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グランドハイアット東京 Grand Executive Suite | |
Grand Hyatt Tokyo | 2010.07.03(土) |
東京都港区 | 哀-3 |
ARCHIVES ・ 1992 |
チームワーク グランドハイアット東京は、訪れる度にサービスが進化していることを実感できる、数少ないホテルのひとつである。とりわけ、グランドクラブラウンジを受け持つ女性たちの向上ぶりが著しく、現在では世界的にみてもトップレベルになった。 その心地よさのひみつは、ひとつにはパーソナライズされたサービスがあげられる。リピーターが多く、それぞれの好みやスタイルに合わせたサービスやサポートを心掛けていることがよくわかる。そして、日本人らしい奥ゆかしさや細やかさ。ゆったりした動作なども取り入れ、従業員としてだけでなく、ひとりの女性として美しく振舞っているのが印象的だ。 だが、そうした個々の能力がいかに素晴らしくても、ホテルはチームワークなしにトータルで満足のゆくサービスを提供することはできない。それは、従事するスタッフたちが一番痛感していることだろう。志が高ければ高いほど、せっかくの努力が無残にも打ち砕かれる瞬間に触れれば、悔しく思うに違いない。 今回は、このうるさい客を満足させてやろうと、準備万端で待ちかまえていた様子。ことさら意識せず、ふだん通りのことをしてくれればいいと言いたいところだが、仮に偶然の連続だとしても、これまで度重なる不手際を体験してきた身としては、ここらで一気に汚名返上をと張りきってくれるなら、それはありがたく受け止めたい。 週末で混雑しているところに、部屋をアップグレードしてスイートを用意してくれたことも嬉しかったが、それよりも、快適な滞在を届けたいと本気で考えてくれることが伝わってきたのが何よりだった。そして、「お隣のお部屋は空けてありますので、静かな環境でごゆっくりおくつろぎいただけると思います」と、係は胸を張っていた。 用意されたスイートは15階のグランドエグゼクティブスイート。大好きなゾウのオブジェが置いてある部屋である。そんな小さなことに、あんがい大きな歓びを感じるものだ。 清掃は隅々まで行き届き、フローリングの床は素足で過ごしたいほど。寝室の大きな窓にも、拭き残しひとつ見当たらない。 ベッドメイクも丁寧に行われている。フレッテのシーツは肌触りが心地いいだけでなく、余計なにおいが何もしないのがいい。 まくらやクッションは、シワを付けないよう注意深く、そして中心線から1ミリもずれないよう、きちんとバランスを見ながらセットしてある。 広々としたバスルームは、解放感たっぷり。レギュラー客室よりも長いバスタブに浸かると、ガラスの仕切りを通じてベッドルームが見渡せるレイアウト。バスタブ脇のシャワースペースも十分に広い。 バスアメニティは自然派化粧品ブランドの「REN」。ナチュラルな使い心地だが華やかな香りが楽しめる。ヘチマのボディウォッシュも肌に適度な刺激を与えてくれる。 トイレは、バスルームの脇。引き戸で仕切られた個室として設けられているが、内部はやや狭い。トイレ前にある石造りの棚台は、入浴の際に服を置いたりするにも便利だ。 この日のウェルカムフルーツは、アメリカンチェリー9粒。まるでマカダミアナッツ入りチョコレートのような見た目だ。実際、そっちの方が嬉しいのだが。 結局、この日はチェックインしてからずっと部屋にこもりっぱなしで過ごした。クラブラウンジのカクテルアワーに顔を出すこともなく、夕食はルームサービスでハンバーガーを注文した。ここのバーガーはソースがない。そのため、熱いうちは肉の旨みで食べられるのだが、冷めてくるとだんだん美味しくなくなり、しまいには飽きてしまうのが難点だ。 夕食を注文する前から、上の階からかなり大きな足音が響き始めた。小さな子どもを連れた客がチェックインしたに違いない。 しばらくは我慢していたのだが、夜遅くなっても鎮まることがなかった。断続的にドスドスと聞こえてくる音が大嫌いなので、気分転換を兼ねて深夜のロビーに避難。 ひとのいないロビーには、美術館のホワイエのような引き締まった中にも穏やかな空気が流れている。照明効果も美しい。 ユニークなオブジェやアートワーク、泡だけが変化する噴水、あるいは正面玄関前にある石組に施された彫刻など、見て歩くものはたくさんある。 ふだんなら騒音に文句を言うのだが、スタッフの気遣いに負けた。翌日まで眠れぬ夜を過ごし、結局、ベッドは使用せず。 朝一番で朝食に出向くと、部屋を用意してくれた係から、「昨晩はごゆっくりお休みになれましたか」と尋ねられた。「何か行き届かない点などありませんでしたか」という問いかけでないところを見ると、相当の自信があったのだろう。 だが、尋ねられたので正直に答えた。それに関する弁明は聞かなかったが、上階に子ども連れが入ったこを知っていたのか知らなかったのか。チームワークが備わっていれば、こうした展開にはならなかったように思う。 |
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