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ハイアットリージェンシー東京 Ambassador Suite  
Hyatt Regency Tokyo 2010.08.29(日)
東京都新宿区 楽-3

スタンドから見るリビング

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改装したら5万円アップ


ハイアットリージェンシー東京の9階には、リージェンシークラブのレセプションとラウンジの他、6室のスイートがある。

かつて、ラウンジ部分が最高級のスイートだった当時は、7室のスイートのみで構成されていた。そのため、ほとんど人の往来のない静かなフロアだったわけだが、今はクラブラウンジができたことで、多くの人が9階に立ち寄るようになった。

しかし、6室のスイートは、ラウンジとは反対のウイング、ないし、ラウンジよりも奥に位置しているため、他の客が部屋の前を通りかかることはほとんどなく、今でもエクスクルーシブな雰囲気が保たれている。

エレベータホールから客室廊下までベロアを張った壁が続き、昔のホテルマークが入ったブラケットが輝くなど、開業以来の意匠を今に残す数少ない場所となった。廊下の天井は高く、片側はアトリウムのルーフトップに向けて窓になっており、エレガントなドレープが掛かるヨーロピアンクラシックの世界だ。

一方、各スイートは改装を終えてまだ間もない。以前は貴婦人が似合う優雅な雰囲気だったが、すっかりモダンに生まれ変わったという。居心地や使い勝手はどうなったのだろうか。

9階のスイートは、プレジデンシャルが2室、アンバサダーが4室。前者の方が高級とされ、ラックレートで5万円ほど高いが、広さの差はさほどない。今回利用したのは2番目に高級なアンバサダースイート。112平米の面積を持ち、スイートフロアならではのスケール感あるレイアウトを施した、ホテル自慢のスイートだ。

この改装によりラックレートは5万円高くなった。もう一方のプレジデンシャルスイートに関しては8万円の上昇。だが、こうした理解不能の値上げは、ラックレートの存在意義を崩壊させるだけである。

リビング

片開きの扉を入ると、ホワイエなしですぐさまリビングルームになっている。入口脇にはエキストラのトイレ、ウォークスルークローゼットへの扉がある。内装は、全体的に木目を多用し、一部は土壁にするなど、伝統的でぬくもりのある雰囲気。最大で約3メートルある天井高が、空間をゆとりあるものに感じさせている。

リビング

家具やファブリックは、このデザイン会社が得意とするテイストそのもの。もてはやされているのは結構だが、あちらでも見た、こちらもそうだったという感じで、いささか飽き飽きだ。

リビング

室内の雰囲気は昼夜で大きく変わる。ハロゲン光を多用しているので、照明効果の出やすい夜の方がムードがあっていいかと思いきや、あんがい日中の方が心地よく感じられる。特に使っているファブリックの色合いのよさが、人工照明の下では伝わりにくいように思われる。

ダイニング

入口からリビングに進むと、まずあるのが4人用のダイニングセット。丸いテーブルを4つのアームチェアで囲んでおり、脇には書物や小物を陳列した細いカウンターがある。テーブルは割れ木に杭を打ったおなじみのデザインだ。

ダイニング

天井からはポールヘニングスのアーティチョークペンダントライトが下がる。ヘアライン仕上げの銅版が反射する独特の光は、部屋のどこからでもひときわ目立つ存在感を示している。

ペンダントライト

ダイニングテーブルとソファセットの間には、木目が美しいコンソールカウンターがある。スイートはミニバー無料。エスプレッソマシンも備えている。

リビング

コンソールより窓に近い方には、ソファセットとワークデスクを配している。天井には丸いくりぬきがあり、そこに間接照明を設置。壁の上部にも間接照明があり、これらは調光ができる。

リビング

ソファはどっしりとしたもので、多数のクッションが添えてある。テーブルは四角いシンプルな形だが、なかなか味わいのある品物だ。

リビング

ソファの座り心地は悪くないが、寝そべってカウチ代わりに使うには、やや幅が足りない。テーブル上には、写真集とともに、テレビコントローラ、灰皿が置かれている。

リビング

テレビは50インチサイズで、壁に掛かっている。角度は変えられないので、ソファから見ることを想定して設置したようだ。BOSEのサウンドシステムとDVDプレイヤーを備えている。

