グランド ハイアット 東京 Diplomat Suite
Grand Hyatt Tokyo
2009.08.01(土)
東京都港区
哀-2

スイートのリビング
 
態度の悪いドアマン 2か月前、ザ・リッツカールトン東京で期待の背いた意識の低いサービスで応対され、宿泊を取りやめベルキャプテンにグランドハイアット東京まで送らせたことはまだ記憶に新しい。その時、グランドハイアットではラグジュアリーホテルの鑑とも称すべき、見事な出迎えがあった。

だが、もしこの日と同じことが2か月前のあの日のなされていたら、ザ・リッツカールトンに顔向けができない事態になっていたことだろう。あの日が幸運だったのか、今日という日が災難なのか。

どんなに名だたるホテルであろうとも、常に最高水準であるとは限らず、まさにギャンブルのように明暗が分かれるというのが現実である。そして、到着時の印象は、後々にまで影響をする。高級ホテルステイにおいては、まずは到着時の出迎えを完ぺきに行えるよう、スタッフの態勢を備えるべきである。

この日、正面玄関に構える係は、まずもって態度が悪かった。ドアを開けるまではよかったが、その際に客の顔を見ないばかりか、退屈そうな表情のままだった。それは一瞬見せた表情ではなく、終始変わらず、なんとも感じが悪かった。しかも、荷物の扱いが乱暴。ゴミ収集の係員だってもっと自然にゴミを扱い、華麗に身をこなしていることを思い出し、人から譲り受けた高価なアンティークのバッグをゴミ以下に扱われたような気がして、まったく不愉快だった。

しかし、一連の不満を直接伝えると、その係はよく反省していた。性根は悪い人ではないらしい。一時的に気が緩んだのか、よほど衝撃的な事態に見舞われているところなのか知らないが、ホテル内で主要ポジションに就くのであれば、どんな事情であれ、それを見せてはならない。

今回の客室はディプロマットスイート。大層な名前が付いているが、このホテルではそれほど上位のスイートではない。ディプロマットスイートは17階から20階の高層階に4室あるが、その真下11階から16階の一列は同じ広さのグランドエグゼクティブスイートツインが並んでいる。また、グランドエグゼクティブスイートダブルは、10階から20階までの廊下の最も奥に位置している。

これらのスイートはいずれも100平米。開業当時はディプロマットスイートもグランドエグゼクティブスイートに含まれていたが、いつの間にか独立したカテゴリーとなり、ラックレートで23,100円の差が生じるようになった。だが、果たしてその料金差ほどの違いがあるのだろうか。そして違いには価値が感じられるのだろうか。

結果的にはNOである。これらスイートの中では、グランドエグゼクティブスイートツインが最も使いやすく心地よかった。だが、ディプロマットスイートにも利点はある。入口からリビングまでの動線が長く、室内のエクスクルーシブ感が高いこと。ゲスト用トイレがあるので、来客に対応しやすいこと。広いリビングに対し、ベッドルームがこぢんまりとしているので、長期滞在をする上ではより快適なことなど、それぞれ別の用途でデザインされていることがうかがえる。

なので、カテゴリーを分けたことに関しては理解できる。だが、なぜ料金差があるのか。設備を比べて、ディプロマットスイートにしか備わっていないものは、ゲスト用トイレくらいである。広さも家具や内装のグレードも同等であり、部屋の隅々まで見回しても、なるほどと思える点はない。

グランドエグゼクティブスイートとディプロマットスイートではリビングとベッドルームの位置関係が逆転しており、そのため、エントランスドアの位置も異なっている。ディプロマットスイートの広いリビングは、コの字型の出窓を持っており、ワークデスクとソファセットをグリッド線上に整列させている。テレビは壁のくぼみに設置されたボードの上にあるが、部屋のどの位置からも観にくい。ミニバーキャビネットは、エントランスからリビングまでの廊下に置かれ、エスプレッソマシンも備える。

一方、ベッドルームやバスルームは、ここだけ仕切ればレギュラールームとよく似た造りをしている。キングベッドとテレビの載った収納家具、窓際のソファとテーブルだけのシンプルな設えのベッドルーム。

そして、バスルームは、ベイシンのあるスペース、ウォークインクローゼット、トイレが、それぞれレギュラールームのものより広く取られているが、基本的な設備は共通しており、バスタブと洗い場のあるウェットエリアは、ほぼ同等である。バスアメニティはスイート用の「REN」で揃え、クオリティを感じさせる。

レストランはランチタイムに「チャイナルーム」を利用した。予約時に満席だと言われ、「オークドア」のカウンター席でよければ、そこで「チャイナルーム」の料理を提供するとの提案があったのだが、カウンターはタバコくさいと思われるので断った。もう一度調整してもらったら、ホールの中央でもよければ用意するとの返答があり、それで手を打った。

店内は大変な賑わい。スタッフたちも目まぐるしそうにしている。料理やサービスは若干滞り気味だったが、精一杯やっている様子が感じられたので、不快ではなかった。「落ち着かない席で申し訳ない」との言葉もあり、気遣いが伝わって来た。

 
ドアからリビングまでの廊下 廊下の途中にミニバーとトイレがある リビング全景

デスクサイドからリビングを見渡す 窓側からリビングを見渡す デスクから窓方向を見る

くぼみに設置されたテレビはみにくい ミニバーのエスプレッソマシン シンプルなベッドルーム

ベッドは180センチ幅 バスルームとリビングは隣接している クローゼットとトイレが並んでいる

ベイシンルーム バスルーム バスルーム

 グランド ハイアット 東京(公式サイト)
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