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ザ・プリンス さくらタワー東京 Junior Suite | |
The Prince Sakura Tower Tokyo | 2010.06.17(木) |
東京都港区 | 哀-3 |
ARCHIVES ・ 1992 |
ますます縮まったグランドプリンスとの差 前回泊まった際に、開業以来続いていたレセプションラウンジでのチェックインを取りやめたことを聞き、非常に残念に思ったわけだが、それを知った今となってはすなおにフロントカウンターで立ったままチェックインするしかない。 やはり、かつてのユニークで快適なチェックインを思うと、どのホテルとも変わらないありきたりなスタイルには物足りなさを感じてしまう。飲みもののサービスは、ドリンク券に形を変えて継続されているが、何も飲みもの一杯が欲しかったわけではない。他にはないサービスを体験したかったのである。 もはや役目を終えたに等しいレセプションラウンジは、一応、自由に使えるスペースとして解放されているが、そこでくつろぐ人の姿は少ない。 この日は荷物が少なかったからか、チェックインを済ませても、ベルによる部屋への案内はしてもらえなかった。人のいないロビーの通路を進みながら、ゴージャスな石の床や壁を眺めてみたが、せっかく金を掛けて立派に設えたのにラグジュアリーホテルらしく見えないのは、エレガンスが足りないからだと思った。 エレベータで客室階に降りると、今度は独特の雰囲気に包まれる。廊下はまっすぐに伸び、丸みを帯びた壁が途切れるごとに、客室の扉が規則正しく並んでいる。 だが、ジュニアスイートはエレベータホールから最も近い位置にあるので、今回はこの廊下を先まで進むことはなかった。 ジュニアスイートはコーナーにある。ドアを入ると、細長いホワイエがあり、まずは幅の広いバゲージ台が目に入る。部屋の構造上仕方がないとはいえ、最初に目に着くものに色気がないとは、これまた空間デザイン的にいただけない。 ルーバーの折戸が取り付けられたウォークインクローゼットもまた、まったく色気はないが、収納力は突出している。3段のオープンラックの他、ハンガーレールの上も棚になっており、子供部屋の収納のようなスタイルだ。 クローゼットと居室の間にはミニバーがあり、ユニークな棚にはリカーのミニボトルが並んでいる。だが、グラス類はタンブラーしかなく、これらのボトルを十分に楽しむには、役者がそろわない。 居室は半円形の大きな窓が特長の明るい空間だ。パノラミックな窓からは、自慢の庭園を一望。特にさくらの時期には都内屈指の絶景が眺められるが、その他の季節でも四季折々の風情が楽しめる。 しかし、仲良く並んだソファは窓を背にして室内を向いている。仮に逆転させたとしても、窓台が高いので、十分な景観は得られない。ソファにはレースの背カバーが取り付けられており、クラシカルな装いだ。 気になったのは、窓の汚れ。眺めも料金のうちであろうから、窓掃除は内側からも外側からもしっかりと実施してもらいたい。 ソファの前には楕円形のテーブルを置き、両脇にはガラスの円盤棚の付いたフロアスタンドがある。スタンドの電球は蛍光灯なので、明るくなるまでしばらく時間を要した。 デスクはドレッサーを兼ねており、目の前には三面鏡が取り付けられている。その上の照明器具のデザインがユニーク。テレビの下は観音開きのフリーラックになっている。 デスクの脇には湯沸かしポットとコーヒーメーカーがある。コーヒーメーカーにはあらかじめマグカップが取り付けられているが、逆さに伏せて置かれていることに注意が必要。うっかりそのままスイッチを入れると、コーヒーはすべて溢れ出てしまうだろう。 ベッドは140センチ幅が2台並ぶ。寝具はデュベカバー仕上げになったが、マットレスは古いままなので、ベッドの高さも以前と同じでとても低い。 窓のある広々としたバスルームは、むしろ居室よりも快適で魅力的かもしれない。壁はタイル張りで、床は大理石。せっかくのデザインだが、やはり風変わりの域に属するような気がする。 ベイシンは白い大理石造りで、ふたつのボウルそれぞれに楕円形のミラーを備えている。ベイシン脇には古い固定式ドライヤーが取り付けられているが、デスクにマイナスイオンドライヤーを置くようになったのなら、取り外してもいいように思う。 バスタブは円形で、底からのブロア機能を備えている。いわゆるジャクージとは機能もパワーも違うので、同じに扱うことはできないが、これだけのバスタブはなかなかお目に掛かれない。前回は内側の汚れが気になったが、今回はきちんと清掃されていた。 シャワーブースも独立しているが、デザイン的にはあまり優れていないし、シャワーのホースがだらしなく垂れ下がっているのも気になる。また、ボトルやソープを置くラックが小さすぎる。 タオルやバスローブはテネリータのオーガニックコットン製。であるはずなのに、一部に通常のものが混ざっていた。前回はベッドリネンやアメニティにも同様の混在が見られたが、不足のないよう、しっかりと管理してもらいたい。 バスアメニティは、シャンプー類とソープのみがブルガリで、他のアイテムは通常のさくらタワーセレクション。以前のようなポーチには入れず、プラスチックのトレーに無造作に置かれるようになったのは残念だ。 トイレは完全に独立しており、ミニ手洗いベイシンとタオルを備えている。床がリノリウム製なのが安っぽさを醸している。大理石を使うことくらい、難しくはなかったはずだが、これもセンスの問題だろうか。 朝食は1階の「さくらラウンジ」で洋食ブッフェを提供していたのが廃止された。洋食は高輪か新高輪まで出向くかルームサービスを利用するしかない。これでラグジュアリーホテルと言えるかは微妙なところ。グランドプリンスとは明らかに違う、高品質なサービスをぜひとも貫いてもらいたい。 |
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