リビング

ワークデスクは窓を背に置かれている。肘掛のある車輪付きイスを添えており、デスクトップも広いので、ワークスペースとしての環境は悪くないように見える。

リビング

ただ、デスクトップも割れ木に杭というスタイルで、ペンが転がれば下に落ちるし、オーケストラスコアのような大きな書類を広げて注意書きを記入していると、溝の部分でビリッと破けるしで、腹立たしいことが重なった。

デスク

デスク回りは窓に囲まれており、開放的な環境だともいえる。脇のバルコニーには、以前なら出ることも可能だったが、現在は施錠されており、でられない。

デスク

ベッドルームへは、仕切り壁の両脇に設けられた2か所の引き戸で通じている。140センチ幅のベッドが2台ならび、ハイアットらしい純白のベッドメイクを施している。固めのマットレスも、ハイアットならでは。

ベッドルーム

テレビはベッド前の壁に掛けられている。また、ベッドと窓との間には、クラブルームにあるのと同じリラックスチェアが置いてある。ベッドルームの窓には、ブラインドレースとともに遮光スクリーンが設置されているが、リビングルームはブラインドレースのみ。いずれも電動式だ。

ベッドルーム

ベッドルームの奥はバスルームになっている。間にはウォークスルークローゼットへの扉があり、クローゼット経由で入口の方へ出ることもできる。

ベッドルーム

ウォークスルークローゼットは、片側がハンガーレールのみで、もう片側はハンガーレールと収納棚兼荷物台になっている。

クローゼット

収納棚には8段の引き出しが設けられ、それらは軽やかな動作で開閉できる。残りの右上段には金庫が入っている。ここの他に、ダイニングテーブル背面の壁にも、かなりの収納力を持つ棚が設けられているので、ロングステイには好都合だろう。

収納棚

バスルームも充実している。ベイシンのあるコーナーだけでも、十分に広い。ベイシンボウルなどはクラブルームのものと同じ。ベイシントップがやや広い程度の差でしかないが、周囲の空間にかなりの余裕があるので、印象がだいぶ異なる。木のスツールもある。

ベイシン

ウェットのバスエリアは約6平米。ユニークなコクーン型バスタブと、シャワースペースを設けている。天井高は223センチ。ハンドシャワーの他にレインシャワーもある。

バスルーム

バスルーム内は大谷石のブロックを組み合わせて壁にしている。その一部をガラスブロックにして、向こうから照明の光が透過するように工夫することで、とてもユニークな表情を持った壁が仕上がった。

バスルーム

バスタブのサイズは180×98センチと大型。たっぷりと張った湯に浸かると、不思議と体にフィットして、何かのカプセルに入って浮遊しているような不思議な感覚を楽しめる。

バスタブ

バスタブの前には、壁に埋め込まれたテレビが設置されており、付属の防水リモコンでコントロールする。ただ、角度的にはだいぶ横目で見なければならないので、テレビを見ながら長湯をすると、首が疲れるかもしれない。

バスルームテレビ

バスアメニティのうち、シャンプー、コンディショナー、ボディソープ、ボディローションと、2種類の固形ソープはフェラガモ。ボトルは75ミリリットルと大きく、甘くリッチな香りがする。

バスアメニティ

その他のアイテムは、全室共通のもの。タオルは通常、バスタオルだけは3枚で、他は2枚ずつ置いてある。いずれもフカフカの厚い生地で、肌触りは申し分ない。

バスアメニティ

トイレは個室になっている。接近するとフタが開き、後で自動で閉じるタイプ。リビング側にあるトイレも同タイプだが、脇にミニベイシンが設置されているのはリビング側だけである。

トイレ

こうしてレイアウトを見ていると、コンラッド東京のスイートに非常によく似ていることがわかる。広さはこちらの方が1.5倍あり、料金は2倍近い。インテリアのテイストはまったく違うが、こちらの部屋には別荘に暮らすような、深いくつろぎ感があるのがいい。

だが、何かいまひとつピンとこない。たぶんそれは、内装に生活感がにじんでいるから。あえてそうなのだろうから文句があるわけではないが、ホテルのスイートに求めているもの、もっと平たくいえば、好みが合わないということだろうと思う。

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ハイアット リージェンシー 東京

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