しかし、残念なことに今回はそうのんびりとはしていられない。一刻も早くデスクに向かって知恵を絞らなくてはならないのだ。ご馳走を目の前にして、おあずけというのもつらいけれど、デスクに向かいながらも窓からの景色を楽しめるので、ちょっとした気分転換にもなった。

デスクの上にはSANYOのINN FAXというプリンタとコピーを兼ねたファクスがあるのだが、そこにセットされたコピー用紙には、たっぷりと埃が積もっていた。これだけ溜まるということは、相当の長い間、このマシンは利用されていないということだ。実際、このシステムは利用料金が高い。客室内で使えて便利だとは言え、ファクスの送信が1分につき350円と別に通話料、そしてコピーは1枚100円と高額で、それならコンビニを探して少々なら歩いてみようかと思う人の方が多いのではないだろうか。部屋にあれば利便性が高く、高めの値段設定が当たり前のようになっているが、これからはそのような発想では通用しない時代になるだろう。

ミニバーもどんどん空っぽの冷蔵庫に取って代わられたり、一般価格と大差ない価格設定に改めているホテルも増えてきた。LANもこのホテルでは1泊1,500円の料金設定だが、無料で備えるホテルが急増する中、いつまでその価格が通用するのかが見もの。便利なものが低価格で利用できなければ価値とはいえない時代が到来していることを、どのホテルももっと認識する必要があるだろう。ちなみに赤坂プリンスホテルでは、ビデオデッキレンタルは1泊3,000円、CD/MDラジカセは1泊2,000円となっている。

ロイヤルフロアは高層階に位置しているだけでなく、アメニティも充実している。モルトンブラウンのシャンプー、コンディショナー、バス&シャワージェル、ボディローションのほか、ピュアベジタブルオイルソープやフェイシャルウォッシュも用意されている。清掃にはよりベテランの係が当たっている様子で、ワンフロアを1名ないし2名の人数で少なくない客室の清掃をこなしているようだった。それでも、清掃状態は概ね良好。しかも、滞在中の清掃はリクエストしてから30分とかからないが、決して雑に行ったという印象はない。また、20階に位置するビジネスセンターには、滞在中何度か世話になったが、係はなかなか有能だった。実務的ながら、よく気が付く上に、先読みした行動を見せていた。

室内の左半分 ライティングデスク

ベッドの向こうには独立したドレッサー ベイシン

バスタブとトイレ モルトンブラウンのアメニティ

旧館の全景 旧館の入口の脇の部屋

2003年7月7日 昼
赤坂プリンスホテル 中国料理「李芳」
楽-2 外光の入る地下の店
軽い昼食をと思い、コーヒーハウス「ポトマック」に入った。ちょうど昼時で混雑していたのだが、入口で案内係をしていた女性は、丁寧な対応を心がけているらしく、好印象だった。しかし、希望する禁煙席は満席とのこと。食事中の煙は避けたいので、あまり煙が気にならないような場所だったら構わないと希望を伝えた上で案内してもらった。しかし、喫煙セクションは男性同士の客が多く、オフィス内は全館禁煙なのか、皆一様にここぞとばかりにスパスパやっている。

一列に並んだベンチシートに沿ったテーブルを薦められたが、両脇ともに喫煙中で4方向から煙がやってくる席などとんでもないと思い遠慮した。すると、やや離れた場所に空いていた4名用のテーブルを薦められた。混雑しているのに申し訳ないなと一瞬躊躇したのが運の尽きだった。横から感じの悪い黒服が口を出し、「そこはちょっとですねぇ〜」とその席に案内しようとした係をさえぎった。

まぁ、仕方ないけどどうしたものかと思いつつ店内を見回していると、今度は別の黒服が通りかかり、先ほどの4名テーブルを指し示し、うながしてくれた。ところがまた感じの悪い黒服が再登場し、「ご予約なんでね〜」とやや強い口調で割り込んできた。そこには絶対に一人の客など座らせないという決意がにじみ出ていたが、そこまでしてどうしてもこの店で食事をしたいわけではなかったので、そのまま店を後にすることにした。

次に向かったのは地下1階にある中国料理「李芳」。こちらは打って変わって落ち着いており、すんなりと窓際の席に案内された。店は地階だが、窓があり外光も入って明るい。ランチは2,000円で、5品の料理のうち2品をチョイスできる。それにスープ、サラダ、漬物、ご飯、デザートが付く。サラダはあるかないかのささやかさ、デザートはほんのオマケ程度だが、メインの料理はなかなか頑張っている。テーブルには布のクロスと布のナプキン。サービスもそれなりによく見ており快適だった。食後には250円でコーヒーを付けることも可能だ。

[赤坂プリンスホテル] 001227 011122 020210 030622

Y.K.