おもちゃにされたパン |
2007.02.10(土)
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グランド ハイアット 東京 Grand Club Room | |
Grand Hyatt Tokyo |
哀-1
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チェックインはとても丁寧な物腰で、スピーディに行なわれた。しかし、一見優雅そうなその物腰の奥には、どことなく冷たいものが潜んでいるように感じられる。何がそう感じさせるのかを具体的に説明することは難しいが、長年に渡り、毎日のようにチェックインを経験し、何千人ものフロント係に接していればこそ研ぎ澄まされる直感というものが、いつの間にか身についてしまった。そのセンスで見る限り、今、目の前で微笑んでいる係の表情はニセモノだ。だからというわけではないが、こちらも自然とウソっぽい笑顔を浮かべながら、潜在意識下ではできるだけ早くフロントから立ち去ろうとする。
そこへマネジャーが挨拶にやってきた。彼女は言葉では「お待ちしておりました」と言っていたが、後から出てきて「お待ちしておりました」では、あまり気の利いた挨拶とは言えない。そのマネジャーに先導されて部屋へと向かったのだが、その途中、前回滞在時に「向う三軒両隣のテレビ音声」に非常に悩まされた話をし、今回用意された客室にその心配はないのかと確認したところ、大丈夫だと胸を張っていたので、とりあえず安心した。実際、夜になっても隣室は静かだったが、奥のスイートに披露宴を済ませたカップルが滞在していたらしく、深夜まで人の出入りが激しく騒々しかった。 客室は標準的な42平米のタイプ。森タワー側がアサインされたので、目の前にはビルが迫るが、それらのビルの合間から東京タワーを見ることが出来る。また、高層階だったので地上から離れてる分だけビル側の圧迫感が軽減された。夕方からフィットネス&スパNAGOMIを利用したが、18時を回った頃から混雑し始めた。ロッカールームの奥にあるサウナ・バスエリアは、内部に座って休める場所がなく、繰り返しサウナに入るには不便があった。 朝食はクラブラウンジで。フードカウンターには、彩り豊かな品々が並ぶが、冷たいものばかり。この日は子供連れの客が多かったが、親の目が行き届いておらず、子供たちがパンをおもちゃにして遊んでいた。散々おもちゃにしたパンを、そのまま元の場所に戻し、そうとは知らない客が皿に載せ、更には口に運んでいる光景の一部始終を見てしまった。一声掛けてあげたいと思ったが、言葉が見つからない。ことの次第をすべて説明するのも容易ではないし。そうこう考えているうちに、問題のパンは客の胃袋に収まってしまった。ラウンジでサービスに当たるスタッフがそれに気付くチャンスは数多存在したが、結局は目が行き届いていないために野放図のまま。 このホテルは立派に造られているのだが、どうしても心からくつろぐことが出来ない。前日に滞在したヒルトン東京の方が、部屋は狭いし、設備的にはワンランク劣るのだが、総合的な印象としてははるかに快適だった。 |
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グランド ハイアット 東京 | 030502 031031 031130 060211 060624 070103 |
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