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グランドハイアット東京 Deluxe Corner Room | |
Grand Hyatt Tokyo | 2010.01.01(金) |
東京都港区 | 喜-3 |
ARCHIVES ・ 1992 |
高級旅館的クラブフロア よく晴れた2010年の元旦。グランドハイアット東京に到着したのは午後2時だった。エントランスで荷物を持ってくれたアテンダントと共に、10階のクラブラウンジへ直行。チェックインタイムまであと1時間ほどあるラウンジは混雑もなく、穏やかな雰囲気だった。 入口に近いテーブルを選んで落ち着くと、スタッフたちが代わる代わる声を掛けに来てくれる。異動により宿泊のセクションを離れたスタッフも、到着を聞いてラウンジまで来てくれた。そうした歓待も然ることながら、彼女らの折り目正しく美しい振舞いが嬉しかった。一年前にはだらしないと感じていたことを思えば、見事な変貌である。 客室が用意されるまでには40分ほど待たなければならなかったが、ラウンジでスタッフと会話をしたり、飲みものを振舞われていたら、あっという間だった。チェックインタイムが近づくにつれ、ラウンジの混雑は増していった。正月を家族で過ごす子連れが多いが、客層はいい。 用意された部屋は最上階。ここが最も静かに過ごせるだろうと、ホテル側が気を遣ってくれた。ワンルームタイプの広いこのツインルームには、植栽やテーブルセットを配したプライベートガーデンがあり、冬の寒空でも晴れていれば気持ちがいい。 石から泉のように湧き上がる水の演出も効果的だ。外の景色を望むための窓は、このガーデンも室内も共に細く作られているが、それがむしろ外からの視線も遮ってくれるので、どこまでもプライベートに過ごせるのがいい。 室内もすっきりとシックにまとめられており、レジデンシャルな雰囲気。ベッドやデスクも大型で、入口脇に設けられたウォークインクローゼットも広々している。ただ、本来は隣接のプレジデンシャルスイートと一緒に使うことを想定しているからか、この室内にリビング的なくつろぎスペースはほとんどない。 唯一のソファはガーデン側の窓際に置かれており、ひとりで過ごすには申し分ないが、誰かと分かち合うには物足りない気がした。 テレビやオーディオなどは、すべてベッド足元のキャビネットにまとまっていて、居室内のどこからでも目に入るようになっている。また、装飾を控えたインテリアにおいて、デスク背後の3つの額にはインパクトがあり、それぞれの家具のデザインも引き立っている。照明は全体的に暗くムーディー。デスクスタンドのスイッチが床面にあるのだけは使いにくかった。 バスルームは天然石仕上げで、こちらもガーデンに向かって大きな窓があることで自然光がたっぷり入るが、他人の視線は一切届かない位置にある。 グランドハイアット東京といえば、湯を溢れさせられるバスタブと洗い場スペースが象徴的だが、この部屋のバスタブは湯を溢れさせることはできず、洗い場ではなくシャワーブースを設けている。ベイシントップの白い大理石が、シンプルな空間で唯一、華やぎを感じさせる。トイレは磨りガラスで仕切り、独立させている。 夕刻のカクテルアワーの前に、ラウンジに立ち寄ってみた。空いていたラウンジはみるみるうちに満席になり、17時半のカクテルアワー開始と同時に、フードカウンター前は黒山の人だかりに。それも、食べものを奪い合うかような下品な雰囲気だった。これでは居心地もよくないので、早々に退散してプールへ行った。 幸い、他に人の姿はなく、思い切り泳ぐことができたが、このプールの象徴でもある「光るジャクージ」は、水漏れのため使用できなくなっていた。すっかり水を抜かれたジャクージは、修理に数週間を要するとのこと。なんとなく寂しいプールサイドだった。 夕食をどうするか、迷いに迷った。各レストランは正月特別メニューで割高な上に混雑している模様。かといって、近隣の店も元旦はやっていないところが多い。結局ルームサービスで軽く済ませることにして、初日はバーガーを注文した。 実にシンプルなハンバーガー。これで味がよければ納得だが、ミディアムで注文したのに、中は「ユッケ」状態。店なら即刻作り直しだが、ルームサービスではそれも面倒。我慢して食べたら、後に気分が悪くなってもどしてしまった。 性懲りもなく、翌日もルームサービス。今度はチキンバスケットを頼んだ。小さく縮んだチキンが5個、残りのスペースを埋めるグチョグチョのポテト。とても食べられたものではなく、見ただけで終わり。おかげで、連日よいダイエットになった。 朝食は、この時期のみ、ラウンジ以外に「フレンチキッチン」の利用も可能だと案内されたので、後者を使ってみた。混雑すると思い7時過ぎに行ってみたところ、ガラガラ。オープンキッチンの前に並ぶ料理は、その並べ方も計算されて見栄えする。内容はラウンジのものに卵料理などの温かい料理が加わるが、あまり大差ない。 だが、サービスは大きく違っていた。ぶっきらぼうで愛想なし。コーヒーのお代わりを一度も持ってくることなく、何かとタイミングが悪い。そのくせ、帰る時だけ「ありがとうございま~す」と語尾をだらしなく伸ばして大合唱。やはりラウンジの方がいい。 2泊の滞在は概ね快適だった。とりわけクラブフロアのスタッフたちによるサポートと気遣いは素晴らしかった。それを損ねていたのが、「フレンチキッチン」とルームサービス。日本料理と中国料理はなかなかいいのに、洋食はいまひとつの印象がまだ残る。 チェックアウトも到着同様、丁寧で心地よかった。その感覚は、高級旅館を訪れた時によく似ていた。 |
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