21時を過ぎてからのチェックインだった。赤坂見附駅からの地下道を抜けて、弁慶橋の手前で赤坂プリンスホテルを見上げると、もうクリスマスツリーをかたどったイルミネーションが輝いている。正面玄関へと至るアプローチにも電球装飾が華やかにきらめき、もう一年の終わりが遠くないことを告げていた。日中はまだ汗ばむような気候だからか、まったくピンと来ない。南半球のクリスマスを彷彿とさせた。
ロビーには、なにかの集まりがはねた後なのか、多数の若いビジネスマンがいた。クロークの前にも長い列が出来ており、夜の割りには賑やかなロビーだった。アサインされた客室は29階のブラウンを基調としたタイプだった。カーテンやカーペットなどは暖色のファブリックでコーディネートされているが、なぜかベッドカバーはブルーだった。これらの調和は不釣合いで、なんともセンスが悪い印象があった。客室によってファックスや高速インターネット回線の有無があるようだが、この客室には両方が備わっていた。アメニティも一通り揃っており、茉莉花と森林の香りがするミルク状の入浴剤もある。自前のサイトでは手頃な価格が設けられており、急な宿泊には非常に重宝するホテルだ。
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