1997.08.23
アトリウム
ホテルセンチュリーハイアット Regency Club Room
楽-2

パークハイアットの開業以来、すこし影が薄くなってしまったが、このホテルもまた開業当時は女性からの絶大な人気を誇っていた。ロビーで圧倒的な存在感を示している3基の大シャンデリアや、初の高層シースルーエレベータなど、大きな話題を呼んでオープンしたホテルだ。

標準の客室面積は33平米と広く、たすき状にかかったレースカーテンが印象的。ここは日本で初めてのハイアットブランドのホテルでもあるが、あくまで小田急が運営するホテルなので、初めて利用した時は海外のハイアットから受けた印象とかけ離れていて、随分とがっかりした記憶がある。それはサービスに不足があるという意味でなく、イメージが違っていたというだけの意味でだ。

確かにロビーは大きなアトリウムになっており、ハイアットリージェンシーのイメージだが、ハイアットの客室はもっとモダンな感じであることが多い。このホテルのインテリアは、どちらかというとエレガントにまとめてある。ロビーやレストランは動的でエキサイティングなのがハイアットリージェンシーだという先入観なしに見れば、いいホテルだ。

このホテルでは特別階「リージェンシークラブフロア」は全客室のうち最も低層階に位置している。ちょうど向かいにある公園の緑が目線の高さなので、都心にいながらにして森の中にいるような雰囲気が味わえるわけだが、新都庁が完成してからは、同じフロアでも半数の客室からは庁舎の壁しか見えなくなってしまった。したがって、どちらの向きの客室になるかで、眺望に相当の差がある。

低層階でありがたいのは、エレベータに乗っている時間が少なくて済むのと、万が一災害が発生した時、逃げやすいことくらいだろうか。また、かつては契約のある法人でないとこのフロアを利用することはできないという、珍しいシステムを導入していたが、不景気で需要が減ったのか、とうとう一般開放されることになり、それと同時にラウンジや客室を改装した。

チェックインはラウンジではなく、一般階と同等にフロントで行う。フロントスタッフが少ない上に、時間によってはチェックインが重なるので、銀行のキャッシュディスペンサーのように、ロープに沿って整列させられることが多い。ラウンジにはスタッフは常駐しておらず、ソフトドリンク類はセルフサービスで自由に利用できる。夕方のカクテルアワーと朝食時は数名のスタッフがサービスに当たり、多くのゲストで賑わっていた。いずれの時間帯も品数が豊富で、クオリティーも高く満足だった。特にカクテルアワーのオードブルには相当力を入れているように感じた。

客室アメニティーはゴールドパスポートフロアと同等なので、会員にとっては一般階と大差ない。一般階は廊下の両側に客室があるが、リージェンシークラブフロアは外側にしか客室がなく、内側はアトリウムに向けて開放してある。この演出効果は大で、結構気に入った。

1999年のコメント:昨年、待ち合わせに便利だったロビーラウンジがなくなってしまいました。週末はいつでも混み合っていて、行列さえできていたのに残念です。しかし、一回座ってしまうと、みなさん長くいるので回転が悪かったのかのしれません。今は、その奥にあるコーヒーショップがラウンジの機能を兼ねていますが、見通しが悪いので待ち合わせには向きません。

余談ですが、京王プラザホテルはロビー階にラウンジが2個所あって、待ち合わせの相手に説明するのが面倒です。というわけで、最近は待ち合わせといえばヒルトンを利用しています。でも、ここもあまり見通しは良くありません。やはり、新宿は不倫向きなのでしょうか。

Y.K.