グランド ハイアット 東京 Deluxe Corner Room | |
Grand Hyatt Tokyo |
2009.05.02(土)
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東京都港区 |
楽-5
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最高級スイートのコネクティング | チェックインはフロントによらず、グランドクラブラウンジに直行した。ソファに座ると飲み物を勧められ、くつろいでいる間にもスタッフやマネジャーが次々と挨拶に立ち寄ってくれる。
まだラウンジ内は落ち着いた雰囲気が感じられるが、これからまたチェックインの嵐が吹き荒れ、カクテルアワーには怒涛のような目まぐるしさに支配されるに違いない。スタッフたちも臨戦態勢で臨んでいるのだろうが、笑顔や思いやりの在庫がよく続くものだと、毎度のことながら心底感心させられる。こんな日には、せめてなるべく手間を掛けずに、部屋でひっそりと過ごしていようと思う。 そのためには、清潔で整えられた客室と、静けさに最大限配慮した環境を、あらかじめ用意しておいてもらう必要がある。その点、今回は十分に気を利かせてくれたことが理解でき、結果から言うと、このホテルの開業以来、初めて納得のいく滞在ができた。 「清潔」「静寂」「時間を無駄にしない」という3点セットに関しては、これまで滞在の度に繰り返し要求してきた。「清潔」に関しては、かなり満足できるようになってきたので、今ではほとんど心配していない。だが、「静寂」については、今でも不満に感じることが多い。 ホテル客室の構造上の問題に加え、配慮の足りなさが不満を大きくしてきた。例えるなら、タバコを嫌う客の両隣にヘビースモーカーを座らせるレストランの様だったのだ。気が利かないだけだとしても、嫌がらせではないかと思わざるをえなかったのは、それが一度だけならず、毎度だったから。 ホテルとしては、室内から生じる騒音は予知しにくいと考えているようだが、どういった客がそれを発するのかくらいは、経験上判断できてしかるべきである。要は客室をアサインする際の心がけ次第であって、決して難しいことではない。あとは、ホテル側に対して、配慮の重要性を認識してもらえるよう、繰り返し訴えていくしかないようである。 今回利用した客室は、このホテルに1室しかないレアなタイプ。最上階ペントハウスにはプレジデンシャルスイートと、そのコネクティングルームだけしかなく、このフロアにはエレベータに特別な操作をしなければアクセスできないようになっている。プレジデンシャルスイートとコネクティングルームを両方使う場合は、そのゲスト専用のフロアにもなる、極めてエクスクルーシブな階だ。 この日、プレジデンシャルスイートは埋まっていたが、コネクティングルームが空いていたので、この部屋を使わせてもらった。静寂という点では実に申し分なかった。強いて言えば、プレジデンシャルスイートの客やホテルスタッフがフローリングの廊下を歩く足音が時折聞こえること、そして軒上から謎の低周波が断続的に生じていることがあったが、それ以外は人の気配すら感じることがなく、いつもの騒音に比べたらまったく気にならないレベルだった。 客室の広さは70平米以上はあるだろうか。室内は広々としたワンルームタイプで、ホテルの平均的なレイアウトと比較すると、かなりゆとりのある配置になっている。入口には照明を抑えたホワイエがあり、脇にはウォークインクローゼットがある。クローゼット内は広く、十分な収納スペースがあるが、照明がセンサー式のため、荷物を整理している際にも消えてしまうことがあって不便に感じた。ここはスイッチの照明でよかったように思う。 居室は、デスク、ベッド、テレビ、チェスト、ソファがあるのみのシンプルな空間。デスクは170×80センチのどっしりとしたもので、前後両面に抽斗が付いているが、イスは片側にしか置いていない。 ベッドは150センチ幅のものが2台、窓に足を向けて並んでいる。マットレスはレギュラールームのものより柔らかい印象があった。テレビはベッドの前に置かれている。あとは、キュリオケース付きのチェスト、オットマン付きのソファひとつ、そしてソファに添えられたテーブルとフロアスタンドがあるが、いずれも他の部屋にはない、この部屋だけにチョイスされたアイテムだ。 ベッド前にある窓は細長く、明かり取りとして、あるいは東京の風景を切り取る横長の額としての役割だと考えた方がいい。一方、側面に付いている窓はプライベートガーデンに面しており、床から天井までの一面ガラスだ。ガーデンにはイスとテーブルが用意されており、天候がよければガーデンで食事を楽しむこともできる。植栽もよく手入れが行き届いており、石組みの装飾や噴水も設置されているのがいい。 バスルームもまた、このガーデンに面している。天然石に囲まれた大型のバスタブとシャワーブースが並び、バスタブに浸かりながらガーデンが眺められるようになっている。ベイシンは立派な大理石の天板を持ち、ベイシンボウルには小ぶりのものを使っている。トイレはすりガラスのスイングドアで仕切られており、内部は広い。バスアメニティはスイート仕様ではなく、レギュラールームと同等の品揃えだ。 インテリアは、ディテールを除いてはレギュラールームとの共通点がない。ペントハウスらしく、天井高が3メートルと高いのも特徴である。欲を言えば、ベッド以外にもくつろいで座れる大きなソファが欲しかったが、スイートのコネクティングルームとして考えれば、実によくできた客室だと思う。今回はこの客室の快適さに支えられ、とても心地よく滞在することができた。 |
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グランド ハイアット 東京(公式サイト) | |
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